テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ウィート草原 残り期日九十二日
ミシガン「もう!!
これじゃあ私達全然戦うことが出来ないじゃないのよ!?」
カオス「そんな無理に戦う必要は無いと思うけど………。」
ミシガン「カオスはもうちょっと手加減………じゃなくて休んでなさいよ!?」
ウインドラ「力を使えるようになったのはいいが今度は逆に使い過ぎなんじゃないのか?」
カオス「って言っても魔技一発撃っただけだよ?」
タレス「それでもここまでのモンスター全部カオスさんが一人で倒してますよ?
カオスさんのことだからマナが枯渇するようなことは無いとは思いますけどそれでも少々戦いすぎなのでは?」
ミシガン「私さっき言ったよね!?
カオスは手を出さないでねって!」
カオス「怪我する危険がないくらい弱い敵だったらそうしてたんどけだど今のはギガントモンスターだったしちょっと危ないかなぁって………。」
ミシガン「大丈夫だってば!!
私達皆あのカイメラとの戦いでカオスにマナを底上げして貰ったんだから今の私達ならさっきのブルシスとかいうモンスターが相手でも絶対に負けたりしなかったんだから!!」
カオス「そういう相手の情報も分からないのに相手を格下だと思って確実に勝てるなんて思い込みは危険だな………。
野生のモンスターとの戦闘は何が起こるか分からないんだよ?
ちょっとした油断で大怪我を負っても何も文句は言えないんだ。」
ミシガン「それは………、
………そうだけど………。」
カオス「皆にはなるべくヴェノムの主との戦い以外で傷付いて欲しくないんだ。
一ヶ月以上も皆のことは待たせちゃった訳だし次のフェニックスに会うまでは俺がなんとか出来るようなモンスターが相手なら俺が全部片付けるよ。」
そう言ってカオスは周囲の警戒に当たった。ギガントモンスターの周囲に他のモンスターが彷徨くようなことはないとは言いたいが念には念を入れてモンスターの索敵を始めた。
タレス「………想像以上にカオスさんの戦闘能力が高まって帰ってきましたね。」
ウインドラ「随分と頼もしく…………カオスは元から頼もしかったが今のカオスは前の数倍は頼もしいようだな。」
ミシガン「頼もしすぎるでしょ!?
何であんなに魔技使いまくるの!?
あれじゃあ私達カオスに護衛されながら旅してるようなものじゃない!」
アローネ「…彼の中でそれだけあの修行にかけてしまった時間が堪えているようですね。
私達に気を使ってあのように一人で抱え込んでいるのでしょう………。」
タレス「イクアダでニコライトと戦ってから飛葉翻歩を技術に取り入れた時のようですね。
あの時もカオスさんが遭遇するモンスターをほぼ一人で倒していましたし。」
ミシガン「責任感が強いのはいいことだとは思うけどあそこまで重く受け止められたらなんか気にしなくていいよなんて言いにくいし………。
“
アローネ「………」
タレス「ミシガンさんのお兄ちゃん呼びってなんだか違和感がありますね。
ずっとカオスさんのことを弟だって言い張ってたのに。」
ミシガン「この間のことでね、もうそろそろお兄ちゃんだって認めてあげてもいいかなって思ったから今度からカオスの方がお兄ちゃんになったんだよ。」
ウインドラ「カオスは実力の割には精神が打たれ弱い。
だがこの前の修行を経て大きくカオスは前進した。
そのことをミシガンに評価されたんだな。」
タレス「まぁカオスさんはずっと一人でミストの森という場所にいたらしいですからね。
人と接する機会の少なさからそういった面が成長しづらかったんでしょう。
そしてあの修行で一つの試練を乗り越えたことによってカオスさんは自らの殻を破った。
…これからどんどんカオスさんは逞しくなっていくと思いますよ。」
カオス「皆何の話をしてるんだよ。
この辺りにはもう他にモンスターはいないみたいだからさっさと先に進もうよ。」
四人が話し込んでいるとカオスが戻ってきた。連戦した直後だというのにまだまだカオスには疲れは見えないらしい。
ウインドラ「……もう少し先に行けばフリンク族の村があるようだ。
今日はそこで休むとするか。」
ミシガン「フリンク族の村?
もうそんな近くまで来てたの?」
ウインドラ「村と言ってもそこはフリンク族のほんの小さな村だ。
これは予想だがその村にはフリンク族はいない。
これまでと同じように無人の村となっているだろう。
今日はそこで休ませてもらうとしよう。」
カオス「そうするか。
出来れば早くフリンク族の人達に会ってフェニックスのことを聞きたかったけど。」
ウインドラ「…驚いたな。
お前からそんな言葉が出てくるとは………。」
ミシガン「うん、
なんかカオスが少し見ない内に変わった気がするよ。
………本当にカオスなの?」
カオス「当たり前だろ、他の誰だって「カオス」」
ピト………
アローネ「………」
カオス「アッ、アローネ?
どうしたの?」
アローネがカオスに近付きカオスの顔に手を触れながら、
アローネ「貴方は………カオスなのですよね………?
カオス以外の誰でもないのですよね………?」
カオス「………?
俺は………。」
突然のアローネからの深刻そうな表情で意図の分からない質問にカオスはどう発言したよいのかと悩むが、
アローネ「………」
カオス「………………俺は………、
皆が知ってる通りのカオス=バルツィエだよ。
俺はずっと変わらない………。
アローネと出会った頃のずっと同じままだ。
修行が終わってからちょっと驚かせ過ぎたろうけど何も変わってないから安心して。」
アローネ「………そう………ですよね………。
貴方は………貴方なのですよね………。
………貴方はカオス………。
それはいつまでもそうなのですよね………。」
カオス「?」
何か返答を間違えたのかとカオスは思った。自分が誰なのかと訊かれたので正直に答えたつもりだが彼女が欲しかった答えはもっと別のものだったらしい。一体何と答えればよかったのだろうか。考えても自分には自分の名前以外に答えは無いのだが………、
ミシガン「アローネさんどうしちゃったの?
急にカオスの顔触ったりなんかして。」
カオス「さぁ………?
俺にも何がなんだか………。」
アローネ「(………何を考えていたのでしょうか………。
カオスはカオスなのに………。
………修行を終えて帰ってきてどこか達成感を噛み締めて自信に満ちたカオスの表情がどこか………、
サタン義兄様と影が重なって見える………。
戦いが始まって終わる度に私達を心配するあの顔も幼い頃私を外に連れ出してモンスターから守ってくださったサタン義兄様の仕草に似ている………。
あの………力に見会わない内面の脆さもカオスはサタン義兄様に………。)」