テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスさんはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 ようやく街にたどり着いた一行は街の中を回り最終的に酒場でクエストを受けようとするのだが…。


ギルドカード

安らぎの街カストル 酒場

 

 

 

「ギルドカード?」

 

「何ですかそれは?」

 

「そう言えば説明してませんでしたね。

 ギルドカードとはギルドで依頼を請ける際に作らなくてはならない身分証のことです。

 依頼自体はクエストと呼ばれています。

 これがあればトラブル防止にも繋がるので冒険者の人は皆これを作るんですよ。」

 

「へぇ~身分証かぁ。」

 

「そのトラブル防止というのはどう言うことでしょう?」

 

「昔ギガントモンスターの討伐クエストがあったらしいのですがそれに赴いた冒険者達が大勢いて何とか倒せたものの誰が止めを刺したかで揉めたことがあったんですよ。」

 

「そんなことが…」

 

「分け合うという発送は無かったんですか?」

 

「一攫千金を狙うのは盗賊だけではないということです。

 皆一人占めしたい気持ちは同じだったんです。」

 

「誰も譲る気配がなかったと…」

 

「楽したくて冒険者をしている人達ですからね。

 そのクエストの賞金は後に分配が決まりそれ以降はあのギルドカードが作られました。

 このカードでクエストを登録すればその人個人がクエストの報酬の受取人になります。

 他の冒険者はその人がクエストを受けている間はそのクエストを請けることが出来なくなります。」

 

「なるほどそれなら余計な争いは避けられる訳だね。」

 

「でもそれですとクエストの達成率が低くなるのではないですか?」

 

「確かに当初はその問題も出てきました。

 そこでギルドは新たにランク制を実施しました。」

 

「ランク制?」

 

「クエストの難易度をギルドで考慮し簡単なものから難しいものまでを十段階で分けランクに合わせて冒険者達が請けられる仕組みです。

 ランクは零から九までありクエストの達成回数によってランクが上がっていきます。

 ランクが上がれば難易度は上がりますが報酬額も上がるので冒険者達は躍起になってクエストをクリアします。」

 

「もしクエストを登録してもクエストをクリア出来なかったり投げ出したりする人がいたら?」

 

「その際はペナルティとして報酬額の半分を支払って貰うか二回の失敗でランクが一つ下がります。

 クエストには達成期限もあるのでそれを過ぎて達成出来なかった場合は今言ったような処置をとられます。

 ランク零は永久的なギルドカードの抹消です。」

 

「うへぇ~、何だか厳しそうだね。」

 

「ギルドも信用業ですからね。

 クエストを請けるからにはクリアしていただかないといけませんからペナルティが重くなってしまうのは仕方がないことなんです。」

 

「一度始めたら辞められなくなりそうな話ですね。」

 

「大丈夫ですよ。

 ギルドカードのランクはあくまでも達成回数と失敗回数で左右されるので登録した後はそのまま放っておいてもランクに影響は出ませんから暇なときに請けるくらいでいいんですよ。

 ここにいた人たちみたいに。」

 

「そ、そうだね。」

 

「タレスの物言いにはヒヤヒヤさせられますね。

 乱闘騒ぎが起こると言っていたのはタレスですよ?」

 

「誰も聞いてないよね?」

 

「大丈夫ですよ。

 ここまでで何か質問ありますか?

 無ければカードを作りにいきましょうか。」

 

「最後に一つだけいいかな。

 ここまでの話だとあのカードでランクの請けられるクエストが決まっているようだけど、それならカードの盗難とかはないの?」

 

「カオスの言う通りですね。

 盗んでしまえばランクの高いクエストも請けられるのでは?」

 

「その点はご安心を。

 これを見てください。」

 

「あ!さっきの人が持っていたカードだ。

 名前が………あれ!?」

 

「タイタン………!?

 タレスどう言うことですか!?貴方は誰かから盗んだのですか!?」

 

「違いますよ。

 これはただのハンドルネームです。」

 

「「ハンドルネーム?」」

 

「人によっては家等を特定されたり個人情報漏洩を防ぐためにこうして名前を変更することが出来るんですよ。

 ボクも三鬼神物語の一人からこの名前をとっています。」

 

「な~んだビックリした。」

 

「タレスはあの人たちと一緒にいたからつい……」

 

「(……危ない危ない。)このギルドカードはスペクタクルズと同じ人の発明で一度入力した情報がそのままずっと半永久的に書き込まれるんです。

 ですからこのカードにはボクの情報が入力されていてボクが持つと……」

 

「緑に光ってるね。」

 

「カオスさん持ってみてください。」

 

「ん?分かった。」

 

「あ!カオスが持ったら赤に変わりました。」

 

「本当だ!どうして!?」

 

「このカードは触れている人のマナに反応して色を変えるんですよ。

 このカードにボクが触れると緑でボク以外が触ると赤になります。

 誰も触れてなければ無色です。」

 

