テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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殺生石ができた過程

ウィンドブリズ山 ダインとの修練二日目 夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………今日の成果はダインに………人に対して魔術は使えるようになるところまではいけたけど………、

 

 

 最後までモンスターに魔術を使うことが出来なかったなぁ………。」

 

 

 一ヶ月進捗が滞っていた二日前までの日々に比べればかなりの進捗ではあるのだがそれでもおよそ一ヶ月かけての成果が人並み以下の地点では過去の自分と今の自分とを比べたところで成長した気になれない。勿論自分でも成長したとは感じているが振り替えって見ても結局自分の立ち位置は人よりも後ろにいるのだ。いかに協力な力を持っていてもどうにも自分はそれを自慢する気になれない。なにせ自分以外の者は世界中探してみても魔術欠損症と言った特殊な事情を抱えた者達ばかりしか思い浮かばない。それでもその人達ならもし魔術が使えたのならばカオスのように生物に対して放てないなどという事情は抱えてはいないだろう。

 

 

 自分がこうなってしまったのは子供の頃のあの事件が原因だ。あれがあったからこそ自分は生物に対して魔術を行使出来ないまま十年の猶予があったにも関わらずそれを乗り越えようとすることもなく今に至ってしまった。そして今その十年の付けが回ってきたかのようにカオスの中に眠る力を使わねば討伐不可能とされるカイメラが現れた。

 

 

 ここでこの試練を乗り越えねばカオスは後三ヶ月後に精霊と共にこの世界の最後を見届けることになる………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………なぁ殺生石………、

 ……何でお前は俺の中から出ていかないんだよ………。

 お前が俺の中にいるから俺は迂闊に手加減できない魔術しか使えないんだよ………。

 お前が俺の力を何千倍にも増幅させるから俺の魔術は……、

 普通に練習することさえ出来ないんだぞ………?」

 

 

 現在ダインはカオスの近くで眠っている。なのでこの言葉はカオスの無意識に溢れた一人言だった………。この一人言には誰からも返答が帰ってくるとは思っていなかった。当然カオスの中に眠る殺生石の精霊からも………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………しかし意外なことに返答を返す言葉が心の中に響いてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺生石『……お主の心の中は今までのどの生物達の中でも快適な空間じゃからな………。

 こんな器は早々巡り会わんかった。

 じゃから儂はお主の中に入ったのじゃ。』

 

 

カオス「!」

 

 

殺生石『最近は頻繁に術を使いよるようじゃな。

 ヴェノムも………、

 ほう………、

 大分この地より数を激減させておるようじゃな………。

 関心関心………。

 

 

 この調子なら儂の試練は無事突破出来そうじゃな。』

 

 

カオス「(……能天気に突破出来るとか言いやがって………。

 勝手に試練を言い渡して自分は今まで眠っていたくせに………。)」

 

 

殺生石『構わんじゃろ?

 どうせお主は儂のことを嫌っておるようじゃし儂もお主のことは“異様に快適過ぎる器”とぐらいにしか見ておらんのでな。』

 

 

カオス「(快適過ぎる器………?)」

 

 

殺生石『お主の体………、

 何やらこの自然の摂理によって生まれた者の波動とは少々違う………。

 そこで眠っておる娘もそうじゃ。

 光によって照らされて見えるその肉体の中には自然界の者達のどの生命よりもマナを凝縮させて蓄えることが出来るほどの大きな器が備わっておる。

 儂がもしお主等のような者達以外の器に入ったとしよう。

 そしたらその器は儂の力に耐えきれずに魂を打ち砕かれてただ儂の力を持つだけの小石に成り下がるだけじゃ。』

 

 

カオス「(小石に?)」

 

 

殺生石『お主がいたミストとかいう村があったじゃろ?

 あの村で儂はあの岩に潜んでいたがあれは元々はお主の前に入っておった器じゃ。

 お主等エルフはあの小石が小石になる前の生命をドラゴンと称していたな。』

 

 

カオス「(……あれドラゴンだったのか………。)」

 

 

 昔からあの大岩は殺生石以外の何かだと考えたことはなかった。あれがまさか元々がドラゴンだったとは……、

 

 

 ドラゴン………、

 このデリス=カーラーンでは竜の里なる場所がどこかにあって竜も様々な種類が存在すると聞く。カオスの旅でもその一種のダイナソーと遭遇したことがあった。ドラゴンは通常どの種族よりも強大な力を持ちマナを保有している量もドラゴンという一括りにしてしまえばどんな生命よりも多かった筈だ。

 

 

 この殺生石の精霊はそんなドラゴンの中にいたのか。

 

 

カオス「(何でお前が中に入っていたそのドラゴンはあんな風に岩に成り変わったんだ?

 ドラゴンだったら多分このデリス=カーラーンの中でもお前が入れそうな器になれそうだと思うけど。)」

 

 

殺生石『確かに器としてはこの星屑の中でも上位の存在ではあったじゃろう………。

 しかしあの蜥蜴では儂の力に耐えうる器ではなかった。

 お主と違い儂が入り込むとあの蜥蜴はこの星の物差しで言うと僅か………、

 

 

 “一ヶ月”で死に絶えおったわい。

 そして儂が中にいる状態で死に絶えてしまったため通常の自然の死を迎えずにあの小石となった。』

 

 

カオス「(……お前が中にいる状態で死ぬと俺もあんな風に石化するのか?)」

 

 

殺生石『作用じゃな。』

 

 

カオス「(マジか………。)」

 

 

 この殺生石に憑かれたまま死ぬと石化する。つまりカオスが死ぬと人としての最後を迎えられず火葬や埋葬といった方法で死後の体を葬ることが出来ないということか。

 

 

殺生石『じゃから儂は驚いておるのじゃ………。

 お主らエルフの中にドラゴン以上の器を持つものがおることに。

 ……巧妙に隠されてはおるがお主とその娘はどこか………、

 

 

 エルフならざる力を感じる………。

 何かエルフの手によって生命体構造を作り替えられておる伏しが見られる………。

 儂にとっては動き回る器で便利だとはおもうのじゃがな………。』

 

 

カオス「(………)」

 

 

 

 

 

 

 エルフならざる力か………。

 バルツィエはカタスティアによってもたらされた古代の技術を使用して力を得たのだと聞いている。カオスの中にも当然その力があるのだろう。バルツィエは何世代も前からその力に頼って権力を得てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミストにいた時から化け物扱いされてきたせいでこいつにもその化け物みたいに言われても何とも思わないな。こいつ自体も化け物みたいなものだし………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺生石『(………サタン………、

 お主の力をこの星屑で悪用しようとしておる者がおるようじゃな………。

 なんと嘆かわしいことじゃ………。

 お主がこの現代におればこのようなヴェノムが蔓延るようなことには………。)』

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