テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
………フェニックスはオサムロウの話では
何故最弱という話が出回ったのかというと他のヴェノムの主のように各部族それぞれがヴェノムの主によって甚大な犠牲者を出している中フェニックスだけがそれほど多く犠牲者を出していない。フリンク族がのうのうと外を出歩ける程この地方だけはヴェノムによる被害が少なく住人達も他の地の人々のようにヴェノムを恐れてはいなさそうだった。
最弱………つまり一番弱いということだ。ヴェノムの主最弱のフェニックス、人を自分から襲うことがないヴェノムの主。後に分かることなのだが不死鳥と言ってもカオス達五人の誰かの攻撃が真芯に当たりさえすれば容易にフェニックスは倒せるぐらいにフェニックスは守りの面でも他のヴェノムの主に劣るような相手だった。
………当たりさえすれば………
リスベルン山 中腹 残り期日八十六日
カオス「俺が注意を引き付ける!!
その隙に皆は魔術でフェニックスを攻撃してくれ!」
アローネ・タレス「はい!」ミシガン「任せて!」ウインドラ「頼んだ!」
作戦としては魔術抵抗が高いフェニックスは詠唱無しの魔術ではダメージを与えることができない。ならば攻撃するとしたら詠唱込みの魔術で迎撃するのが正解だろう。しかし詠唱中はほぼ無防備だ。攻撃を食らえばそれだけで詠唱も中断されダメージも負ってしまう。なのでフェニックスを何かに引き付けておく必要がある。カオスは毒撃以外の属性攻撃なら完全に無効化できるので他の四人が攻撃に回りその間はカオスがフェニックスと対峙するという流れだ。カオスの考えを直ぐ様理解し四人はフェニックスから少し距離をとりフェニックスを狙い撃ち出来る位置にまで移動した。
カオス「こっちだ!!」
空を飛行するフェニックスにカオスが呼び掛け自分だけに集中するよう注意を向けさせようとする。
フェニックス「ボオオオオオオオオオッ!!!」
フェニックスもカオスの呼び声に反応しカオスに向かって炎を吐き出してくる。
それを、
カオス「効かないよ!!」
カオスは真正面から炎を受け止めそれを斬り払う。
フェニックス「……!?」
攻撃が効かなったことにフェニックスの動きが一瞬止まる。その隙に後方でアローネ達が、
アローネ「『疾風よ!!我が手となりて敵を切り裂け!!』」タレス「『地に伏す愚かな贄を喰らいつくせ!』」ミシガン「『蒼溟たる波涛よ、旋渦となりて、厄を飲み込め!』」ウインドラ「『天光満つるところに我はあり、黄泉の門開くところに汝あり、出でよ神の雷!!』」
フェニックスに妨害されることなく詠唱を完成させる。
そして、
アローネ「『ウインドカッター!!追撃の二十連撃!!』」タレス「『グランドダッシャー!!』」ミシガン「『タイダルウェイブ!!』」ウインドラ「『インディグネイション!!』」
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオッ!!!!ブワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!ピシピシピシッ………!!!ゴオオオオオオオオンッ!!!!
四人の怒濤の大技がフェニックスに迫る。これならフェニックスも躱しきれずにダメージを与えられ、
ファアアアア………!!
ボフンッ!!
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「なっ………!?」
アローネ、タレス、ミシガン、ウインドラの四人の魔術は発動した。発動してそれがフェニックスに当たる寸前フェニックスの炎が激しさを増し飛行速度が大幅に上昇した。それによりフェニックスは四人の魔術を掻い潜り一発も当たることなく作戦は失敗に終わった………。
ヴェノムが攻撃を避けた………?本能的に危険な攻撃だと判断したのだろうか?いやしかし………、
カオス「こっちの攻撃を避けるヴェノムか………、
そんなヴェノムは今まで会ったことがないな………。」
フェニックス「ゴオオオオオオオオオ!!!!」
今の一瞬の回避で分かった。このフェニックスは………、
とんでもなく
最弱という噂のヴェノムの主のはずだったがここでそれを見直す必要がある。このフェニックスは………、
ということはだ………。
アローネ「!!……一度で駄目なら当たるまで攻撃を続けるだけです!!
もう一度全員でフェニックスに攻撃を仕掛けましょう!!」
タレス「はい!!」ミシガン「分かったわ!!」ウインドラ「次こそは必ず!!」
アローネの号令でカオス以外の四人が魔術を放つ体勢に入る。再度同じ作戦でフェニックスに挑むようだった。
だが、
アローネ「『疾風よ!!我が手………』……!」ゴオオッ!!
タレス「『地に伏す愚かな……』……うわっ!?」ボオッ!!
ミシガン「『蒼溟たる波涛………』キャッ……!?」ボアッ!!
ウインドラ「『天光満つる………』………くっ!?」ボスッ!!
カオス「何ッ!?」
アローネ達がもう一度魔術の詠唱に入ろうとするとフェニックスは空からアローネ達を薙ぐように炎を吐き出す。それにより四人は詠唱を邪魔されてしまい魔術を使うことができなかった。
一度魔術を四人が使ったことによりフェニックスは四人に対しても目を配るようになった。これによって四人はこの戦闘中満足な威力を込めた魔術を封じられてしまうことになる。
カオス「……何だ………こいつ………?」
フェニックス「ボオオオオオオオオオッ!!!!」
フェニックスは確かにヴェノムのはずだ。カオスのバニッシュボルトを防ぐ際にもカイメラと同種の毒撃を使用したことがその何よりの証拠。ヴェノムであるのなら知性は無くただ目の前の獲物に向かって突撃していくのがこれまでのヴェノムの特徴だった………。
しかしこのフェニックスはこれまで確認してきたヴェノムの様子とは違い進んで獲物を狩りに行くようなヴェノムではない。他のヴェノムのように飢餓に苦しむ個体では無いのだ。その違いががあるか無いかの違いなのかこのフェニックスは………、
どことなく知性を持ち合わせているような感じがする………。
………それもホークやウルフといったモンスターのような知性でなく