テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブロウン族の集落トロークン
ミシガン「………残念だったね………あの二人のこと………。」
ウインドラ「…そぅ、だな………。」
カオス・アローネ「………」
現在カオス達はハンターとステファニーと別れてから休息をとるため一度ブロウン族の住んでいた集落トロークンまで戻っていた。
タレス「………始めの雰囲気から分かっていたことですよ………。
あの二人が戦争には加入しないことは分かりきっていたことです。
……断られなかったとしてもたった二人しかいないんですよ?
それだったらあの二人の選択はあれで正しかったんですよ。」
アローネ「………何も直接戦うだけが戦争ではないですけどね。
後方支援という仕事は戦争すると必ず必要になりますから………。」
タレス「それをしようとしても二人だけでは部族の会議の場でまともな発言が出来るでしょうか?
あの二人はカルトとブロウンの生き残りと言っても特に族長職に近い仕事の経験は無さそうでした。
話し合いの場であの二人がいたとしても他の部族の決定に黙って従わされる未来しか見えませんよ。
そうなれば例えブロウンとカルトが一人ずつしかいないとしても他の部族達が自分達は戦場に兵を送り出すのにブロウンとカルトだけ安置で寛いでいるのは納得出来ないと二人を強制的に戦列に加えようとするでしょう。
それに反対することは彼等には無理でしょう。
………あの二人の選択はそうした先のことを考えてのことだったんでしょう。
もうあの二人はそっとしておきましょう。」
カオス「………やけにあの二人を擁護するね。
ミーアやスラートにはあれだけ発破をかけてたのに………。」
これまでタレスはマテオに対して低姿勢な部族達を一喝して立ち上がらせようとしていた。それなのに何故かあの二人だけは戦争放棄の意思を尊重しようと発言する。何か二人に思うところでもあるのだろうか。
タレス「…ボクは戦えるだけの力があるのに戦おうとしない人達が嫌いなだけですよ。
ミーアとスラートはまだ戦えるだけの人員も戦力も残していたのに死んでいった人達のことを無かったことにしてマテオにへりくだろうとしていた………。
それが赦せなかっただけです。
………でもあのハンターさんとステファニーさんのブロウンとカルトはそれすら残っていなかった………。
彼等はもうマテオとの戦争に勝ったとしてもそれによって何か得られるものは今の彼等に必要なものではないでしょう。
領地を確保したところで彼等は先ずそれぞれの部族をまた一から増やしていくところから始めないと。
………と言っても彼等には彼等しかいませんけどね………。
あの様子じゃ二人が子供を作ったとしてその子供はブロウンかカルトのどちらかという括りにはならないでしょう。
ブロウンとカルトはアイネフーレのようにヴェノムの主によって戦争よりも先にこの世界から滅び去った。
そういうことにしておきましょう。」
タレスは自分と同じ状況に置かれた二人に親近感を感じ二人に戦争でいなくなってほしくなかったのだろう。だから二人には無理強いしてでも戦争に参戦するようには言わなかった。
………言えなかった。彼等の心は既に折れていたから。意思のないものに戦いを強要しても酷なだけである。強要して従わせるのは奴隷とほぼ同義だ。奴隷経験のあるタレスは彼等がそんな自分と同じ状況に陥ってしまうことが憚られて何も言わずに去るのを見届けたのだ。
ウインドラ「………今日のところはあの二人にカイメラの危機が去ったことも伝えたし明日からまた次の目的地に向けて出発するとしようか。」
ミシガン「次は………フェニックスか………。
火の鳥って言うくらいだしカオスもいることだから倒せるとは思うけど………。」
ウインドラ「ん?
とうしたんだ?
