テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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振り払う過去

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………俺はずっと自分のことしか見ていなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分が犯してしまった罪と向き合おう向き合おうと考えるばかりで仲間達の厚意なんて気にしちゃいなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………俺はどうしようもない臆病者だ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 他人に責められることは当たり前に受け止められるのにそれで失望されて去っていかれることが何よりも怖い………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分で他人との距離を置きたいのか置きたくないのかそんな自己矛盾で頭の中がいっぱいだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この人は俺のことをどう見てくれるか、どう扱ってくれるか………そんなことばかり考えてよくしてくれる人達のことなんか全く信用しないで一方的な俺の印象だけで関わってきた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仲間のことなんて信頼なんてしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………その結果が………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十年の遅刻か………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我ながらなんて酷い失態だったことか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はいつまでもいつまでもあの二人を待たせ続けてたんだな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それを見兼ねておじいちゃんも………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな所で何を油売ってる暇があるんだ俺は………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう四十日だとか十年だとかの遅刻を嘆く暇すら惜しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が大事に思っていた人達は三人共こんな俺ですらまだ待っていてくれたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は三人を大事に思ってはいたけど彼等からの気持ちについては今まで考えたことすらなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は俺が三人を大事に思っているだけ………それだけでいいと思っていたから………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼等を“人”として認識していなかったかのかもしれない………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼等は俺が反省している姿勢を見せれば俺のことを信じてくれる。そう思っていたからこそ俺はその厚意に甘えてこんなにも長い時間待たせてしまったんだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………もう俺は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰も待たせてはいけないんだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう俺は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前を見て歩いていかないと………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィンドブリズ山跡地 ダインとの修練最終日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「……モード・インフェ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識が現実へと帰還を果たす。そして目にした光景は意識を失う前と同じ光景。ダインがグリフォンに組伏せられ次の瞬間にはその爪で引き裂かれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうなる前に俺は意識を集中させマナを溜めて即座に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリフォンに魔技を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「ウインドランス!!」

 

 

 

 

 

ダイン「!」

 

 

グリフォン「クケッ………!?」

 

 

 グリフォンは俺が放った風の魔技ウインドランスで上空へと吹き飛ばされる。風の魔技を選んだのは万が一ダインに魔技が当たりでもした時に怪我を負わせないことと速効性のある技を選ぼうとしたら咄嗟にウインドランスがよかったと思ったからだ。風を得意系統とするグリフォンに風の技は効き目が薄く風を斬ることに特化したその体には大した効果は見られなかった。

 

 

 それでもダインから引き剥がすことには成功した。後は………、

 

 

ダイン「カオス……?

 今魔技を………。」

 

 

カオス「あぁ、

 もう心配はいらないよ……。

 もう………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 乗り越えたから。

 ここからはこのグリフォンは俺が“魔術”でケリをつける。」

 

 

 もう迷いは断ち切った。もう俺が魔術を生物に撃つことを躊躇うことはない。なにせ俺は今日までで十年も俺のことを健気に待ち続けた人達がいるんだ。そして彼等は今でも俺のことを信じて待ち続けてくれている。普通だったらそんなに待たせてたりしたら呆れられて縁を切られてもおかしくはない。

 

 

 けどあの二人ならそんなことにはならないって知っている。十年も俺のことを待ち続けた二人だ。あの二人はつい最近仲間になった仲じゃない。十年も前から俺の仲間だったのだ。そのことに今更ながら気付くとは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はずっと現実から目を反らし続けていたんだな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でももう現実逃避は終わりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう過去は振り返らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今ある現実だけに目を向けて戦う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それがあの二人へのせめてもの、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今を一緒に生きている二人への罪滅ぼしだから………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリフォン「グォォァァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「カオス……!

 グリフォンが……!」

 

 

カオス「大丈夫……、

 俺に任せて………。

 俺が………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一撃で終わらせるから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリフォンが突貫してくる。先程のウインドランスで体が多少は負傷しているもののやはりヴェノムだ。狙った獲物はどこまでもそのスピードで追い付く限り逃さない。このグリフォンに狙われたら最後、グリフォンを倒さない限りこの逃亡が終わることはない。ダインにはこいつを倒す術はなかった。ならば俺が殺るしかないだろう。こいつは俺に狙いを定めているのだから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリフォン「クォオアアァァッッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「カオス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリフォンが間近に迫る。それでも動こうとしない俺にダインが声をかけるが俺は動くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はあえてグリフォンが俺を捕らえるように仕向けたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はグリフォンに捕らえられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「カオス……!?

 何して「『岩石よ!』」!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「『我が手となりて敵を押し潰せ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストーンブラストッ!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリフォン「グォッ………!!!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の放つストーンブラストが組伏せられた俺の背中からグリフォンを貫いていく。ギガントモンスターでその巨大な体を持つグリフォンにはこの攻撃は絶対に避けられない。一度空へ逃げた高速の鳥を捕らえるには一度地上へと降りてきて貰わなければならなかった。だからあえて無防備にグリフォンが襲ってくるまで何もしなかった。俺のストーンブラストは俺のマナを込めて発動させた謂わば一心同体の力だ。俺には共鳴の時のように当たることはなくすり抜けていく。

 

 

 しかし俺を捕らえるために急速で迫り俺をがっしりと捕らえたグリフォンにはく地上から次々と伸びる岩石達は面白いようにカウンターのごとくグリフォンの体に風穴を空けていく。その勢いはグリフォンどころかその先の天を突き刺そうとする程のものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やがて後に残ったのは俺が放ったストーンブラストの影響で一度グラビティで消したウィンドブリズの山がまた出現したかのように大きな岩の山がそこにできた。グリフォンは言うまでもなくこのストーンブラストで倒せただろう。今度からはこの新しく出来た山がそのままウィンドブリズ山ということになるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「カオス……。

 どうして………?」

 

 

カオス「………」

 

 

ダイン「……どうやって魔術を克服したの………?

 カオスはずっと魔術を生物に当てることが出来なかったのに………。」

 

 

カオス「……叱られて来たんだよ………。」

 

 

ダイン「叱られて来た………?

 誰に………?」

 

 

カオス「……いつまでも下を向き続けて前を見ようとしない俺を天国から舞い戻ってきて激励してくる………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………そんな世話焼きで親切な俺の“大切だった人”にさ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイン「………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はもう過去を振り替えることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が向かなくちゃいけないのは前だから………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 忘れた訳じゃない………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 忘れちゃいけない………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 けど俺は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう後ろのアンタを追うことはしないよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おじいちゃん………。

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