テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アフリシェンド細道 残り期日九十三日
カオス「………今地図のどの辺り?」
タレス「そうだな………。
この辺りは………アフリシェンド細道と言う辺りでもう少し先に行けばフリンク族の地方に足を踏み入れることになるな。」
アローネ「トロークンを出発してから特に戦闘も無く歩いてこれましたがやはり移動に大分時間をとられますね。
ダインさんのようにレアバードがあれば移動も早く済むのですけど。」
カオス「確かにあれは早いよね。
数時間も飛べば隣のクリティア族の領地まで行けたもん。」
ミシガン「カオス、
そんなところまで行ってたの?
あの人と一緒に?」
タレス「何故クリティア族の領地方面まで行くことになったんですか?」
カオス「修行中さ、俺がアイスニードルやアイシクルを無駄撃ちし過ぎて山がカチンコチンに凍りついたんだよ。
それで山にいたモンスターが全部山からいなくなっちゃって………。
それでこれじゃモンスターに魔術を使う修行が出来ないなぁって思ってたらダインがやって来て修行をつけてもらってて………クリティア族の領地に行ったのは皆と合流した前日だったんだよ。」
ミシガン「あぁ………それで何かあの山スッゴく寒かったんだね………。」
タレス「何故氷の術だけを?」
カオス「俺が修行してたの雪山だっただろ?
それで俺が他の術を使ったら雪崩でも起こるんじゃないかって思ってさ。
それでウィンドブリズ山で使える魔術はって考えたら氷の術しかあそこじゃ使えないと思って。」
ウインドラ「………それでカオスがいなくなった後やけに北から寒い風が吹くなと思ってたんだ。
お前があの地方を極度の寒冷地帯にしてたせいだったんだな。
そうでなくても若干涼しい程度の地方だったんだが日によっては降ってすぐ溶けるくらいの雪が降ってきてたぞ。」
アローネ「そうするとカオスは私達と合流する直前まではまだ修行が終わっていなかったのですね?」
カオス「……恥ずかしながら………。
俺が撃てるようになったのは皆と合流した日からだよ。」
タレス「それでカイメラだけでなくグリフォンすらも………。」
カオス達はブロウン族の集落トロークンを出発してから五日かけてフリンク族の地方のすぐ側まで来ていた。ここに来るまでモンスターは一匹たりとも遭遇することはなかった。なのでカオス達はフリンク族のいる街に着くまではこうして話でもしながら戦いの日々を少しでもまぎらわして気を抜こうとするがどうにも彼等の頭には次の戦いのことしか話題に出すことが出来なくなっていた。
残り約三ヶ月の期間というのはそれだけ彼等を戦いの舞台へと引きずり込む縛りとなっている。元は戦いの日々から縁遠い者が五人中四人もいるというのにそれだけで彼等の使命は彼等から日常の話題すらも非日常のものへと変えてしまっていた。そのことに気付くものは彼等の中にはいなかった。
カオス「それにしても本当にモンスターと出会わないなぁ………。」
アローネ「どうしたのですか?
そんなにモンスターと戦いのですか?」
カオス「そう言うわけじゃないけどトロークンからこの辺りまで一回もモンスターと鉢合わせしないからどうなってるのかなぁ、って。」
ミシガン「また前のイビルリッパーみたいにそこにいるけど見えないモンスターとかいるかもよ?」
タレス「それもないとは否定しませんけどこの辺りにはモンスターはいないと思いますよ。」
ミシガン「どうして?」
ウインドラ「…うしろの
………原因だったと言うべきか。」
ミシガン「後ろ?」
マウンテンホーンズ「………モグモグ………ペッ!」
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「………」
カオス達の後ろには未だに元カイメラのマウンテンホーンズが付いてきていた。この五日間でカオス達が立ち止まればマウンテンホーンズも立ち止まり右に曲がる道を曲がればカイメラもそれに付き従い付いてくる。そして今は道すがら生えている質の悪そうな草を租借しては吐き出しているところだった。追跡する意図は不明だが特に危険は無かったため放置していたのだが何故こうもカイメラはカオス達に付いてくるのか。
ウインドラ「…段々と胡散臭くなってきたな………。
奴は何が目的で俺達に付いてくるんだ?」
タレス「やられた借りは返す。
そんな感じじゃないですか?」
ミシガン「まだ私達と戦う気なの?
