テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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二度目のあの少女は…

リスベルン山 中腹 残り期日八十六日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………もう………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フェニックスとの戦いが始まるんだな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聞いた話ではフェニックスはそんなに狂暴そうではない。それどころかフリンク族の人達をブルカーン族から守っているくらいだ。それなのに俺達はフェニックスを討たねばならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………討ちたくないな………。俺が今まで倒してきたのは積極的に誰かが困るようなことをするような危ないモンスター達ばかりだというのに今度のフェニックスは余計なことをしない限りは比較的無害な相手だ………。それもヴェノムだ。

 

 

 昔はヴェノムは一度感染して理性を失ったら後はもう倒さなくちゃいけないものだと思っていた。一度ヴェノムに感染してからは他の生物を襲ってウイルスを拡げていく。そうなったらもうミストの時みたいなことになる。そうならないようにヴェノムに感染した個体は感染する前の生物と完全に別物と思い視界に入るヴェノムは倒してきた。ヴェノムはそうしないといけないくらい危険だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………だけど………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回のヴェノム………フェニックスはどうだ?フェニックスはどうも近付いたりしなければ犠牲になる人なんて現れない。それどころかヴェノムだというのに逆にフェニックスの存在がフリンク族の人達をブルカーンから守っている。フェニックスがいるからこそフリンク族の街はあんなに活気に溢れた豊かな街に育った。その平和による弊害も出ているようだがそれはフェニックスではなくフリンク族の問題だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 存在しているだけで人を守るヴェノムか………。そんなヴェノムとは会ったことが無かった………。ヴェノムだというなら理性なんて無いはずだがフェニックスは何を考えてここに住み始めたのだろう………?フェニックスはどうしてこんなフリンク族とブルカーン族を引き離すような場所に住み着いたんだろう………?分からないことだらけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本当にフェニックスを倒してしまっていいのか?過去に犠牲者が一人出たという話はあったがそれでもフェニックスの貢献はそんな話を無かったことにするくらい大きい筈。他の部族のアイネフーレ、スラート、ミーア、クリティア、カルト、ブロウンはヴェノムウイルスによって人口が大分減らされたりあるいは全滅一歩手前まで追い込まれた。それに比べてフリンク族達はたった一人の犠牲者を払ってからは特に犠牲も無くむしろ街の守り神と崇めたてまつってもいいくらいにはフェニックスはこの地方の人々を他の災厄から救っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………まるで昔のミストの殺生石と同じように………。殺生石も触りさえしなければ誰も死なずに済んでいたんだ。だからミストでは危険な石だったとしても殺生石を中心にして村を作ってそこに住んでいた。最後はそんな危険な石だったとしてもまた殺生石の力が戻るように皆が色々と方法を模索していた。結局力は戻ることは無かったが………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フェニックスは視野を広くして見れば昔の俺と同じなんじゃないか?俺はウイルスを撒くようなことは無かったがそれでも力を奪った責任を感じてミストの村の中に入れずとも村の周りに現れるヴェノムを狩りに狩っていた。陰ながらミストを守るために………。フェニックスはそんな俺と同じ考えなのかは分からないがやっていることは同じように感じる。

 

 

 フェニックスは本当は理性があるんじゃないか?理性があるからこうしてこの場所からフリンクの地方を部族間の境界地点でフリンク族が誰もブルカーンの犠牲にならないように………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………都合のいいように解釈するのは間違ってるかな………。フェニックスが俺と似たようなことをしてるからどうにもフェニックスのことを悪くは言えな「………はぁ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「………死にたい………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「!………あの子は………。」

 

 

 考え事をしながら歩いていたらすぐ近くから声がした。

 

 

 そこにいたのはフリューゲルを訪れた初日の夜に出会ったあの少女だった。少女はカオスとは反対の方向を向きながら崖になった場所に座って足を下ろしている。ここで驚かせでもしたらそのまま崖から落っこちていきそうで危なそうである。しかし何故フリンク族(?)の彼女がこんな場所に………?家出にしても街からここまでは大分遠いうえに一人でこのようなフェニックスの出没する場所にいたのではフェニックスに襲われたとしても文句は言えない。

 

 

 そういえばフェニックスの話に流されてフラットとナトルに少女のことを聞きそびれた。あのような住民同士で言い争いが繰り広げられる街ならこの少女のように見るからに虐待を受けていそうな人も少なからずいるのだろう。そうした人がこの辺りには多いのかもしれない。

 

 

 が、ここで出会ってしまったからにはこの少女がこの後のフェニックスとの戦いで被害を受けかねない。ここはこの少女を一度保護して安全な場所まで送り届けてからフェニックスに挑むことに「メェェェ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マウンテンホーンズ「メェェェ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「!?カイメラ…!?

 どうしてこんなところに……!?」

 

 

 カオスが出会った謎の少女に続いて今度はカイメラまでもがその場に現れた。フリンク族の地方に向けてブロウン族の集落トロークンを出発してから途中まではカイメラも一緒だった。だがカイメラはそれから少し経ってカオス達と離れて一匹でフリンク族の地方に駆け抜けていった。なのでこの地方にカイメラがいたとしてもおかしくはないがどうしてこの場所にカイメラが………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マウンテンホーンズ「メェェ……」

 

 

???「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スリスリ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

 座っている少女にカイメラが頭を擦り付ける。その様子からカイメラが少女になついていることが分かるがカイメラが元ヴェノムの主だったことを思い出してその光景になんとも言えない気持ちになる。今は危険から程遠い姿をしているがほんの二週間前まではカイメラはブロウン族のハンターにヴェノムの王と言わせるまでに強い力を秘めた異形の姿をしていた。それが今はただのそこらにいるモンスターの力にも及ばない草食動物へと変わり果ていた。あのままカイメラと少女を放置していてもよいのだろうか………?実はなついているとかではなく少女を崖から突き落とそうとしているどけなのでは………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「………()()()()()()………。

 ………()()()はどうしたらいいと思う………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()………?」

 

 

マウンテンホーンズ「メェ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………やはり家出娘のようだ。父親と喧嘩でもして飛び出てきたのだろう。………だが気になる名前が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「…カーヤ………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガサッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「!!?」ビクッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「しまっ……!?」

 

 

 ついカーヤという名前に反応して聞き耳を立てる素振りをしてしまい足元にあった草につんのめって音を立ててしまった。その音を聞いて少女がカオスを振り返る。気付かれてしまったようだ。………と言っても元々話しかけようと思っていたのだが………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「…やっ、やぁ………また会ったね。」

 

 

 

 

 

 

???「………!」

 

 

マウンテンホーンズ「メェッ!!」

 

 

 カイメラがカオスを威嚇する。つい先日まではお互い敵同士であったのだ。カオスを威嚇するのも分かる。

 

 

 しかし少女の方はカオスを見た途端に驚愕と恐怖が入り交じったような表情を浮かべて後ずさる。当然彼女の後ろには崖しかないのでそれ以上後ろに下がることはできないのだが………、

 

 

カオス「ちょっ、ちょっと待って!俺は別に君に危害を加えるつもりは無いんだ!

 この山にちょっと用事があって登ってきたんだけどそしたら君を見掛けたから………!」

 

 

 とにかく彼女に自分が危険な存在ではないことを伝えてはみるがそれを素直に受け取ってくれたかは微妙なところだった。とりあえずは彼女が崖から滑り落ちないように説得しようと試みるが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「………カーヤに………」

 

 

カオス「……ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「カーヤに近寄らないでッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女はカオスに叫ぶのと同時にバックステップで崖から飛び降りた。

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