テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 麓 翌日 残り期日八十六日
アローネ「………ではフェニックスを探しに行きましょう。」
タレス「はい、
今日中にフェニックスを見つけ出して………、
倒します。」
ウインドラ「適当に見晴らしが良くて戦闘ができそうな場所を見付けたらそこで俺がライトニングを放つ。
そしたら向こうからやって来るだろう。」
ミシガン「…出来れば簡単に終わるような相手だったらいいなぁ………。
またカイメラみたいに凄く強いのが来ませんように………。」
カオス「………」
アローネ「………どうかなさいましたかカオス?」
カオス「……俺達は………フェニックスを倒しにここまで来たんだよね………。」
ウインドラ「今更何を言ってるんだ。
当然だろ。」
カオス「………うんそうだよね………。」
アローネとウインドラの返答に頷くカオスであったがその顔からは今回のフェニックス討伐に集中しきれない様子が見られる。何か思い悩んでいるように思える他の四人だったが、
タレス「何か気になることでもあるんですか………?」
ミシガン「カオスも今度のフェニックスがどのくらい強いのか心配なんでしょ?
またカイメラみたいなのが出てきたらって思うと恐いもんね………。」
カオスの様子を見てタレスとミシガンがカオスが浮かない顔をしているのはフェニックスの強さを気にしてのことなのだと捉えるが、
カオス「あっ、うんそれも気になるんだけど………。」
ウインドラ「他に何かあるのか?」
カオス「………………ここまで来て言うのもあれなんどけどさ………、
………本当にフェニックスを倒しちゃっていいのかなって………。」
アローネ「………ナトル族長からは許可は出ていましたよね………。」
ウインドラ「不安に苅られるのも分かる。
今回のフェニックスの件はまだ相手がどういった存在なのか十分に情報を集めきれていない。
他の生物を襲わないヴェノムの主で全身が火に包まれた鳥のような生物………。
他の主のように被害といった被害が出ていないからどの程度の力を持っているのかも分からずじまいだしな。
カイメラが使っていたような毒撃を放つことが出来るという点から攻撃面においては注意すべき相手だとは思うが「そうじゃないんだ。」………。」
カオス「………そうじゃないんだ。
俺が躊躇っているのはカイメラが強いだとかどんな能力を持っているかとかじゃなくてさ………。
フェニックスが………、
フェニックスが本当に危険な敵なのか………。フェニックスが本当に倒さなきゃいけない相手なのかってことだよ………。」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「………」
カオス「話を聞く限りじゃフェニックスって自分達から近付かなければ攻撃してこないんだろ?
それってフェニックスが普通に正当防衛………自分の身を守るために仕方なく攻撃しているだけに思えるんだ。
………それって普通のことじゃないか?
モンスターだって………どんな生き物だって自分が襲われれば反撃はするだろ?
今度のフェニックスはそれと同じだよ。
フェニックスのテリトリーに入らなければ誰も傷付かない………。
フェニックスに会いに行きさえしなければ誰も殺されたりしないんだ。
そんな相手のところにわざわざ出向いて行って倒しにいくなんて………なんかフェニックスが可哀想に思えてきて………。」
ウインドラ「しかし相手はヴェノムに感染した個体なんだぞ?
今は目立った被害は無いようだが過去にフェニックスの犠牲者になったという者がフリンク族に一人だけいたらしいじゃないか。
あのフラット殿の話はどうにも要領を得ない話だったがあれは俺達をフェニックスに近付けさせないようにするための嘘が混じっていた。
………となれば俺達のような存在が現れるまでに報告されていた犠牲者が一人いたという話だけは事実だろう。
フェニックスは過去に一人だけ人を殺しているんだ。
最近では人を襲うようなことはないらしいがそれがいつ人を襲い出すようなことになるか俺達では分からない。
ヴェノム自体が危険な存在なんだ。
一匹でも放っておいたらどこで繁殖してしまうかどうか………。」
カオス「だけど!」「カオス!」
ウインドラ「………どうしたんだカオス………。
カイメラとの戦いの辺りから変に敵に気を使うようになってるじゃないか………。
魔術を使えるようにはなったみたいだが今度は相手の命を思うようになってしまっているぞ?
何があったんだ………?」
カオス「俺は………、
………俺は自分から襲ってくるような危険な相手だったなら戦えるよ………。
けど今回のフェニックスは誰も襲わないような相手をわざわざ襲いに行くのがどうにも気が引けて………。
………魔術を使えるようになって思ったんだよ。
俺の使っている力は簡単にモンスターだろうがヴェノムだろうが………人だろうが殺せる力なんだ。
それぐらい俺の………精霊の力は強力でとても怖い力だ………。
だけどどんな強い力でもそれを扱う誰かが自分の力を理解して使いこなしていれば無理に他の誰かを傷付けずに済むだろ?
フェニックスは………ヴェノムの主だけど他の主達のようにウイルスを蒔いたりしない………、積極的に誰かを殺したりしないんだ。
それはバルツィエであるダインもそうだった。
使う人がそれをどう使うかによっては危険にもなるし危険にもならないこともある………。
………フェニックスはそれを理解しているのかも………。」
アローネ「………」
カオス「………今度フェニックスと会った時………少し試させてほしいことがあるんだ………。
フェニックスと会ったら………、
カイメラの時のように一度俺がレイズデットをかけてみる。
そうしたらフェニックスは上手くいけばヴェノムの主じゃなくなってただのフェニックスになるかもしれない………。
そうなればフェニックスを倒さずに済むと思うんだ………。」
タレス「どうしてフェニックスにそこまで………?」
カオス「………なんかフェニックスが………、
ミストにいた頃の俺と似ている気がするんだ………。
フェニックスにそのつもりがあるのか分からないけどもフェニックスはあのフリンクの人達のことをヴェノムやブルカーンから守ってる………。
そんなフェニックスをただ行って倒すだけなんてできないよ………。」
タレス「……カオスさんはフェニックスに共感してるんでしょうか………?」
ウインドラ「フェニックスが人だったらそのまんまミストにいた時のカオスがやっていたことと同じだしな。」
ミシガン「それでフェニックスとはあんまり戦いたくなさそうなんだね………。
私と違って怖がってるだけなのかと思ったよ………。」
アローネ「まぁ、カオスの思うようにさせてあげましょうか。
試してみる価値は大いにあると思いますしそれにそれでフェニックスが無害化されるのでしたら何も倒すこともありませんしね。」
タレス「………だといいですけどね。」