テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
フリンク族の都市フリューゲル 宿 翌朝 残り期日八十八日
ミシガン「んぁ………おはよう………。」
カオス「おはよう………どうしたのミシガン?」
朝起きたらミシガンから気の抜けるような朝の挨拶をかわされる。それになんとか挨拶仕返すが、
アローネ「…昨日あれから遅くまでミシガンはこの街を見て回っていたのです。
それで寝不足に………。」
ミシガン「ふわぁぁあ~ぁ………。」
カオス「………」
大丈夫かこの子?こんなコンディションでは一日と気力が持つまい。どうしてこんなになるまで街を………。
アローネ「昨日はビックリしましたよね………。
まさかこの地方のヴェノムの主フェニックスがグリフォンで既に私達はグリフォンを討伐し終えて残りがアンセスターセンチュリオンとレッドドラゴンの二体だけになっていただなんて………。」
ミシガン「ふわぁ~あ………、
………そう、それそれ………、
急にヴェノムの主が二体だけになってるだなんて聞いて一気に気が抜けたわよ。
だから昨日はやることも無かったしこの街結構大きかったから見て回ってたら道に迷っちゃってそれで中々ここに辿り着けなくて困ったわ。
広い街って誰かと一緒に回らないと駄目だね。
道が全然覚えられないわよ。
おかげでこの調子よ………ふあ~あ……。」
相当眠るのが遅かったようだ。確かにこの街は広かった。カオスですら外周を回ろうとして半周程回る一歩手前で断念するほどに。
昨日はあれから直ぐに戻りはしたが………、
カオス「ねぇ二人とも。
昨日夜中に街の向こう………西側の方から大きな音が聞こえなかった?」
ミシガン「大きな音………?
………覚えてないなぁ………ってか気付かなかったし………。」
アローネ「何かあったのですか?」
カオス「…実は昨日さ、
一人で少し街の外をブラブラしてたんだ。
……こういった大きな街にいるよりも俺はどっちかって言うと外の方がなんか落ち着くからさぁ。
寝るまで街の外にいたんだよ。」
アローネ「一人でですか………?
……カオスのことですから平気だとは思いますが外にはモンスターがおります。
ですので外に向かうのでしたら一言声をかけてから誰かと一緒の方がよろしいかと………。」
カオスが一人で外を探索していたことを知るとアローネが心配して忠告する。
カオス「大丈夫だったよ。
この街に来るまでそんな凶暴そうなモンスターなんていなかったし。」
ミシガン「いやいや結構いたでしょうが凶暴なモンスターは………。
私達何回モンスターと遭遇したと思ってるの………。」
ミシガンが突っ込みを入れるがいつものキレが全く無い。本調子に戻るまでまだまだかかりそうだ。
カオス「平気だったって、
俺一人でどうにか出来る程度のモンスターしかいなかったし街の近くだから魔術を使うと騒ぎになりそうだったから剣だけで戦ったけどそれでも余裕だったよ。」
ミシガン「結局モンスターはいたんじゃない………。」
アローネ「それで先程の大きな音とは?」
カオス「あぁ、
昨日俺達がこの街に入った時に街の入り口の北東側から西側の方まで行ってみたんだけどなんか夜中にずっと西の山の方で何かと何かが戦ってたみたいなんだ。
その山の真ん中辺りで火の手が上がってさ………。
ちょっとそれが気になって………。」
アローネ「火の手が………?
バルツィエでしょうか………?」
カオス「俺もそれが気になったんだけど大分遠くの方で戦ってたみたいだしこの街には関係無いかなって思ってそのまま放置した帰ったんだ。」
ミシガン「特にそこにいたバルツィエかモンスターかがこの街にまで来たってことじゃないんだね?」
カオス「多分ここまでは来てないんじゃないかな。
そんぐらい遠くだったし街に戻る時も外で見張りをしていた人もなんか気にしてなさそうだったしね。
この辺りではよく起こることなのかも。」
アローネ「……少しそのことについて調べてみますか?」
ミシガン「街の人達もなんか知ってそうだしね。」
カオス「……いや、
ちょっと気になった程度だしいいよ。
二人が気付いてたか聞きたかっただけだしもしかしたらただモンスターとモンスターが争ってただけだろうしね。
それに
ミシガン「女の子が?
