テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カストルのギルドでクエストを受けられなかった一行は次の日に備えて宿で休もうとするのだがヴェノムのクエストの存在を知り騎士団よりも先にクリアすることに決める。
ルルカ街道 カストル東
「タレス!」
「はい!飛燕脚!」ゲシッ!
「ゴアアァァァッ!!」
ドスッ!!
「よし!このままもう一体も「ブルルルッッ!!」グッ!!」ガガガガッ!!
「カオスさん!「魔神剣・槍波!!」」ザザザザザザッ!!
「ブルッフ!」フラァッ…
ドスンッ
「片付けたか!アローネそっちに行ったぞ!」
「ガアァァッ!」タッタッタッ!!
「任せてください!『我らに力の加護を!シャープネス!』」ガシッ
「キャインッ!?」
「そのまま押さえてて今行くから「『疾風よ我が手となりて敵を切り裂け!ウインドカッター!』」!」ザシュッ!
「キャフッ……」
「!」
「終わったようですね。」
「そうだね……。」
「?どうしました?」
「何でもないよ…。」
「?」
「モンスターで栄える地域なだけあってモンスターと多くエンカウントしますね。」
「連繋の練習にもなって丁度いいですね。」
「アローネ、その術使えるようになってから調子いいね。」
「はい、私には相性がいいようでマナもそんなに消費しないんですよ。」
「アローネさんにお教えして正解でしたね。
術が増えただけで幅が広がって前ほど苦戦しません。」
「マナはただ内包しているだけでは意味がありませんからね。
効率的に使っていかないと。」
「それにしてもアローネモンスターを押さえ込むなんて凄い腕力だね。」
「何言ってるんですか、支援魔術があったからこそですよ。」
「さっきのモンスターを組伏せていたアローネさんは前衛と言われてもおかしくないオーラを放っていました。」
「前から言ってるではないですか。
私は前衛もできますって。」
「それはそうなんですがアローネさんはそんなに打たれ強くないですよね?」
「攻撃に自信はありますが守りはそうですね。」
「ならこのままアローネさんはモンスターが接近したらカウンター式に今のような戦いでいきましょう。
術技のバランス的にはそれがボク達のパーティで問題ない筈です。」
「余裕があるのでしたら私も前に出ることも出来ますよ?」
「それはあくまでもモンスターが弱いときのみにしましょう。
この周辺のモンスターはムスト平原やトーディア山脈よりも活気付いてるようなので。」
「けれど私が何もせずにカオスとタレスだけで戦闘が終わってしまうこともあるじゃないですか。
何だか申し訳ないです。」
「それが後衛というものですよ。
後衛にまで敵を回さないのがよいパーティの基本です。
後衛は遠くから支援してくれるだけでいいんですよ。」
「それが申し訳ないのですよ。
私一人が傷を負わないで戦うことが。」
「アローネは回復もしてくれるじゃないか。
アローネがいなかったら僕達はじり貧で戦わなくちゃいけなくなるからね。」
「カオスはそんなに怪我をしていませんよね。」
「え?それはそうだけど…」
「やはり私が何もしない戦闘が増えてきています。
何とかして下さい!」
「何とかって…」
「こればっかりはボク達が強くなっていく上で仕方のないことだと思いますよ。」
「私も二人と共に戦いたいのです。」
「そういえばアローネってこういうところあったな。
すっかり忘れていたよ。」
「お嬢様なんですから本来は戦わせること自体間違っているような…。」
「その逆です!
貴族として民を守らねばならないのです!
悠々と後ろで構えて誰が救えますか!」
「十分助けられてるよ。」
「もっとです!」
「………戦闘がスムーズになってから好戦的な性格になっちゃったなぁ。
ミシガンみたい。」
「これがアローネさんの真の姿なのかもしれませんよ。」
「このままアローネが強くなったらとんでもないことにならないかな。
そのうち自己支援だけでモンスターに突貫して殴りにいかないか……」
「聞こえていますよ!カオス!」ガシッ!
