テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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真の絶望を味わいし者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世の中には数多くの色んな不幸が溢れている。

 

 

 その中でも自分が味わってきた不幸はその不幸の数々の中でも特別不幸なものだと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 別に自分が一番世界で不幸だなんて思ってはいない。

 

 

 自分よりも不幸な目にあった人なんて世界には山ほど存在しているだろう。

 

 

 だが物心付いた辺りからの人生の半分以上を不幸で満たされてきた自分は不幸を味わってきた時間の長さだけなら誰よりも不幸と付き合いが長いのだろうと自分の中で自信があった。

 

 

 極端な話他人の不幸は聞いている分にはほんの一瞬の話だ。

 

 

 不幸には様々な種類があってそのどれもが一時の不幸や自分には届かない程度の期間の長いとも短いとも言えないような不幸といったものばかり………。

 

 

 

 

 皆心の中では誰もが思っている。

 

 

 自分こそが世界で一番不幸なんだ、と。

 

 

 こんなに不幸な目に会うのなら死んだ方がマシだ、と死を選ぶ人だっているのだろう。

 

 

 仮に不幸な目にあって自ら死を選んだ人がいたとしたらその人の不幸はそこでストップする。

 

 

 それ以上その人は不幸を味わわずに済むのならある意味ではそれは幸せなことではなかろうか?

 

 

 ………故に今を生きている自分はこれからも今の不幸を自分の世界が続く限り更新し続けるだろう。

 

 

 誰よりも自分が不幸だと錯覚しながら………、

 

 

 誰よりも自分が悲劇の主人公と思い込みながら……、

 

 

 自分以上の不幸を経験する者などこの世にはいないのだと自惚れながら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世の中には………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 探せば見つかるものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我こそが世界でもっとも不運に見舞われたのだと思いきやそんなことは無かったのだと自らの不運を見つめ直すような不運な目にあっていた者が………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自らの不幸がその者の不幸に比べ不幸でも何でもなかったと思う程に悲惨で凄惨な人生を歩んだいた者との出逢いが………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………彼女の人生は不幸という言葉だけでは表現が足りない程に悲運で絶望色に染まった人生だった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………そう、絶望………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女の人生には常にほの暗い絶望しかなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何もかもが嫌になって自らその命を絶とうにも彼女にはその逃げ道すら封じられていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女は生まれた瞬間からこの世界が地獄だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この世に生を受けたことを呪って生きてきた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リスベルン山 中腹 残り期日八十六日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウインドラ「この辺りでいいだろう。

 この辺りならフェニックスが来たとしても動きにくくなることは無さそうだ。

 ここでライトニングを打ち上げることにしよう。」

 

 

アローネ「分かりました。

 ではフェニックスがやって来たとして作戦はいかが致しましょうか?」

 

 

タレス「幸いなことにフェニックスは炎で包まれていると言うのであれば火の系統のモンスターです。

 ボク達の中に火が苦手な人はいないので即戦闘不能に陥ることはないでしょう。

 普通に戦うだけでいいと思います。」

 

 

ミシガン「火なら氷………のレイディーはいないけど水の私がいればなんとかなるよね?」

 

 

ウインドラ「ふむ………確かに水を使えるミシガンがいれば多少は相手の火が通りにくくなるとは思うが………、

 一応お前達は火傷防止のために全身を水で濡らしておいた方がいいかもな。」

 

 

アローネ「そうですね……。

 それだけでもフェニックスからの攻撃を半減させる効果が見込めます。

 ミシガンお願いしま「ちょっと待って」」

 

 

 

 

 

 

カオス「皆気が早いよ。

 俺達たった今ここまで登ってきたばかりじゃないか。

 それなのになったそんなすぐに強そうな相手と戦えるだけの体力残ってるの?」

 

 

ウインドラ「む………?

 そうだな………ここに来るまで戦闘という戦闘が無かったからいきなりフェニックスと戦うことだけしか考えてなかったな。」

 

 

カオス「フェニックスはこの山のどこかにいるみたいだしライトニングで誘き出せばいつでも戦えるわけだろ?

 フェニックスは飛んでくると思うしさ。

 だったら万全な体勢で挑むためにも少し休憩してからにしようよ。」

 

 

ミシガン「言われてみればなんか足が疲れちゃったなぁ………。

 こんな状態で戦闘になったら私上手く立ち回りにくいかも………。」

 

 

タレス「ではカオスさんの言う通り時間を空けてからウインドラさんにフェニックスを呼び出してもらうことにしますか。」

 

 

アローネ「少々気が早かったようですね。

 休息も大事な戦略です。

 それでは一度一休みしてからフェニックスに挑むことにしましょう。」

 

 

 カオスの一言で一行はしばし休憩の時間をとることにした。彼等は山登りは初めてではないがそれでも疲労は発生する。これから戦うであろう敵はフェニックスという不死という点を強調するような相手だ。長丁場になることは窺える。そんな相手に挑むのに先に疲労で足をとられて敵の攻撃をかわしきれず窮地に追い込まれるのも予測できるだろう。先ずは疲労を回復するのが戦術の一手と言えるだろう。

 

 

カオス「……よし、じゃあ皆はここで休んでて。

 俺はちょっと辺りにモンスターがいないか警戒してくるよ。」

 

 

ウインドラ「おいおい、言い出しっぺのお前が何で休まないんだ?」

 

 

カオス「俺は………まだまだ体力が残ってるんだ。

 だから安全確保のためにも少しそこら辺を見てくるよ。」

 

 

アローネ「でしたら私も同行しましょうか?

 カオス一人にそんな仕事を押し付けるわけには………。」

 

 

カオス「大丈夫さ。

 少し見回ってくるだけだしそんなに離れたところには行かないから。」

 

 

 カオスはアローネの申し出を断って一人で見回りに行く。一瞬カオスの顔が陰って見えたのは見間違えではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウインドラ「………やはり乗り気ではないようだな………。

 モンスターと言えどもフェニックスの話はどことなくカオスがミストでしてきたことと似ているから………。」

 

 

タレス「あんな調子でカオスさんはフェニックスと戦えるのでしょうか………?」

 

 

アローネ「カオスなら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスなら問題ないと思いますよ………。

 何せカオスなのですから………。」

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