テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
新ウィンドブリズ山 麓
カオス「………」
どうすればいいんだ………。実質こいつを相手にするのに攻撃の手段全てが封じられているようなものだぞ?使えるのはカイメラに効かない攻撃、使えないのがカイメラに効く攻撃………。こんなもの手詰まりにも程が………、
カイメラレッドドラゴン「ホォォォ………!!!!」
カオス・タレス・ミシガン・ウインドラ「……!?」
攻撃の手に悩んでいるとレッドドラゴンが大きく息を吸い込む動作をする。これはもしや………、
オサムロウ「ドラゴンブレスだ!!」
カイメラレッドドラゴン「ブォアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!」
カイメラが広範囲に超高温の火炎を吐き出す。その一息はウインドラ達が先程放った新術にも匹敵するほどの威力があった。マナも無しにただのブレスでここまで………。
ミシガン「スプレッド!!」
シュワァァァァァァァァァァァァァァァァァ………!!!
火が皆に届く寸前でミシガンがレッドドラゴンの火炎放射に対して水でそれを打ち消そうとする。レッドドラゴンの炎とミシガンの水が衝突し辺り一面に真っ白な蒸気が立ち上がり一時的に全員の視界が塞がれる。
ウインドラ「……蒸気が上がっている間に奴をどうするか考える………、
ぞォッ「バンッ!!」……!!?」
ウインドラが作戦を立てようと皆に何かいいかけようとした瞬間に視界が悪く何をされたのか分からなかったがレッドドラゴンから攻撃を受けたのは理解できた。
ミシガン「ウインドラ……!?
「バンッ!!」キャッ…!?」
続いてミシガンもウインドラに何かが起こったのか確認しようと声を上げた瞬間にウインドラ同様カイメラから攻撃を受けたようだ。
これは………!?
アローネ「視界が利かなくなったこの状況……!!
カイメラは皆の“声”を便りに攻撃を仕掛けてきます!!
ここは一旦蒸気から離れてください!!
音を発っさなければ敵も蒸気の中で的確に狙ってくることはありません!!」
上空にいて蒸気から逃れられたアローネが地上の様子を伝えてくる。カイメラはウインドラとミシガンが声を出したタイミングで攻撃をしたみたいだ。蒸気で何も見えないというのに何故攻撃を当ててきたのかと思えばそんな方法で………。それなら音を立てずに離れるのは得策だがこれではカイメラの攻撃に対処出来るが攻撃の手段が無いままではカイメラを倒すことが出来ない。
火属性の形態をとるカイメラにとってこの環境は厳しいというのに逆にその環境が俺の氷の魔術という手段を奪っている………。
せめて仲間達がこの場から俺の魔術の影響が届かないところまで退避させることが出来れば……、
とりあえずは蒸気の中から出ないと………!
カオス「……!
ウインドラ!ミシガン!!」
蒸気の外ではウインドラとミシガンが倒れていた。視界が見えない中であのカイメラの攻撃をまともに食らえばこうなるのも分かる。
俺は直ぐに二人を回復することにした。
カオス「バニッシュボルト!スプラッシュ!」
ウインドラ「……!
カオスか……!
すまん!
手間をかけさせた!」
ミシガン「有り難うカオス。」
雷と水を与えれば二人は即復活した。これでまた戦うことは出来るが………、
タレス「蒸気が発生している間はあのカイメラに狙われることはないですけどこれでは時間が過ぎていくだけですね………。」
ミシガン「どうやってあんなの倒したらいいの………?」
ウインドラ「……この地では俺達の方がカオスの足手まといになっている………。
カオス一人でなら奴と互角以上に渡り合えるというのに………。」
カオス「………」
ここは一度カイメラを引き連れてトロークンの方辺りまで戻るべきか。それか俺だけ残ってカイメラを引き付け皆にトロークンまで下がってもらうか………。時間はかかるがそれならカイメラを倒せ………、
カイメラレッドドラゴン「ホォォォォォォォッッ………!!!!」
カオス・タレス・ミシガン・ウインドラ「!!」
後ろを振り返ると先程までの蒸気が晴れカイメラがこちらの方に向けてブレスを放つのが見えた。今ブレスを放たれたら俺は無事でもウインドラ達が危ない………!