「あいたたたた!!ちょっとまだシャープネスの効力解けてないって!?」
「問答無用です!
私がそんな粗暴に見えますか!!?」
「今まさにそう見えます!!」
「言いましたねぇ!!!」
「いたたたた!!タンマタンマ!ギブだ!ギブだって!!」
「ふぅ、モンスターよりもダメージ負った気がするよ。」
「カオスが変なこと言うからですよ。」
「カオスさん口は災いの元ですよ。」
「最近のタレスにその言葉を送りたい。」
「ボクは別にトラブルは起こしてないですよ?」
「うんそうだね。
起こしそうでヒヤヒヤするけどね。」
「それはそうとタレスさんさっきの戦闘で使っていた技は…。」
「あぁ、魔神剣・槍波?」
「いつも使っている魔神剣とは違いましたね。
いつの間にそんな技を?」
「トーディア山脈のダイナソーの時に一度使ってましたよね。
名前を付けたのですか?」
「そうそう、魔神剣と少し出し方が違うから区別しようかなって。」
「地面をより深く抉って魔神剣の威力と追々する衝撃波を連続的に出していますね。」
「その分飛距離は縮んで接近専用になったけどね。」
「武身技兼闘気術になるんでしょうか。」
「そういうくくりを意識して編み出した訳じゃないけどな。」
「何故急にそんな技を?」
「リトビアで暴走してからマナを放出するのがやり易くなった気がしてね。
試しに撃ってみたら出来たんだ。
単純な考えだからそれまでも何度か魔神剣の威力向上のためにやってみたことはあったんだよ。
成功したのはトーディア山脈でコツを掴んでからかな。」
「名前はどうお決めになったのですか?」
「最初に飛ばす魔神剣と後を追う魔神剣が繋がって槍のように見えるからかな。」
「シンプルで分かりやすいですね。」
「でしょ?」
「では魔神剣とはどういう意味なのですか?」
「ゴメン、それは僕にも分からないよ。」
ネイサム坑道 入り口
「ここが目的地だろうね。
入り口にヴェノムの警告あるし。」
「ネイサム坑道というのですね。」
「坑道かぁ、ダンジョンって聞いていたから只の洞窟みたいなのを想像してたよ。
中は案外整備されてて崩れたりとかはしなさそうだな。」
「ガイドブックによりますと古い話ですがここはもともと発掘場として機能してたみたいですよ。
今は捨て置かれてますが。」
「何で捨てたんだろう?」
「モンスターが住み着いてしまったからでは?」
「ヴェノムかぁ、なら有りうるな。」
「いえ、それは最近の話で元々捨てられた理由にはゴーレムやエレメントと言ったモンスターを掘り出してしまったことにあるそうですよ。」
「ゴーレム?」
「エレメント?」
「古代の技術で作られたと言われる生物で通常の生物とは異なり肉体ではなく土や氷や火などのそれだけでは生物足り得ないもので体が構成されています。
ゴーレムは岩や鉄、エレメントは基本六元素それぞれで。」
「自然エネルギーで体が出来ているってこと?
それって急所がないってことなんじゃ…」
「エレメントは相反する属性をぶつければいいみたいですよ?
