テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ウィンドブリズ山跡地 ダインとの修練最終日
カオス「ダインが………ヴェノムの主退治を手伝う?」
ダイン「うん……。
うちも何もしないで世界が破壊されるのは嫌だし……、
世界の危機だって言うなら……皆でそれを止めるのがいいと思うから……。
駄目……?」
カオス「……いや……駄目ってことは無いと思うけど……。」
………確かに世界が終わりを迎えようとしているのならこの星に生きる者達ならそれを阻止すべく動き出したいと言うなら話は分かるのだが………、
ヴェノムの主は………バルツィエがばら蒔いた種なのではないのか?バルツィエがダレイオスに奇襲をしかけてその際にダレイオスに九体のヴェノムの主を配置しバルツィエはそうするだけでダレイオスの弱体化を謀った。現にダレイオスは国家として纏まっていたがそれが分解され九の部族が各々の地へと帰っていった。そうなっていたダレイオスはマテオから見れば一大大国が九の小国へと力を下げられたため戦術的に攻めやすくなった。だからレサリナスでは早急に開戦をしようとしていた。今ならダレイオスを一つ一つ潰していけて比較的楽にダレイオスを制圧できるから……。
状況的にバルツィエが数年前の奇襲時にヴェノムの主を放ったと考えるのが妥当だ。バルツィエにとってはヴェノムの主は何もかもが都合がよすぎるしそれによって得をするのそバルツィエだけだ。レアバードという移動手段も持ち合わせていることからダレイオスには時間さえあれば自由に行き来出来るし平均的に全ての部族のいる地方に疎らになることなく主を配置出来る。ダレイオスにとっては敵であるマテオの者以外にそんなことをするメリットは無い筈。話の全容ではそれぞれの地方に主が確認されているのならどこかの部族が主を作り出したとは考えにくい。世界的にもヴェノムの研究に関して秀でているのはバルツィエ一択。バルツィエ以外に主が持つような強いウイルスを作り出すことは不可能。
よってバルツィエがヴェノムの主の発端だと窺えるのだが………、
ダイン「………」
カオス「………」
ダインに直接聞くのが早いのか………?バルツィエの研究機関ではヴェノムの主になり得る個体アスラという別名の種を何かしら研究していたようだしもしこの仮定が正しかったらダインからバルツィエが保有するヴェノムの主に関しての情報とそれに纏わる対策や方法、それとツグルフルフのような撃退手段があるかもしれない。ここはダインに素直に協力をしてもらうのが主討伐の遅れを取り戻せることに………、
………しかし本当にダインは俺達に協力してもいいのか………?そんなことをしたらダインはバルツィエを実質的に裏切ることになるのではないか?自らの居場所を投げ出すようなことをダインに頼んでしまってもいいものか………。いくら世界の危機と言えどその先に待つダインがブラムと一緒にいられる結末にはどうしても結び付かないのだが………、
ダイン「…………!
………何か……!
来る………!」
カオスがダインの申し出に色々と頭を悩ませているとダインが何かの気配を察知する。
カオス「………え?」
ダイン「………上………?」
カオス「上?」
上と言われて上を見上げても空には澄み渡る青空と光照らす太陽しか見えない。何か鳥形のモンスターでも飛んでいるのだろうか?しかし例のグラビティでこのウィンドブリズ山が無くなったとしてもここはカオスが放ち続けたアイスニードルとアイシクルのせいで今も超低気温な気候がそのまま続いている。そのせいで通常のモンスターはこの付近から去っていった。今この近辺に飛んでこれるとしたらダイン達バルツィエか………、
ヴェノムくらいしかいないと思うのだが………、
???「クォァァァァァァァァァァッ!!!!」
カオス・ダイン「!!?」
突然上空から甲高い鳥類の声が響き渡る。本当にモンスターが飛来してきたようだ。だがいかに鳥類で恒温動物なのだとしてもこの気温でここに来れる筈が………、
と常識を確認している間にそれはどんどん空気を切り裂きながら接近してくるのが分かる。その存在は太陽を背にしてこちらに向かってくる。完全にカオスとダインに直進してくるのが見えた。
カオス「!?
何だあれは……!?」
ダイン「鳥………?
………違う……、
四足歩行のモンスター………?」
太陽の光が邪魔をしてその姿を直視することは出来ないがシルエットから鳥のように翼を持つが鳥ではない何かがカオス達の元へと真っ直ぐに落ちてくる。
そしてそれは遂にカオス達のいる地上へと急降下して着地した。
その姿は正に鳥と獅子が合体したような姿だった。
???「コァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
カオス・ダイン「……!!!」
その巨大な姿からは想像できない程に超高音で鳴くモンスター。その喉の奥から発せられる音は黒板を爪で引っ掻くような不快音で間近で聞かされれば耳を塞がずにはいられない程に奇怪な声だった。
このモンスターは一体………?
ダイン「………」
ダインはすかさずウィングバッグから何かを取りだしそのモンスターに向ける。スペクタクルズであった。先ずは今飛来してきたモンスターの情報を調べるようだった。
ダイン「………グリフォン………。」
カオス「グリフォン………!?」
ダインがスペクタクルズで読み取った情報によるとこのモンスターはグリフォンというらしい。
………グリフォン、
その名前は一度アローネ達との話で聞いた名前だ。
確かグリフォンはカオス達が討伐しなければならないヴェノムの主のまだ未討伐だった個体の筈である。
それが何故この場に………?
グリフォン「クルルルルル……!!!」
カオス「………」
ダイン「何でグリフォンがここに来たのかは分からないけど……、
うちらを食べに来たってことに違いなさそう……。
だったら応戦するまで……!!」
グリフォンが威嚇をし、それに応えるようにダインが臨戦態勢に入る。一人と一匹は互いにやる気らしい。
だがカオスは倒すべき敵を前にして完全に体が固まってしまっていた。
このグリフォンはカオス達が倒さなければならない敵……。ここで逃げることは許されないしそれを許してくれる相手でもなさそうだ。
しかしここに来てまだカオスはトラウマを完全に克服出来てはいない。だというのにカオスはこの場ではこの敵を倒すのにカオスの魔術以外での殲滅が不可能だということを瞬時に理解してしまった。
ここで自分が魔術を使わなければならない………。
………けれど…………………。