ダイン「スプラッシュ!!」
カイメラレッドドラゴン「ボハァッ………!!?」
カオス「…!
ダイン……!」
次の瞬間には火炎放射を食らわされるというところで上空のダインがカイメラにスプラッシュを浴びせる。それを受けてカイメラのブレスが逸れて俺達は助かった。
だが………、
カイメラレッドドラゴン「ブォアァァァァァァァァァ!!!!」
ブレスを吐く瞬間を邪魔されて今度はカイメラはレアバードに乗るダインとアローネを狙いだした。ダインのスプラッシュを受けてもダメージを負った様子はない。ダイン達はブレスをギリギリかわすがあのまま狙われ続けてたらいつかは炎で焼き付くされる。早く何か手をうたないとアローネ達が殺られてしまう………。
何か手はないのか………。あの火竜に一発食らわすことが出来る攻撃方法は………。
オサムロウ「………、
………!
その手があったか……!!」
突然オサムロウが何かを閃いたかのように頷きだす。何か対策を思い付いたのか?
オサムロウ「カオス!ミシガン!
我と共にあのカイメラへと“水”を浴びせかけるのだ!!」
タレス「水………!?」
ウインドラ「氷ではなく水を………!?
何をすると言うんだ!?」
氷以外の属性に耐性を持つカイメラに何故水なのか疑問に思う。水は質的には氷に近いがドラゴンに対して水が効き目があるとは思えないが………、
しかし、
オサムロウ「水を浴びせかけてカイメラの体温を下げるのだ!!
そうしていけば奴の体はこの気温で冷やされ濡れた体が凍りついていく!!
この寒さを利用するのだ!!
それによって水は自然と氷へと変化する!!
そうなってしまえば後は火以外の攻撃は全てが氷の付与がつく!!
この形態のカイメラは皆で討伐も可能となる!!」
………なるほど………、
理屈の上ではそれでカイメラに氷の魔術を使わずにダメージを与えることが出来そうだ。火属性のモンスターでもその体は大きな蜥蜴そのものだ。他のモンスターに比べて体温は高そうだがそれでも生物の形をしている限りその肉体を凍らせることも出来そうだ。
それなら!!
カオス・ミシガン「『蒼溟たる波涛よ、旋渦となりて、厄を飲み込め!
タイダルウェイブ!!』」
俺とミシガンで水の魔術タイダルウェイブをカイメラへと発動させて大量の水を浴びせる。
ミシガンが使ったタイダルウェイブは俺でも問題なく発動できた。呪文さえ分かれば俺はどんな術でも使えそうだ。だったら俺はこれからどんどん前に出られる。前に出て他の仲間達の援護も出来る。
ウインドラ「うっうぉぉぉっ!!?」
出現した水にウインドラが勢いよく飛び退く。急に洪水が足元で巻き起こり驚くのも無理はないがミシガンはポイントをカイメラに定めていたためミシガンのタイダルウェイブはウインドラには届かなかった。逆に俺の魔術はミシガンのそれよりも広い範囲………そう、山全体に広がるほどのスケールで発動したためウインドラは自分に覆い被さってくる程の水に恐怖したのだろう。きちんとウインドラから共鳴で焦点をずらしていたのだがウインドラには怖い思いをさせてしまったようだ。
カイメラレッドドラゴン「ゴボッ……!!?グボッ……!!!
ジュゥゥゥ………!!」
俺とミシガンで発動させたタイダルウェイブは巨体へと変化を遂げたカイメラでさえもその全身を水の中へと押し込んだ。一見水の中で溺れているように見えるがカイメラの耐性力とヴェノムによるゾンビ化で溺れるということはないだろう。
後はこの水でカイメラの濡れた体をウィンドブリズ山の超低気温が冷やしてくれるのを待つほかない。変身能力があるせいで雪山にいた雪のモンスターが凍り付く水で倒されることになるなどどんな皮肉だろう………。
カオス「………」
………本当にこの戦法でカイメラのレッドドラゴン形を倒しきることが出来るのだろうか………。