テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
砕かれた山地
カオス「………」
オサムロウ「………何か言いたげな様子だがそれは後で聞くとしよう。
今はこの場を離れることが先決だ。
ソナタは左腕を失っているしタレスとウインドラは我が持とう。」
カオス「……はい。」
カオスは渋々。
タレス達を助けるのに渋っているのでない。勝敗の見えた戦いに挑み続けようとしていることに無意味さを感じてしまったのだ。
この流れでカイメラから上手く離れられたとして倒れた五人を回復させまた挑む。そして敗北を重ねる。その繰り返しで一体この圧倒的なまでのカイメラとの戦闘能力の差をどう埋めるというのだ。こんなことを繰り返していてはいつか必ず誰かの命が犠牲に………、
ダイン「じゃあアローネ=リムと………お姉さん?はうちが……。」
そう言ってダインがレアバードに二人を乗せて飛行した。
オサムロウ「ダイン=セゼア!!
今は北だ!!
北の方に向かってくれ!!
あのカイメラの砲撃がどこまで届くか分からぬ!!
なるべく他の部族の地に泥が飛ばぬよう北上しよう!!」
ダイン「了解……。」
ダインはオサムロウの指示に従い北へとレアバードを飛ばす。
オサムロウ「……では我等も」「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!」「ブルルルルルアアアアアアアアアアアアア!!!!」「グゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」「ゲルルルルルルルルルルル!!!!」「コオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!」「オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォッッッッ!!!!」
カオス達が全員戦線離脱しようと察してシックスヘッドカイメラが怒りの咆哮を上げる。どうやらカオス達が逃げ出すのに不服そうだ。しかしその図体でどうやって追い掛けて………、
………!
シックスヘッドカイメラ「「「「「「ググ………」」」」」」
シックスヘッドカイメラは伸ばした首を蜘蛛の脚のように地面に着け………、
勢いよくジャンプした。
ズズウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッッ!!!!
着地点は丁度ダインが二人を乗せて飛んでいった方向でカオスとオサムロウを通せんぼするように立ち塞がる。
以外に身軽な動きをするシックスヘッドカイメラ。その長い首にはそんな使い方があるのか………。バタフライに戻って飛んだ方が楽そうな気がするがもうこれ以上変身は出来ずこのシックスヘッドカイメラで完成形ということなのだろうか?
オサムロウ「行く手を阻まれたか………。
致し方ない。
我が注意を引き付けておくからウインドラとタレスを少し離れたところに置いてこい。」
オサムロウはカオスに指示を出し刀を抜いてカイメラの周囲をグルグル回りだした。カイメラの六つの首はそれを追い掛けて地面に首を突き刺していく。
………何でそこまでして戦えるんだ………。
俺はもう………、
戦う気力さえ湧いてこな………、
オサムロウ「カオス!!
ソナタはこの四十日で………!!
随分と脆くそして弱くなったものだな!!!」
…………何だと………?
………今、
何か聞き間違いか………?
おかしな発言が聞こえた気がしたんだが………。
俺が弱くなった…………だって………?
オサムロウ「何度でも言うぞ!!
ソナタはこの四十日の修行を経て魔術を使いこなすことは出来るようになった!!
だがその半面自らの限界を測るようになりその限界を越えるような敵には畏縮し恐怖する!!
これを弱くなったと言わずして何という!!」
カオス「………知ったようなことを……!!」
オサムロウ「違うと申すか!!
だがこの四十日の間にウインドラ達から聞いたソナタの幼少の話を聞く限りではソナタはまだ魔術を使うことが出来なかった時代の方が強かったように思えるぞ!!」
オサムロウがカオスを挑発する。よくもまぁカイメラの攻撃をかわしながらそんなことが言えるものだとオサムロウを観察し続けていたが、
オサムロウ「ソナタが持つ力は殺生石の精霊の力だと言ったな!!
それはソナタの力ではないからソナタはその力を信じきることが出来ないと、そう思っているのか!!
ソナタは………、
他者に対して真に心を開かぬからこそ他者の力で駄目だと踏めばその通りに思い込んでしまう………!
それはある種正解である種では不正解だ!!
他人を当てにしすぎて払われた足元の話は誰もが体験することだ!!
しかしソナタのそれはまるで自分が全てだという傲りから来るものだ!!
我々を舐めるなよカオス!!
たった一度劣勢に陥った程度で何を終わった気でおるのだ!!
我等はソナタが修行している間にこの化け物に何度も敗北を味わわせ続けられたのだ!!
今更戦闘不能の重傷を負わされたからといって立ち上がる足を失うほど我等の足は脆弱ではない!!」
カオス「………だから何だって言うんですか……?
アンタ達じゃこのカイメラには全然刃が立たない状況に代わりはないじゃないですか………。」
オサムロウはカオスを挑発しカイメラと戦わせようとしておるのがまるわかりだ。それを察してしまえばオサムロウの口にする挑発はなんてことはない戯れ言だと聞き流せる。
筈だったのだが………、
オサムロウ「………本当に腑抜けになったものだな………。
昔のソナタは
意義を申し立てるような少年だったと窺っていたが………、
それもこの十年で悪い方向へと成長してしまったせいなのであろうな………。
………それでもソナタは我が課した課題を通ったのは事実か………。
………いいだろう!!!」
カオス「………?」
オサムロウが一人で納得したような素振りをする。何か挑発する言葉を思い付かなくなって諦めたか?
オサムロウ「ソナタが乗り越えた課題はソナタにとってそれはそれは越えることの難しい試練だったことは認めよう!!
普通のエルフであったら考えられんような試練になるかさえ分からぬものだったがな!!
ソナタにとってはそれはとても高く険しい壁であっただろうに!!」
………分かってんじゃねえか………何が言いたいんだこのおっさんは………。
バキンッ!!
カオス「!!
刀が……!?」
オサムロウがカイメラを翻弄している最中運悪くカイメラの首の突撃にあいオサムロウの刀が砕かれてしまう。
だというのにオサムロウはどこか想定していた様子だ。
オサムロウ「………いい頃合いだな………。
今まで御苦労だった………。
ソナタにはいつも助けられてばかりだったな………。
もう安め………。
我はもう………、
ソナタの力を借りずともよくなった………。」