テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ハンターとステファニーの住む洞穴
タレス「………それでカイメラを倒したので貴方達はどうしますか?」
ハンター「…どうするってのは?」
ウインドラ「俺達は一人でも多くの手が必要なんだ。
この地方とカルト族の地方のヴェノムの主による危機は排除した。
お前達には出来れば他のスラートやミーア、クリティア達と合流してマテオとの大戦に備えてほしいのだが………。」
ミシガン「ハンターさんにはまだ抗体を作る術はかけてないからヴェノムが心配なら先に今ここでかけてあげるけど………。」
たった二人とはいえバルツィエとの戦争には多くの犠牲を払うことになるだろう。今でさえマテオとダレイオスの戦力差には絶対的な差が生じている。ここで二人を味方に付けておきたいところだが、
ハンター「………悪いがやっぱりお前達には協力出来ない………。」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「………」
カイメラを倒す前から予想はしていたがやはりハンターは断固としてマテオと戦うのを拒否する。想定していたこととはいえこうもハンターの決意が固いとは………。
ハンター「俺とステフはブロウン族とカルト族の最期の生き残りだ。
二つの部族はもう既に滅んだことにしてくれないか?」
タレス「それは出来ますけど………この先どうするんですか?
ここで戦わないと言うのであるなら新生ダレイオスでは貴方達の居場所はどこにも………。」
ハンター「どうせここでマテオに立ち向かったところで一人ずつしかいない俺達は戦場の矢面に立たされるだけだ。
それでブロウンとカルトは完全に絶滅の一途を辿る。
………別に部族が滅びるとか存続させるだとかそんなことはどうでもいいが俺達は俺達のことだけをこれからは考えて生きていきたい。
もう俺とステフはこの世界で生きていけさえすればそれでいいんだ………。
ワザワザ死ぬ可能性の高い道になんか歩いて行ったりしねぇよ。」
ウインドラ「………そうか………。
そこまで言うなら無理強いは出来ないな………。」
ハンター「すまねぇな………。
カイメラを倒してくれたのには感謝するがもう俺達は心が折れちまった敗者だ。
敗者は敗者らしく勝者が作る世界の片隅でひっそりと生きていける場所を探してみるさ。」
ミシガン「ここから離れるの?」
ハンター「この先お前達とマテオが戦争を開始するんだろ?
そんでその戦争の勝者がこの世界を切り分ける………。
この土地もお前達かマテオのバルツィエのどちらかが勝って占有地となるんだ。
そんなところにいつまでも屯っていたら危ない目に会うかも知れねぇだろ?」
ステファニー「貴方達がカイメラとずっと戦っていたのは見ていたの………。
それで多分カイメラが貴方達に倒されることはなんとなく予想できた。
この決断は私とハンターでよく話し合って決めたことだから………。
ごめんなさい………力になれなくて………。」
そう言って頭を下げるステファニー。ハンターもステファニーと共に頭を下げている。
アローネ「これからどちらに向かわれるのですか?」
ハンター「そうだな………。
行く当ては特に決めてないが………とりあえず北西に向かってみるぜ。
南に行けばフリンク族の土地とアインワルド族の住む大森林があるし西に突き進めば治安の悪いブルカーン族の火山地帯に入っちまう。
だから部族間の境界線が引かれているギリギリのライン辺りでゆっくりと住めそうな場所を探してみるさ。」
ステファニー「色々と有り難う………。
私のウイルスもなんとかしてもらえて………。
これからは二人でどうにか生きていきます………。」
そう言って去ろうとする二人。どうやらカイメラの危険が去るのと同時にここを発つつもりでいたようだ。
タレス「…もう出発するんですね………。」
ハンター「動くなら早いにこしたことはないからな。
いつまでもここに留まってても新天地は向こうからやってこねぇ。
俺達はもうここを出るよ。」
カオス「『レイズデッド』」
ハンター「………」
不意にカオスがハンターに向けてレイズデッドをかけた。いきなりのことだったので全員反応が遅れるがやがて、
ステファニー「……今の術は………私にかけてくれた術………。」
ハンター「どういうつもりだ?
俺はお前達の計画に荷担しないって言っただろ………。
それなのに何で俺にその術を………。」
カオス「………今のは別に気にしなくていいですよ。
俺が勝手にやったことですから。」
ハンター「けどよ………。」
カオス「………俺は誰かが死ぬのは嫌なんですよ………。
俺と少しでも関わった人は特に………。
ハンターさんともこの場所で知り合って少ししか顔を合わせてはいないですけど………、
………貴方は最初俺達をあのカイメラから助けようとしてくれた。
貴方はいい人です。
貴方のような人は出来れば死んでほしくない……。
せっかくカイメラがいなくなったのにその他のヴェノムやヴェノムの主に貴方が殺されるようなことはあってほしくないから………。
今俺が術をかけたのはそのお礼です。」
ハンター「……あれだけのことで俺に借りを作ったとか思ってたのか………。
随分と簡単に他人に情が湧く奴だな………。」
カオス「…情が湧いたっていいじゃないですか………。
この人が死にやすい世界ではなるべく人助けはしておいた方がいいんでしょ?」
ハンター「………覚えてやがったのか………。
あんな皮肉を………。
恩に着るぜ、カオス。
またどこかで会った時はお前達に何か協力出来るようなことがあれば俺達に出来る限りのことはさせてもらうぜ。
………じゃあな。
お前達の計画が無事成就することを遠くから願ってるぜ。」
シュバルツ石砕道
ステファニー「………いい人達だったね………。」
ハンター「…あぁ………。」
ステファニー「…あの人達が戦争に勝てたらいいね………。」
ハンター「………勝つさ、あいつらなら………。」
ステファニー「…そうだよね………。」
ハンター「………戦争が始まったらあいつらは勝つ………あのカイメラにすら勝つんならあいつらに敵う奴なんていやしないさ………。
………だが戦争の前にあいつらはこれからフリンクとアインワルドと………………
ステファニー「ブルカーン………。」
ハンター「………正直ブルカーンの奴等をあいつらだけで上手く言いくるめられるか心配だな………。
ブルカーンの奴等は全部族の中でも土地的に遠いせいかバルツィエの被害が少なく怖いもの知らずでバルツィエを抜いたら二番目に凶刃的な奴等だ。」
ステファニー「“
ハンター「あいつらが最後に会いに行くのはブルカーンって話を聞いたんだが………あのブルカーンの連中があいつらの話を聞くかどうか………。
………最悪ブルカーンの奴等があのカオスの力を知ったらブルカーンの連中はカオスの力を独占しようとする気がする………。」
ステファニー「あの人達がブルカーンなんかに捕まるとは思えないけど………。」
ハンター「もしもの話さ………。
もしブルカーンに野心が灯るようなことになれば………、
あのカオス達とブルカーンは決裂してヴェノムの主どころの話じゃなくなるかも知れねぇなぁ………。
精々あの優しさに漬け込まれるようなことがなければいいが………。」