もうあの子にそんな力は無いと思うんだけど………。」
アローネ「戦わないにしても彼が何を狙っているのか分かりません。
………ここは一つコンタクトを取ってみてはいかがでしょうか………。」
カオス「コンタクト?
何をするの?」
アローネ「………近付いて触ってみましょう。」
いつまでもカイメラの動向の意図が分からず五人でその理由を探しているとアローネがカイメラに触って確認することを申し出てきた。
ウインドラ「おいおい………、
危なくないか?
害は無いと言っても見た目でそう見えているだけで草食動物でも案外抵抗されればそれなりに痛い一発をお見舞いされることもあるんだぞ?」
カオス「だったら俺が触ってみるよ。
前に暴れて突進してきたのを止めたこともあるし。」
アローネ「…いえ大丈夫です。
私がやりますからカオスはそこにいてください。
提案したのは私ですからカオスを危険な目にあわせられません。」
カオス「でも………。」
アローネ「心配ありませんよ。
いざと言うときはこの羽衣がありますから。」
そう言ってアローネはクリティア族の長老オーレッドから貰った羽衣を閃かす。
タレス「確かにその羽衣はかなり硬質の防御力を持っていますよね。
セレンシーアインでもランドールの剣を受け止めましたし守りにおいてはこの中ではアローネさんが一番堅牢なのでないでしょうか。」
ミシガン「あぁ、そうだったそうだった。
その羽衣結構丈夫だよね。
カイメラと戦ってた時にもその羽衣で切り裂いたりしてたし。」
カオス「そんなに凄い武器だったの?」
ウインドラ「あぁ、アローネの羽衣はかなりの業物だぞ。
カイメラの咆哮のほとんどをその羽衣で弾き返すくらいにな。」
アローネ「そういうことです。
ですので私にお任せを。
カイメラが私達にまだ敵意があるのか確認するだけですので。」
そしてアローネはカイメラの元へと歩みだした。カイメラはアローネの接近に対し、
マウンテンホーンズ「ウ”ゥゥゥゥ……!」
と、威嚇で対応する。その挙動にはカイメラにカオス達に対する怯えが見てとれる。
アローネ「………怖がらなくてもいいのですよ。
私達はもう貴方に敵対する気は「メェェェェッ!! 」…あっ………。」
カイメラは一瞬の隙をつきアローネをすり抜けてカオス達の方へと走り、
カオス「え?」タレス「なっ!?」ミシガン「うわわっ!?」ウインドラ「こいつ………?」
………そのまま四人を無視して真っ直ぐ突っ切って去っていった。
カオス「………なんだったのかな………あいつ………。」
タレス「結局何も分からず仕舞いですね。」
ミシガン「付いてくるから私達と一緒に行きたいのかと思ったけど………。」
ウインドラ「ただ単に俺達が奴にとって奴の進路を遮る壁にしか見えなかったのかもな。
あいつも俺達と同じ方向に向かっていたようだし。」
アローネ「………撫でて見たかったのですが残念です………。」
カオス「アローネ………?」
アローネ「!
いえ!
何でもありませんよ!?」
カオス「………」
アローネはカイメラに触りたかっただけのようだ。あれほど苦戦した相手だが今のカイメラはただの無害な草食動物へとその姿を変えている。どことなく愛らしい見た目に触ってみたくなるのも無理はないが………、
………カイメラが何を考えて行動しているのかは謎だがその答えを知る術はカオス達は持ち合わせてはいない。
しかしその謎の答えは以外にも………、
直ぐに判明することとなる。
この先の、
フリンク族の街にて。