テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
新ウィンドブリズ山
ダイン「おいっしょっと……。」
カオス「レアバードは大丈夫?
ちゃんと動くかな?
ダインとグリフォンのことだけ考えてたらレアバードのこと忘れてストーンブラスト撃っちゃったから被弾してないといいんだけど……。」
先程俺はグリフォンを魔術ストーンブラストを放ち倒した。俺の魔術は普通の者が放つそれよりも何百倍も威力と及ぶ範囲が広いためレアバードも俺の魔術の効果範囲内にあり俺の魔術で被災してなければいいのだが……。
ダイン「……大丈夫みたい……。」
カオス「そうか………よかった………。」
一先ずはこれでダインの移動手段は確保出来たようだ。ダインとは今日でお別れするためお別れの日にレアバードが壊れるようなことにでもなればダインを他の先見隊達のところへと帰すことが出来なくなる。三日間修行をつけてもらった相手にそんな恩を仇で返すようなことはしたくなかった。だからレアバードを捜索して今掘り出したところだ。
ダイン「この子は普段からうちがマナを込めて飛ばしてるからそのおかげでカオスが共鳴でうちに魔術を透過させたようにこの子も魔術を透過出来たんだと思う……。」
カオス「ハハッ…共鳴様々だな………。」
ダイン「うぅん……、
これはカオスがうちを守ろうとしてくれたおかげだよ……。
あの場面でうちを捕まえていたグリフォンを吹き飛ばすだけじゃなくそのままグリフォンまで倒しちゃうなんて……。」
カオス「いやぁ……、
それほど大したことはしてないよ。」
ダイン「そんなことないよ……。
カオスは自分で自分の壁を乗り越えた……。
カオスは一人でグリフォンを倒した……。
ギガントモンスターでそれも不死身のグリフォンなんて早々出来ることじゃないと思う……。
誇っていいと思うよ……。
カオスはそれだけのことをやってのけたんだから……。
ありがとう………。」
正面からそんなに誉めちぎられると流石に照れる。いつもだったら俺の力は殺生石ありきの力だと否定するところなのだが俺はもうそんなことは言わない。そんな後ろ向きに捉えることはなかったんだな。
………と言うか魔術を使って生物を殺して“初めて感謝された”………。
何だか不思議な気分だ………。
俺が魔術を使ってもいいんだって思えてくる………。
今までこの力で何かを倒して誉められたことなんて一度も………、
ダイン「……よかった………。
うちといる間にカオスが無事卒業出来て………。」
カオス「!」
卒業………、
ということはダインとはもうこれから………。
ダイン「予定が狂っちゃったけど今日にはランドールがこっちに戻ってくる……。
うちはもう戻らなくちゃいけない……。」
カオス「………」
ダイン「……カオスとは結局友達になることは出来なかったけど……、
うちはカオスと一緒にいれて楽し「なぁダイン……」」
カオス「……もしダインがよければ………、
俺と友達になって「カオス!!」…!」
アローネ「カオス!!
こんなところにいたのですね!
捜しましたよ!」
カオス「………アローネ?」
ダイン「アローネ=リム………クラウディア………?
……なんか手配書と違うような………?」
アローネ「!?
貴女は………!?
………、
………これは一体どういう状況なのですか………?」
カオス「………それはこっちのセリフだよ………。
何でアローネがここに………?
って言うかここってかなり寒くなってると思うけどアローネはここにいて大丈夫なの………?」
この辺り一帯の気温はカオスとダインの修行で山のモンスターですら逃げ出す程の低温だ。カオスは精霊の加護を受けているのか温度による弊害はない。ダインは何かしらの力を使っているのだろう。しかしアローネは………、
アローネ「私は義兄のローブがあるので大丈夫です。」
カオス「そのローブって本当に凄いな………。」
水気があれば即凍り付くこの環境下で完全に防寒能力を発揮するローブを作れるとは……。
何度聞いてもアローネの義兄の話には感服する。
アローネ「そんなことよりもカオス!
大変なんです!
カオスがこの山で修行している内にこの山の方へとヴェノムの主らしきグリフォンが飛翔しているのが見えて……!
狙いは恐らくカオスです!
カオスの膨大なマナに引き寄せられてグリフォンがこの山のどこかでカオスのことを嗅ぎ付けて襲ってくるでしょう!
カオスは剣を置いて修行に行かれたのでこうして剣を皆でお持ちしました!」
カオス「皆で……?
皆もこの山に来てるの?」
アローネ「えぇ……。
ですが山に近付くにつれてとてつもない寒気で他の皆はこの山に近寄ることが出来ずこうして私だけがここへとカオスの剣を持ってくることが出来ました……。
……どうやら間に合ったようですね……!
グリフォンに見つかる前にカオスにこの剣を「グリフォンなら倒したよ?」………、
はい?」
カオス「グリフォンならもう俺が魔術で倒したから安心だよ。
ここにいるダインに修行をつけてもらってどうにか魔術を生物に当てられるようになったから。」
ダイン「うん……、
カオスが貴女が来る前にグリフォンを倒しちゃったからもう剣は必要ない……。」
アローネ「………何故御一人で修行しに行っていた筈がバルツィエの師事を仰ぐことになったのでしょうか……?
………それよりもグリフォンを倒してしまわれたのですか!!?」
グリフォンを倒したと聞いて驚くアローネ。約一か月と十日振りに会ったがなんとかいい報せをすることが出来た。それに魔術もモンスターにも当てられるようになった。これでもう心残りはなく……?、
アローネ「……出来れば事の経緯をお聴きしたいところですがそうも言ってはいられません。
カオス!
直ぐに私と共に来てください!!」
カオス「そんなに慌ててどうしたの?」
何やらアローネは急ぎの用があるようだが………。
そういえばカイメラの方はどうなっているんだ?俺が修行中はカイメラがどこかに行ってしまわないよう注意を引き付けてくれている手筈だったと思うが先程の話では全員こちらに向かってきているみたいだが。
しかしアローネは次の瞬間とんでもないことを口にした。
アローネ「今カイメラが直ぐ山の麓まで来ているのです!
カオスに剣を届けようと皆でこちらまで足を運んだのですがどうやらそれを追って来ていたらしくこちらの方にまで連れてきてしまいました!
今はウインドラ達が麓でカイメラを足留めしていますがそれも時期に止めきれなくなるでしょう…!
私達はこの一ヶ月と少しの間に何度もカイメラに挑みましたがあの変身再生に敗れてきました………。
お願いしますカオス!
カイメラ討伐にはやはり貴方の力が必要なのです!
私達と共にあのカイメラと戦ってください!!」
………やれやれ………、
たった今グリフォンを倒したばかりだというのに今度はカイメラの相手をしなくちゃならないのか………。
一日の内に二体もヴェノムの主と戦わなければいけないなんて………。
ヴェノムの主達は俺を休ませてくれる気はないようだな………。
………それでも行くしかないか!
四十日も仕事を遅らせていたんだ!
丁度グリフォンで肩慣らしは済んだところだしこの流れに乗ってカイメラも倒してやる!
俺は………!
もう振り向かずに前に進み続けると決めたんだから!!