テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
その後将来に板挟みで気落ちするウインドラを励まし彼の憂いを晴らしてみせた。
さてそれから、
ここ最近ウインドラが畑の手伝いに来ない日が何度かあった。多分例の警備隊の見学とかだろう。
その度にミシガンが話しかけてくるようになって僕は幸せです。こんなに幸福で良いのかしら?お空のお星さまになった、お父様お母様。僕はもうあなたたちと再開する日が近いのかもしれません。
いやいやまだ王都に行って騎士になるまでは行けないな。幸せすぎて夢を忘れかけたわ。だってミシガンちゃん可愛すぎるんだものね。清楚というかおしとやかというか…。それでいて、
「でね?そしたらウインドラが…」
恋する乙女だもの…。
「どぉしたのぉ?カオスくん?」
あれから何度か話してるうちに心を開いてくれたのか最初の吃りも少しずつ無くなっていった。アレはアレでよかったのだが…。
そういえば、ミシガンについては僕の人生において重要人物なのに大した話をしてなかったな。今更恥ずかしいけど別にいいよね。僕の大切な人さ。あとは分かるだろ?
「いや、別に何もないよ、ちょっと考え事してただけだよ。大丈夫だからね。」
大切な人と言ったな!アレは願望だ!このままだと彼女とは全く浮いた話もなく終わりそうだよ。父さん母さんアンタ達のとこへはまだまだ行けそうにないよ!後100年くらいかな?短いぜ。
「そう、ならいいけど…。」
しかしすっかりなつかれたなぁ。おかげで僕の方も楽に話せるようになったよ。こうなれるんだったらもう少し早くに話しかけられとくんだったよ。
無理か。ミシガンから用事がないとね。こうしてお昼の空いた時間で話すことが出来るのもウインドラと繋がりがあってのことだし。
「もぉ~、また上の空!ちゃんと聞いてるのカオスくん!!」
「あぁっと!!ゴメンゴメン、ちゃんと聞いてるよミシガンちゃん!怒らないで下さい!」
いかんな、年下の美幼女に完全にお熱のようだ!相手は幼女だぞ?僕も幼児なら大丈夫かな。それでいこう採用で!
「分かってるよウインドラが最近忙しくてなかなか遊べないってことでしょ?」
「そうなの~、お野菜や木の実のシューカクとケービタイのお仕事で夕方からヒマな筈なのになかなかお家に帰ってこないから遊ぶ時間が全然ないの!」
あぁ、その時間帯は僕と一緒におじいちゃんと稽古つけてもらってるから、そりゃぁ、遊べないわな。ハハッ、ゴメンねミシガン。
…………おっと、そんなどうでも良いことよりも今聞き捨てならないことを言わなかったか?
「え?お家に帰ってこない?どういうこと!?2人は一緒に住んでるの?もう許嫁の話って婚約が結婚して離婚に遺恨なの!?」
慌てて喋ったせいで自分でも何言ってるのか分からなくなってきた。後半だったら嬉しいな。
「んとね~、お父様がラコースおじ様とお友達だからぁ、たまぁ~に泊に行ったり来たりしてる~。」
ハァハァ、相変わらずの舌足らずな喋り口調に思わずまたドキッとさせられる。全く幼女は最高だぜ!これだから幼女は辞められない!
そっかぁ~、嬉しいなような哀しいような気分になるなぁ。割と順調なんですねウインドラさん野郎。
そんな和やかな空気でミシガンとお話してると
「おい、死に損ない!なにヘラヘラしてんだよ!」
お邪魔虫さんがお邪魔しに来た。ザックだ。今日は1人か。
「今ミシガンちゃんと大事な話してて忙しいんだよ。あっち行っててくれる?」
「おめぇ、女子なんかと話しててかっこわりぃw友達いないもんなぁ!」
何だよまたつまらない絡みかよ。お昼休憩は有限なんだ、後にしてくれる?ミシガンちゃんも人見知りモードじゃないか、恐がらせんなよ。
「うんそうなんだぁー。分かったよー。ミシガンちゃんあっちで食べよっか!」
「う…うん。」ボソッ
そういって僕達はザックをその場に残してお弁当を持って去ろうしたが、
「待ッ、待てよ話の途中だろ!?逃げんなよ!」
まわりこまれてしまった。その話の先って本当に言う必要性あるの?
「忙しいって言ってるだろ?友達じゃないっていうなら話しかけんなよ。」
これ以上ミシガンとの限られたお食事の時間を阻害するといい加減僕も怒るぞ?
「負け犬が偉そうに女の前だからってかっこつけんじゃねぇぞ!?」
「この間は結局僕1人に5人だったじゃないか!フェアに戦えよ!それも遠くからストーンブラストとか痛かったぞこんチクショー!!」
「そんなの魔術を使えねぇお前が悪いんだろーがぁ!それで騎士騎士言ってるからバカにされんだぞ!?」
「騎士目指すのが悪いかぁ!お前にゃ関係ねーだろォ!!」
「ヒッ!」
おっとマズイな、白熱し過ぎて後ろのミシガンが怯えてる。抑えなければ…。
「……」
「……」
ん?ザックも黙ってしまったぞ?どうした?
「とっ、とにかくミシガンはこんなムノーよりも俺…俺たちと一緒にいた方がいいんだよ!」
「はぁあ!!?」
何だよその暴論は!いきなりの無根拠な発言に大きな声が出てしまった。
「コッ、コイツと一緒にいると変なやつって思われるからお、おう、俺と飯食わねぇか?ミシ、ミシガン……。」
おい……おいおいおいおいおいおいおいオオォイィィッ!!!友達少ないって言ってんだろ!?これ以上孤立させんなや?だいたい何だよその吃り具合はミシガンの真似してんなら全然可愛くねぇぞ!?
