テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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囚われた幻影

ウィンドブリズ跡地 ダインとの修練最終日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「……カオス………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリフォン「クォルルルルルァァァァァァッッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………カオスは今この場にいてこの場にはいない………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスの心は今………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの日のミストの現地へと誘われていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこには今もミストで生存している村人やあの事件で失われた村人達が大勢集まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それらの村人達はカオスをあの日のようにじっと責めるような視線でこちらを見詰める………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時のカオスはあの日の事件の姿へと戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無言でお互いが見つめ会う時が過ぎる。だがこの瞬間のこの時間がカオスにはまどろっこしかった。現実では今にもダインがグリフォンに捕らわれその体をグリフォンに無惨に引き裂かれようとしている。そんな時にこんな場所でコイツらと時間を無駄にしている場合ではない。

 

 

 カオスは焦る気持ちで口を開こうとして…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この疫病神がッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 村人達から先にそんなことを言われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前が私達を殺したんだ!!』『お前さえ殺生石の力を盗んでいなければ俺達は死なずに済んだ!!』『ヒューズ達を返して!!』『殺生石を元に戻せ!!』『サリーが死んだのはお前があの村にスライム達を連れてきたからだ!!』『うちのネスが死んだ責任をどうとるつもりなんだ!!』『お前なんかが生きているから!!』『お前が死ねばよかったんだ!!』『何か奇跡の子だ!!ただの死に損ないだっただけじゃないか!!』『消えろ!!汚ならしい騎士の家系めが!!』『お前なんか騎士じゃない!!騎士にすらなれない人殺しだ!!』『本当はお前があのスライム達を連れてきたんだろ!!』『こんな罪深い孫をもってアルバも可哀想だな!!』『本当は村の皆お前のことが大嫌いだったんだよ!!』『一人前に魔術も使えない!将来何の役に立つのかも分からないようなゴミ虫が当たり前にのうのうと生きてておかしいと思わないか?』『生きられた筈の人が死んで死ぬべきお前が生きてるのは理不尽だろう!』『お前が死んで死んでいった俺達を生き返らせるんだよ!!』『ほらどうした!早く死ね!!』………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 口々にカオスのことを罵倒してくる村人達。それらをまともに相手にするにはカオス一人では無理であった。罪の意識を自覚してしまった分彼等の言うことはカオスの心の急所に確実に傷を抉っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスが生物を前にして魔術を行使しようとする度に彼等はカオスの前に現れてはこうしてカオスの邪魔をしてくるのだ。カオスはずっとこれを聞き続け最後には魔術を使うことを諦めると彼等とこの空間は消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこの“弾劾世界”がカオスの現実と記憶の景色とを結び付けカオスは魔術を使うことが出来ないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし今はこんな空間に囚われている時ではない。今現実ではこれまでのように誰かが変わりに問題を解決してカオスが魔術を使わずに済むというような都合のいいことは起こらない。現実ではカオスのいる場にはダインとグリフォン以外の姿はない。

 

 

 

 

 

 

 ダインを救えるのは自分しかいないのだ。自分が魔術を使ってグリフォンをはね除けねばダインの命が………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは今まで一方的に責めたててくる村人達に対して初めて抵抗を試みた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「五月蝿いんだよ!!この糞共がっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは村人達に吼えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「いつもいつも俺が魔術を使う時にいきなり出てきて俺の意識を奪っていっていつも同じことばかり言いやがって!!こっちはもう飽き飽きしてるんだっつーの!!お前らの言い分は全部もう分かってるんだよ!!

 

 

 分かってるんだよ俺が最初から最後まで全部悪いってことは!!自分で分かってるんだ!!そんでもう俺が犯した罪はどうしようもないくらいに償いきれないってこともな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけどな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が後悔してるのはおじいちゃんを死なせてしまったことだけだ!!

 

 

 お前らが死んだことなんてこれっぽっちも反省なんかしていない!!お前らが死んでくれて寧ろ良かったとさえ思ってるんだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はお前らのことなんて始めから大ッ嫌いだったんだよ!!!分かったかゴラァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは記憶の幻影達に真っ向から喧嘩を吹っ掛ける。カオスが悔いているのは自分にとって大切な人を死なせてしまったことだけ。村の住人達に関しては義務的に助けようとしただけで心を痛めるようことなど無かった。故に今ここでこの者達に時間を割いている時ではない。一刻も早く現実に還りダインを救わなければ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カオス………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 村人達に文句を言い続けていたら自分の直ぐ後ろから声がかけられた。今この場では自分を村人達が取り囲み責めるような視線と罵倒に晒されている中、

 

 

 

 

 

 

 その声だけはカオスの耳によく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスはその声だけは無視できなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その声の主は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスが本当に死なせたくなかった相手、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスが唯一自責の念の苅られる相手、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルバ『カオス………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「おじ…………いちゃ………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこに立っていたのは紛れもなく自分の祖父アルバだった。

 

 

 アルバはじっとカオスの名前を呟きながらじっとカオスを見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その表情は生存していた時にすら見せることが無かったような悲しみに満ちた顔をしていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルバ『………………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………どうして何も言わないんだよおじいちゃん………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何か言いたいことがあって出てきたんだろ………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なのに何でそんな顔で俺を見つめるだけなんだよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おじいちゃんは…………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺をどうしたいんだ………?

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