テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオスの弾劾空間
カオス「魔神剣ッ!!」
カオスの魔神剣が地を走る。
それを、
アルバ『魔神剣ッ!!』
カオス「!」
同じく祖父の幻影が魔神剣を放ちカオスの魔神剣を相殺する。
アルバ『……何やってるんだよ?
お前のその魔神剣はどこでどうやって習得した?
距離があるうちに魔神剣で先制するのは基本だがそれが誰にでも通用すると思うな。
俺だってバルツィエなんだよ。こんくらいの魔神剣なら俺だって使える。お前の知るバルツィエの剣技は俺には効かねえぞ。』
カオス「クソッ!!」
流石に幻影と言ってもこの程度の技なら対処して見せるか。おじいちゃんの姿をしているだけのことはある。自分でもこの技でおじいちゃんが倒されるような姿は想像できない。
ここは本気でこの幻影に挑まなければ、
アルバ『飛葉翻歩か………。』
カオス「魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣魔神剣!!!!!!」
やはり俺にはこの高速で駆け回り相手の全方向から魔神剣で畳み掛ける戦法が性にあっている。この高速乱れ射ち魔神剣ならおじいちゃんだって………、
アルバ『フンッ!!』
カオス「!?うおっ!?」
おじいちゃんはセレンシーアインの闘技場でオサムロウが見せたような回転斬りで俺の放った魔神剣を華麗に返してみせた。
今の反撃は………全く同じだった………。
アルバ『俺に魔神剣は効かないってたった今教えたばかりだったが?
飛葉翻歩で翻弄してからの魔神剣なんざバルツィエなら誰だって思い付くような戦法だ。
お前とは長年培ってきた経歴の差があるんだよ。お前がこれまで倒してきたバルツィエの連中は俺だって全員倒したことがあるんだ。俺を他のバルツィエ達と一緒にするな。』
カオス「………」
アルバ『………この程度で怖じ気付いたか?
お前に力を付けさせたのはこの俺だ。
俺がお前に稽古を付けた。
だったら俺がお前以上の年月お前と同じ修行を繰り返してお前以上に強いってことは理解出来るよな?』
カオス「……確かにアンタは強いよ……。
俺が今まで戦ってきた人達の中でも一番手強い………。
話には聞いていたけどやっぱりおじいちゃんは最強だったって思える………。
………けどやっぱりアンタは本当のおじいちゃんじゃない。
おじいちゃんは確かに強かったんだろうけどアンタは俺が妄想で作り出したまやかしだ。
俺のイメージした像が強すぎるからアンタみたいなのを生み出した。
今の魔神剣の返しは俺の仲間の一人がやってみせた返し方と同じだった。
やっぱりアンタはただの幻影なんだな。」
アルバ『………へぇ……?
よくこの空間のことを理解しているじゃねぇか………。
俺はお前が俺に対して抱くイメージから作られた残像だ………。
お前が俺に敵わないと抱き続ける限り俺はこの空間ではどこまでも強くなる。
お前は想像の敵を越えることが出来るかな?』
カオス『自分の想像だったんなら自分でその想像を掻き消してしまえばいいだろう!!』
アルバ『………それが出来ないからお前は今でも俺の影に恐怖して勇気の一歩を踏み出すことが敵わずにいるんだろうがよ………、
そこまで言うんだったら本気で俺をぶちのめす覚悟でかかってこい!!』
カオス「せあ”あ”あ”あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁ!!!!」
アルバ『………そんな心構えで突っ込んできて大丈夫かよ………?
俺を倒すことが俺の目的じゃないだろうが………、
………本当に馬鹿な孫だよな………。』
カオス「ぐあぁっ!!」
アルバ『魔神剣!!剛・魔神剣!!瞬迅剣ッ!!閃空裂破!!秋沙雨!!真空裂斬!!砕破滅衝陣!!!!絶氷刃!!風雷神剣ッ!!海龍剣ッ!
殺撃舞荒剣ッ!!!!』
カオス「うあ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
………なんだよこの強さは………、
想像の中の相手とはいえ強すぎる………。
俺がおじいちゃんのことを昔から誰にも負けない無敵の騎士だと思ってたから敵わないのか………?
俺の中でおじいちゃんが最強だから………、
稽古を付けてもらい始めた頃のおじいちゃんと同じ動きだ………。
あの時もおじいちゃんにこうやって散々いたぶられて負けた………。
あの時のイメージが強すぎるからこの幻影もここまで強いのか………?
………て言うか俺が今まで見たことがないような技も使ってくる………。
想像上の敵だからって何でもありかよ………。
想像の幻影だから強くて当然だよな………。
このおじいちゃんは俺の今までの戦ってきた相手の技術と俺の中のおじいちゃんが全部合わさって出来た存在なんだ………。
この幻影は何でもありなんだ………。
まともにやりあえば太刀打ち出来ない………。
どうしたらこの幻影に………、
この幻影に勝つ方法………、
剣技じゃこの幻影には勝てない………、
だったら俺に残されているのは………、
それなら負けるビジョンが想像も付かないおじいちゃんを倒せるかもしれないけど………、
………だけど…………、
アルバ『使って見ろや、
それを。』
カオス「……!」
アルバ『俺に剣で敵わないってことはもう身に染みてんだろ………。
だったらお前が俺に勝つとしたら剣技じゃねぇよな。
お前に残されている他の手は、
何が残ってるんだ?』
………俺に残されているおじいちゃんを倒せる手段はたった一つしかない………。
それならいくら幻影が強くたってきっと倒せる………。
想像上の相手でもこれなら………、
カオス「………」
………これなら…………、
………この手を使うということはつまり………
俺はもう一度………、
おじいちゃんをこの手で消し飛ばしてしまうということになるんじゃないか………?
この目でもう一度………、
あの二度と思い出したくもないおじいちゃんが消える最後の瞬間を………、
この妙にリアルな空間で再現してしまうのか………?
俺がもう一度おじいちゃんを殺して………、
『この人殺しめ!!』
カオス「!?」
『お前なんかにその殺生石の力を使うことが許されると思っているのか!!』『その力はお前の物じゃない俺達ミストの住人の物だ!!』『その力は人殺しの道具じゃないんだぞ!!』『そうだそうだ!!その力は村を守るためにあるんだ!!』『お前の所有していい力なんかじゃない!!』『これ以上罪を重ねるな!!』
それまで静観していた村人達がここに来てヤジを飛ばしてくる。大事な決闘中だと言うのにそんな雑音を聞かされてはこの幻影との戦いに集中出来ない。
しかしそんな雑音を止めるすべなど持ち合わせてはいない。目の前の幻影は隙を見せれば直ぐにでも斬りかかってくるだろう。これでは剣も魔術も封じられたも同然だ。
………カオスはただ黙って立ち尽くすしか出来なくなってしまった………。