「あっ、おっ俺ザックって言うんだ……よろしくぅ……。」
「……そっそう。」キョドキョド
しかもちゃっかり自己紹介までしやがってぇ!!さっきまで女子のことや僕のことをさんざん悪く言ってたのに!一体何が狙いなんだ!その殊勝な態度はどこから出てくるんだ!?
「恐がってるだろ!?アッチ行ってろって!」
「うるせぇ!、お前みたいな魔力障害者こそ消えろ!」
「何だとォッ!!?」
「やんのかァッ!!」
僕はお弁当をおいて仕事用の鍬を構える。
「いい加減お前の嫌がらせにはうんざりなんだ!ケリをつけてやる!」
「ムノーのくせになれるわけねぇことほざくお前の方が目障りなんだよ!!ファイヤーボーッ「騒がしいぞッ!ガキどもぉッ!!畑で火ぃつけんなぁっ!!火遊びするんなら他所でやりやがれぇっ!!!アクアエッジィィィッッッ!!」!!?」
ザックとヒートアップしてたら近くにいたおじさんに文字通り水をさされてしまいそのまま追い出された…。僕が火を出した訳じゃないのに。
「いッ、つつー!、派手に転ばされて痛いんだけど!お前のせいで!」
「ふざけんなよ!おめぇが粋がるからからだろうが!!」
畑仕事を追い出されてから前にザックたちにやられたときに来た村の河原に来ている。水の魔術を浴びて派手に転んだから服がまた汚れたので洗いに来たのだ。
「だぃじょぅぶぅ?」オドオド
2人で服を洗ってたら一緒に付いてきたミシガンが心配そうに聞いてくる。フワァー、なんだこのカワイイ生き物はぁ!
「ァッ、アッハハハハ!!大丈夫だよこんくらい!いつもコイツらにやられてるから平気さ!」
「ソレ大丈夫なのぉ?」
そういって首を傾げるミシガンの愛らしさには先ほどうけた擦り傷の痛みすら癒してしまうほどのものがあった。
「でもいちおー……ハーストエード!」パァッ
そういってミシガンは僕に治療魔術を掛けてくれる。擦り傷がみるみるうちに治っていく。あぁー効くなぁ~この感じいいねぇ!疲れ果てた身体中が暖まって気持ちぃ~なぁ~。このまま眠りそうだよ。
魔術効果がきれて目を空けるとミシガンが僕に手を向けながら一生懸命力んでいる。まだかけようとしてくれているのかな。
「んんん……!」フルフル
「………」ボトホトッ
「おい、鼻血出てんぞ。」
「え!?」
「なっなに!?もしかしてハーストエード失敗?」アセアセ
「ぁ、んにゃっ!そんなことはないよ!ちゃんと効いてた効いてたから!」
おっと、あんまり可愛い仕草してたからついつい…。それにしてもハーストエードかぁ、相変わらず発音がちょっとへ……個性的だよなぁ。正しくはファーストエイドだった筈だが。けど傷も治せてたし僕の鼻にもダメージ与えてたからちゃんと成功してたよな(意味不明)。可愛いは正義で正しいんだよ!察しろ!
「……」
ふと視線を感じて顔をあげるとザックが羨ましそうにこっちを見ていた。仲間になりたいのかな?でもさっきは友達じゃないって言ってきたしどうしよっかなぁ~。
………仕方ないなぁ、あんまりセコいこと言うのも印象悪いしなぁ。
「ミシガンちゃん、あっちのザックにもハーストエードかけてあげてくれる?」
「え?うん、えっとォ分かったぁ。」キョトン
「なッ!?おまッ!!?」
「我慢しないで受けときなよ。痛むんだろ?」
「ハーストエード!」パァッ
ザックにも治療魔術がかかり傷が癒されていく。
他人の受けているところはあまり見たことがなかったがこんな感じなんだな。気持ち良さそうだ。顔が真っ赤だし。
そして魔術が終わり再びミシガンの力み姿。最高ですね!
「んんん…!」フルフル
「……」ボトホトッ
「おい、お前も鼻血出てんぞ。」ボトホトッ
「お前こそ」ボトホトッ
「え!?また失敗!!?」
フフッ確信したぜ!どうやらコイツはお仲間のようだぞ?
「ザックまさかお前…。」ニヤニヤ
「!?」
一瞬驚いた顔をしてから真っ赤になったザックが僕の口を手で塞いでくる。
「バカッ言うな!」
「おヒッ!!ほら離せッ!」
「?」キョトン
何だよ今回はそういう訳かよ。
要するに好きな子の気を引きたくて自分を上げて僕を引き立て役にしてミシガンに絡みたかったわけね。
最近仲がいい僕とミシガンが話してるときの方が話しかけやすいもんなぁ。思春期男子め。
僕もミシガンに初めて話しかけられるまではそうだったから分かるよ。
「……いいか?余計なことは言うなよ!」
「余計なことって?」
「だからァッ!分かってんだろォッ!?お前と同じだよ!」
「ふぅーん?同じねぇ。一緒にされたくないなぁ。」
「何がだよ!お前だってミシガンのこと……!」
「わたし?」
「………ッ!!」
頭に血がのぼってたせいでミシガンを忘れていたのだろう。
危ないとこだったな。そうかっかすんなよ。
「ちょっとミシガンちゃん離れててくれるかい?ザックとこれから簡単なゲームをしようと思うんだ。」
「?また…ケンカじゃないのぉ?」
不安そうに問いかけてくるミシガン。本当可愛いなぁ、抱き締めて安心させてあげたいぜ!
「大丈夫だよ、安心して!これからやるのは、