そうすればエレメントと相殺されて倒せるそうです。」
「よかった、不死身とか言われてたらどうしようかと思ったよ。」
「魔術が有効ならなんとかいけそうですね。」
「お二人は常日頃不死身の魔物を倒してるじゃないですか。」
「「あ。」」
「あんな怪物と比べたらエレメントなんて可愛いものですよ。」
「それもそうか。」
「それでは行きましょう。
ここにいても外のモンスターが嗅ぎ付けてくるだけなので。」
「本当に入っていきやがったな…。」
ネイサム坑道
「ゴーレムにエレメントかぁどんなモンスターなのかな。
早く遇ってみたいなぁ」
「体の構造が一つの元素で作られているなんて凄そうなモンスターですね。
ヴェノムと同じで不定形のモンスターなのでしょうか?」
「そうではないですよ。
ゴーレムはあらかじめ形を作っておいて術式を施して動かしているようです。
エレメントも形を作る術式と動かす術式と元素術式を組み合わせて作り上げたもののようです。」
「術式ってアローネの棺にあったやつだよね。」
「確かにあれも術式でしたが……
術式で動いていると言うことは操作している人がいると言うことでもあるのではないですか?」
「ここにいるゴーレムやエレメントは原初時代の遺産でそういう人がいるのなら数億年生きていることになりますよ。」
「それは……生きてられないね。」
「この現代の人の寿命は千年前後です。
ゴーレム達は術者の手を離れて自律稼働しているんでしょう。」
「ってことはずっとここでゴーレム達は…。」
「切なくなる話ですね。」
「もとはどこかの王朝の警備にでも配置していたのでしょうが訪れた文明の滅びに取り残されてしまった哀れな兵士達なんでしょうね。」
「可愛そうですね、ずっと術者が帰るのを待っているのでしょうか。作った親はもういないというのに。」
「子はいつかは親から飛び立たなければなりません。
唐突に離れ離れになったとしてもいづれ来る運命だったんですよ。
ボクのように。」
「タレス…。」
「モンスターに情けは無用です。
襲ってくるのなら返り討ちにしてやりましょう。
出てきたらゴーレムはボクが引き付けておくのでお二人はヴェノムを退治してください。」
「分かった。」
「所々障気が漂ってるからヴェノムがいた形跡はあるんだけど……なかなか出てこないね。」
「ヴェノムも坑道に追い詰められて他の生物を取り込む前に飢餓で死んでしまったのでしょうか?」
「この坑道にはゴーレムやエレメントの他にもバットやジャイアントスネイルといったモンスターはいたみたいですがそれらが出てこないとなるとその可能性はありますね。」
「てことはもうヴェノムはもう退治しなくても安全ということですか?」
「ここまで進んできてモンスターもヴェノムも出てこないなんておかしいですね。」
「いや、坑道の奥からヴェノムのマナを感じる。
どうやら生き残っている個体もいるみたいだよ。」
「奥から?」
「………ずっとその場を動かない。
何しているんだ?」
「とにかく行ってみましょう。
そこに鉱石もあるようです。」
ネイサム坑道中間
「灯りがなくなってきたね。
ほとんど真っ暗だ。」
「気を付けてください。
道が凸凹しているので躓きやすいですよ。」
「ダンジョン用にランタンを持ってきましたが照らせる範囲が限られてます。
離れずに行きましょう。」
ザッザッザッ
コツッ
ザッザッザッ
カサッ
「……」
「……」
「……何かに後をつけられてますね。」
「ヴェノム……だったら襲ってくるよね。」
「モンスターではないでしょうか?」
「ここまで一本道で進んできました。
隠れられるような所もなかったのでこの坑道のモンスターでは無さそうです。」
「こういう場所だと音が響くから近くに何か来ても音で分かるね。」
「油断せず慎重に進みましょう。
モンスターがよってくるのは分かっても見通しが悪いので何が起こるか分かりません。
今のところは襲ってくる気配はありませんが近くにいることは確かです。」
「確かめに行こうか?」
「今は進みましょう。
引き返した時に遭遇しますから。」
ネイサム坑道最深部
「ここは……建物?」
「遺跡のようですね。」
「さっき話した王朝がここなんでしょう。
大陸の中央地ですしここにあってもおかしくはないです。」
「ボロボロだねぇ。」
「長い年月でここまで原型を保てているのならまだいい方でしょう。」
「ヴェノムはいませんでしたがここに鉱石はありそうですね。」
「……」
「大きな都市だったのでしょうか?
土に埋まって全体は分かりませんがこの造りはお城の門ですよね。」
「そうですね。
この中央に建っている像もオブジェのようですし。」
「タレス!アローネ!
そこを離れて!」
「はい?」ゴゴゴ
ゴゴゴゴゴ!
「像が!?」
「これは!?」
「どうやらこれがゴーレムってやつみたいだね。
しかも………ヴェノムに感染した。」