「便利なものだね。」

 

「これは本当に本人だけにしか緑に反応しないんですか?」

 

「これが発明されてからそのような話は聞きませんね。

 発明者いわく顔や指紋のように生物のマナは微妙に違いがあるため登録者以外に反応することは有り得ないだそうです。」

 

「それならこのカードが盗難の心配はなさそうですね。」

 

「本人にしか反応しないなら誰も盗まないよね。」

 

「では試しにあそこの受付でアローネさん達も作ってみて下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい。

 あっちの毒舌坊やと一緒にいた人達だね。

 ギルドは初めてなんだろう?」

 

「聞いてたんですね…。」

 

「なぁに、ここへは毎日冒険者が来るからね。

 掲示板に乗り遅れる奴は逆に目立つからそうなんだろうと思っただけさ。」

 

「ハハハ…。」

 

「あたしは耳が良いから聞こえてたんだけどあの毒舌坊やには気を付けるように言っておいてくれよ。

 ここには子供でも容赦しない連中がゴロゴロいるから。」

 

「スミマセン…。」

 

「最近あの調子でして…。

 環境が悪いところにいたので丁寧に毒を吐く癖が付いてしまったんです。」

 

「アッハハハ!なんだいそりゃ変な坊やだねぇ。

 でお二人さんはさっきの説明を受けてたってことはここへはギルドカードを作りに来たんだろ?」

 

「はいそうです。」

 

「じゃあここにカードに書く名前を書いとくれ。

 本名でも何でもいいよ。」

 

「……カオス。」

 

「なに?」

 

「後々のためにこの名前は本名で書かない方がいいですよ。」

 

「どうして?」

 

「忘れたのですか?

 私達はもしかするとブラムさん達から……」

 

「あぁ……ごめん忘れてた。

 でもハンドルネームかぁ直ぐには思い付かないなぁ。」

 

「では私に任せてください。」

 

「?いいけど。」

 

 

 

「………さて、サタンさんとアルキメデスさんだね。

 後はこのスペクタクルズで………ほい完了。」パシャ

 

「「有り難う御座います。」」

 

「これがあんたらのカードだよ。

 次から受付する際はこれを見せればいいから。」

 

 

 

「ねぇ、アローネ。

 この名前って何からとったの?」

 

「………義兄と姉の名前です。」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブラシスコン…」ボソッ

 

 

 

「///」パンパンッ!!

 

「痛い痛い。

 何も言ってないじゃないか。」

 

「聞こえていましたよ!

 しっかりと!この耳に!」

 

「聞き間違いじゃないの?」

 

「では何と仰ったんですか!?」

 

「ブラシスコン。」

 

「当たっているじゃないですか!?」パンパンパンパンッ!

 

「まさかこんなところまでお義兄さんの名前を出すなんて思わなくてさ。

 つい本音がポロッと…。」

 

「非道いですカオス!」

 

「ゴメンって、

 それにしてもどっちがお姉さん?

 どっちも男みたいな名前だけど。」

 

「私のアルキメデスの方が姉の名前ですよ。」

 

「何でそんな名前なの?」

 

「上流社会には色々とあるのですよ。

 跡取り問題が………女性が男性の名を授かることはそう珍しいことではないのです。」

 

「旅の途中お義兄さんの話はよく聞かされてきたのにここに来てようやくお姉さんが出てきたね。」

 

「私話してませんでしたっけ?」

 

「サタンさんのことしか聞いてないよ?」

 

「そうでしたか、それはスミマセンでした。」

 

「いや別にいいんだけど……。」

 

「姉は姪を産んで亡くなりました。」

 

「あぁ、そうなんだぁ……え!?」

 

「姉は姪を産んで亡くなったのです。」

 

「お姉さんが亡くなったって…、

 そんなしれっと何でもないことのように言えること!?

 え!?冗談!?」

 

「はい。」

 

「何だ冗談か…。」

 

「姉はもともと体が弱くもっと早くに亡くなっていてもおかしくなかったのです。」

 

「(冗談じゃないのか…?)」

 

「それが大好きな人と結ばれ子宝にも恵まれ幸せな最期でした。」

 

「………聞いてもいい?」

 

「何でしょう?」

 

「悲しくはなかったの?」

 

「悲しかったですよ?」

 

「………にしてはそんな……明るく話せるないようじゃあ……。」

 

「あぁ、気にしないで下さい。

 姉が亡くなって悲しいとは思いましたけどもう何年も前の話ですし、それに。」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉は満面の笑顔で幸せだったと言って旅立ったんです。

 姉には死への絶望はなく希望を残して終えることが出来たことへの喜びのみがありました。

 

 その顔を見たら私も義兄も寂しさはありますけど不思議と辛さは感じないんです。」

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