テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
フリンク族の都市フリューゲル 族長邸宅 残り期日八十八日
キンコーン…!
フラット「!
彼等がやって来たようですね。
では私が対応致しますので族長は街の方へとお向かいください。」
ナトル「分かった。
直ぐに準備をして行くとしよう。」
フラット「では私はこれで………。」
ガチャッ………スタスタ………………
ナトル「…………………………………………………………
(………こうするしかないのか………。私にはこうするしか………。
部族を守るためならばこの
昨日彼等から感じたマナはこれまで見てきたどんな者よりも凄まじい力を感じた。
彼等なら例え何者が相手であろうとも敵わぬであろう………。
………それなら今この街の近くまで来ている
その両方を屠るまたとないチャンスだというのに………。
どうしてそれが私には選ぶことが出来ないのだ………?
………当たり前か………。
部族の長として私は部族全体の面倒を見なければならない。
先代から私にまで受け継がれてきた役割を私の一存で放棄してはならんのだ。
それが………、
正に今
私にはこの選択以外をとることは許されない。
この街にはまだ
奴の…がいればあの狂人一族ブルカーンからこのフリンク領を守っていられる。
………しかし同時に奴の…の存在こそがこのフリンクの生存権を脅かす脅威になることも確か………。
やはり彼等にあの忌々しい存在の
だがそうなるとブルカーンからこの街を守る術が我々には………どうしたら………。)
………
お前の仇を討つチャンスが巡ってきたというのに私にはどうすることも出来ない………。
せめてこのぶつけどころの無い憎しみのやるせなさはラーゲッツと奴の…が何も知らずに互いに殺しあっているということを一人空しく想像して悦に浸るしか私が出来ることは無いのだな……。」
フリンク族の都市フリューゲル 族長邸宅前
フラット「おはよう御座います皆様。」
カオス「おはよう御座います。」
ウインドラ「?
今日はナトル族長はどちらに…?」
フラット「申し訳御座いません。
本日もナトルの方は昨日に引き続き大事な会合がこの後にありまして………。
ですので今日のところも私が皆様をご案内させていただきます。」
アローネ「忙しいのですね………。」
フラット「そうなのですよ。
他の部族達のように数が減ったら減ったでお困りでしょうがここでは逆に他の村から集めて増えたら増えたで意見を纏めるのが大変でしてもうナトルは毎日のように住民達から様々な要望を聞いてそれにどう向き合えばよいかを模索しております。」
タレス「主にどういった内容の話があるんですか?」
フラット「沢山ありますよ?
外のモンスターが増えてきたからその数を調節しろだとか
ミシガン「先民と後民って?」
聞き慣れない単語にミシガンが疑問を投げる。他の四人も同様にフラットの返答を待つが、
フラット「先民と言うのは元からこの街にいた住民のことですよ。後民は
…同じフリンクでもちょっとした隔たりが出るんですよ。
後から来た者は先にいた住民よりも格下だとか下らない喧嘩がしゅっちゅうありましてそういったトラブル解決にナトルが出向いて仲裁したりしているのです。」
カオス「同じ部族の人同士でもそういったことがあるんですね。」
フラット「はいそれはもう山のように積もる程起こるんですよ。
今となっては先民などほんの一握り程度の数と思える程に後民が増えましたがね。
ですから先民もあまり強くは言えなくはなりましたがそれでも偉ぶりたい気持ちを持つ者がまだいるようで………。」
アローネ「…部族間同士での争いは無くとも人が増えればそうしたことはどこででも起こりますよね。」
フラット「…人と言うのは争いの無い世の中にしたいと口にはしても心のどこかでは争いを求めているのかもしれませんね………。
九の部族がそれぞれ散り散りに元いた住居に戻ってみれば今度は同じ部族間で喧騒が起こる………。
………きっと争いが無ければストレスが溜まるんでしょうね。
人の社会の中には競争社会という共に高めあって上り詰めていく人達もいれば真逆に自らのプライドを保つために他人を蹴落として優位に立ちたいという自己中心的な者がいる排他的社会も御座います。
今我々フリンクはその問題に直面しているのですよ。」
カオス「難しいんですね………。
同じエルフのはずなのに………。
まるで子供と同じだ。」
フラット「争いには子供も大人の垣根もありませんよ。
あるのは………、
自身が人より優れたいという自己顕示欲です。
人よりも優れていると分かるには人を攻撃して自分がその者よりも勝っているという事実を確かめたいだけのただの我が儘でしかないのですから。」