前はあんなにやる気を見せていたのに。」
ミシガン「今回のカイメラとの戦いで前までは順調に主を倒せるんじゃないかって思ってたけどちょっと自信消失しちゃった………。
やる気だけじゃ倒せない相手もいるんだなぁ………って。」
アローネ「…そうですね。
今回のカイメラは中々に強力な能力を兼ね備えていた相手でした。
次のフェニックスは一体どの程度の強さなのか………。」
カオス「話では
ウインドラ「その情報は数年前の話だ。
今となってはカイメラのように異状な突然変異を遂げているかもしれん。
それでなくとも全身が火に包まれた
カイメラでさえも不死と呼ぶに適した能力を持っていたというのに今度のフェニックスは最初から不死の力を持っているらしい。
………それがヴェノムによってどの程度強くなっているのかどうか………。」
ミシガン「だいたいフェニックスってどんな生物なの?
フェニックスってお伽話の世界じゃないんだしカイメラみたいに元が全く想像も出来ないような動物がフェニックスになったんじゃないの?」
アローネ「不死
タレス「直接目で見てからでないと何も言えませんね。
やはりフリンク族から情報を聞き出さないと………。」
ウインドラ「………フリンク族がブロウンとカルトのようにフェニックスに滅ぼされかけてなければいいが………。」
カオス「………今はよくないことを考えるのは止めようよ。
明日になったらここを出てフリンク族のいる地方を目指そう。
フェニックスのことを考えるのはそれからにしよう。」
アローネ「…そうですね。
今はまだ憶測でものを言ってもカイメラのように想像も出来ない相手だとしたらあれこれと悩んでも時間の無駄ですよね。」
ミシガン「カオスのおかげで
タレス「カイメラがおよそ六体のギガントモンスターの力を持つ敵と仮定するのであればフェニックスがそれを上回らない限りボク達が負けるようなことは無いでしょう。」
ウインドラ「油断大敵………といつもなら注意するところだが今ぐらいはそのくらいの気持ちで臨むのがいいのかもな。」
カオス「………よし、
また明日早くに出発しよっか。
今日は夜まで自由時間にしようか。」
ミシガン「賛成。
私もう疲れちゃったよ~。
ただでさえウィンドブリズ山まで行ってきてからそのままカイメラと戦ってまた戻ってきたばかりだし。」
カオスの一言で全員が散り散りに解散した。今日はこのブロウン族がいなくなった集落で夜を明かす予定なのだ。
全員がバラバラになったところでその場に一人だけ残る者がいた。
アローネ「………カイメラとの戦いは終えましたが言い出すタイミングが無かったせいで私はまだカオスに強くしてもらえていませんね………。」
カイメラ戦を経て能力を底上げした仲間達の後ろ姿を見て自分がまだカオスによって強化されていないことを今頃になって思い出すアローネであった。
………ここからは少し先の話になる。
カオス達はこの後残りのヴェノムの主フェニックス、アンセスターセンチュリオン、レッドドラゴンと戦っていくことになる。
残り期間は今日で残り
それまでにヴェノムの主を倒しきらなければデリス=カーラーンは精霊マクスウェルによって破壊されてしまう………。
カオス達は今日を境にこれまでよりも主討伐に気を引き閉めることになる。
全ては彼等が大事な人達を迫り来る終末の影から守るためだ。
………………しかし、
彼等のヴェノムの主討伐の旅は、
完遂することはなかった。
ただ一体の主を残してカオス達は審判の日を迎えてしまうのである。
その残りの一体は………、
次の討伐対象のフェニックスである。
カオス達は次に討伐しなければならない敵フェニックスだけは世界が破壊される
それは何故か。
フェニックスがカイメラを越えるほどの力を備えていたからか………?
それともフェニックスを逃し最期の日を迎えてしまったからか………?
………そのどちらでもなかった。
フェニックスの力は噂通りのものでヴェノムの主の中でも最弱と称される程度の力しか無かった………。
その上フェニックスはカオス達から逃げるようなことはせずカオス達と正面からぶつかって来るのであった。
………では何故それでも倒せなかったのか………。
それは………
フェニックスこそが、
ダレイオスに出現した他八体のヴェノムの主を生み出した
ダレイオスのヴェノムの主は全てがフェニックスの出現から始まった。
フェニックスこそがカオス達がヴェノム根絶のための旅に出る理由となったダレイオス国家崩壊の諸悪の根元であったのだ。