どこを?」
カオス「だから街の外だって、
俺が丁度その火の手が上がる前に会ってさ。
あんな時間によく女の子が街の外に出られるなって………、
実はそっちの方が気になってたんだよ。」
アローネ「女の子が外をですって………?」
ミシガン「危険じゃないのそれ?
モンスターだってその辺にいたんでしょ?」
カオス「うん………、
だから何か変だと思ったんだよ。
服もなんか汚れが目立つくらいボロボロだったしそれに………。」
ミシガン「それに?」
カオス「………なんか街の方を見て泣いてたんだよその子………。」
あの時見た彼女の表情ははっきりと覚えている。薄暗くてよく見えなかったが彼女の目からは確かな雫が流れ出ていた。それが街から放たれていた明かりに反射して光っていた。
確かにあの女の子はあそこで泣いていたのだ。
ミシガン「何で泣いてたのその子………。」
アローネ「………
雰囲気の良さそうな街でそのような暗いことが………。」
カオス「幼児って程小さくは無かったよ。
年頃は多分ミシガンと同じくらいかちょっと下なくらいだったよその子は。」
ミシガン「私と同じくらいの子?
そんな子がどうしてそんな危ないところに一人で………。」
アローネ「その後その彼女とは?」
カオス「………分からない………。
その子とは本の一瞬だけしか顔を会わさなかったし御互いの存在に気付いたと思ったら直後に山からさっき言ってた騒ぎが起こって………、
そっちに気を取られてる隙にその子がいなくなっちゃったんだよ。」
ミシガン「いなくなった?」
アローネ「どこかへ去って行ったということですか?」
カオス「そうなんだろうけどそこが不思議なんだ。
俺とその子が会った場所は夜だったから暗かったんだけどそれでも俺が目を離したのはもう十秒もないくらいだったんだ。
それなのにその子は忽然と消えたようにいなくなっててて………。
辺りには人が隠れられそうな物もない草村だったし………。」
アローネ「………確かに異様な話ですね………。
カオスであればここに来る道中で誰よりも早くにモンスターの気配を察知して迎撃していましたから相手が人であるならカオスが誰かを見失うなどということは無いとは思いますけど………。」
ミシガン「草村に伏せてカオスをやり過ごしてたとかは?」
カオス「いくらなんでもそれじゃ絶対に隠れられないって………。
草村って言っても俺の足首に届かないくらいしか生えてなかったし………。」
アローネ「…カオスが見失う相手………。
バルツィエでしょうか………?」
カオス「俺もそれを疑ったんだけど流石にバルツィエがあんな格好の服をいつまでも来たままな訳ないよ。
その子の服装は汚れてはいたけどこの街のフリンク族の人達と似た服装だったしその子は間違いなくこの街のフリンク族だった筈だよ。」
ミシガン「…じゃあどうやってその子カオスの前から消えたって言うのよ?」
カオス「さぁ………?
俺もそれが分からなくて昨日からずっと考えてて………。」
アローネ「後でフラットさんかナトルさんにお訊きしてみるのが良いでしょうね。」
ミシガン「そうだね。
私達だけじゃ全然分からないもん。
会ったのカオスだけなんだし。」
カオス「そうだね。
そうしてみるよ。」
一先ず昨日の謎の少女のことに関しては一旦置いておくことにした。カオス達はその場で未だ起きてこないタレスとウインドラを待つのであった。
アローネ「……ちなみにその彼女のことは単に奇妙な体験をなさったから気になっておられるのですよね?
決してその子のことを異性として気にしているとかではなく………。」
カオス「え?
何言ってるんだよ。
そんな直ぐそういう話になる訳無いだろ?」
アローネ「……それなら結構です。」
カオス「……?」