テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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身軽な飛び降り

リスベルン山 中腹 残り期日八十六日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女が視界から一瞬にして消えた。彼女はまるで地面に吸い込まれるかのようにカオスの視界からフェードアウトした。

 

 

 しかし彼女が消えた辺りの場所はカオスの位置からでも崖になっていることが分かる。そんな場所で少女が消えたとなればどこに行ったかは一つしか無くて………、

 

 

 理解出来ない行動も直ぐに理解してしまい………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「きっ、君ッ!!?

 どうして……!?」

 

 

 カオスは直ぐ様少女が飛び降りた崖に走り崖から下を覗きこむ。もしかしたら足を滑らせて後ろに落ちてしまっただけかもしれない。先程はカオスを見て怯えていたようにも思える。だったら今の飛び降りは事故だったのでは?もしそうなら崖のどこかで引っ掛かってるのではないか?色々と頭の中に過るが先ずは彼女が無事か確認しないと……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と思ったカオスだったが………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザッ!ザザザザザザザッ!!スタンッ!!タタタタッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「……!」

 

 

 飛び降りた少女は崖下の木々の葉々をクッションにし無事地面に到達した。そして森の中へと駆け出して行ってそのまま見えなくなった。あの少女の身のこなしから相当な身体能力を秘めていることが分かった。フリンク族はそういった能力が高いと聞いていたので彼女は誤って落ちたのではなくやはり自分から飛び降りたのだろう。カオスから逃げるために………、

 

 

カオス「(……フリンク族はやっぱり余所者に対して壁があるな………。

 街でもここでもフリンク族が俺達を避けているのは間違いないけど………。)」

 

 

 今しがたカオスから逃げていった彼女のことが気になる。彼女は飛び降りる寸前カーヤに近寄るなと発言した。

 

 

 カーヤ………話ではフリンク族が世話をしていたホークのことだったはずだがそれがフェニックスに変異してこの山にいる。しかしこの場にはカオスと今いなくなった少女と、

 

 

マウンテンホーンズ「メェェェッ!!」

 

 

ガスッ!

 

 

カオス「痛い………。」

 

 

 カイメラの二人と一匹しかいなかった………。それなのにカーヤに近寄るなとはどういうことなのか………?この山に来たということはフェニックスに会いに来たのだと察してあのように言ったのか………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………?

 カオスどうなさったのですか?

 崖下など覗きこんで………?」

 

 

カオス「…!アローネ!」

 

 

アローネ「危ないですよ?

 そのような場所にいると落ちてしまいますよ。

 もし滑って落下してしまえばいくらカオスでも怪我は免れませんよ。」

 

 

カオス「………」

 

 

 たった今人が一人落下していたのだが当人は特に怪我もなく走り去っていったところだ。それを説明しても変に思われないだろうか………?

 

 

アローネ「………それでそこにいるのは………カイメラではありませんか?」

 

 

カオス「ん…?あぁ多分カイメラだよ。

 偶然この山に来ていたみたいで今会ったばかりなんだ。」

 

 

アローネ「何故カイメラがこの山に………?

 ここにはフェニックスがいる筈ですからそれを狙ってまたあの姿に変身しようと………?」

 

 

 アローネはカイメラがここに来た目的はトロークンの時のようにまたあのヴェノムの化け物に変身しようとしているのではないかと危ぶむ。

 

 

 だがカオスにはもうそれが不可能だということは分かっている。カオス自らカイメラのヴェノムウイルスは除去し今後カイメラがあの姿に戻るようなことはない。

 

 

カオス「その心配はないよ。

 カイメラは………ここに人に会いに来ていただけみたいなんだ。」

 

 

アローネ「カイメラが人に………?」

 

 

カオス「この前話していた女の子がさっきまでここにいたんだ。

 カイメラはその子に会うためにここまで来たんだよ。」

 

 

アローネ「!

 カオスが話していた女の子もここへいらっしゃったのですか?」

 

 

カオス「うん、

 けど俺を見た途端にどこかへ行っちゃったけどね。」

 

 

 ここで少女が崖を飛び降りていったなどと行っても混乱させるだけだろう。カオスですら何故少女が崖を飛び降りてまで逃げたのか分からないのだから。

 

 

アローネ「……そうですか………。

 しかしその少女がこの辺りにおられるとなりますとフェニックスとの戦闘に巻き込まれる危険がありますね………。

 戦闘になれば私達はともかくフェニックスが暴れだしたら同じ人であるその少女が被弾してしまうのでは………。」

 

 

カオス「それもあるかもね………。

 このことはウインドラ達にも話しておこうか。

 フェニックスと戦う前にその()()()()()()女の子に危ないからこの山から離れるように伝えて離れててもらわないと。」

 

 

アローネ「家出している………?」

 

 

カオス「女の子が言ってたんだよ。

 一人言………カイメラに話しかけてたみたいだけどなんかいつになったらお父さんが迎えに来るのかな、って。」

 

 

アローネ「お父さん………お父上と喧嘩してこの山に家出………ということでしょうか?

 それにしては少々危険な場所に足をお運びしたようですが………。」

 

 

カオス「そうだよね………。

 フリンク族の人達の話ではフェニックスはそんなに危ないモンスターじゃないみたいけどそれでもこの山に近寄らないようにナトルさんも子供達に注意してたくらいだし………。」

 

 

アローネ「フェニックスの問題が終わりましたら一度フリューゲルに戻ってナトル族長にお話した方がよさそうですね。

 この山にフリンク族のどなたかの御子様が家出なさっていると。」

 

 

カオス「そうしようか。

 家族の問題なら俺達がどうこう出来るような話じゃないしね。

 

 

 きっとあの子のお父さんも大事な娘が帰ってこなくて困ってるだろうし。」

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