テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 中腹 残り期日八十六日
一進一退という状況が進んだり戻ったりするという意味の言葉がある。
カオス達は今そんな状況に置かれた心境であった。
しかし一進一退とは多少なりとも状況が進むことはあるのだ。
カオス達のは状況が何一つ好転しない、言うなれば
今回のフェニックスはどうもモンスターらしからぬ動きをする。そのことがあってカオス達も簡単にはこの状況を覆すことができないでいる。何か策を考じなければいつかはフェニックスの攻撃がこちらに届いて………、
フェニックス「ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!!!!」
ミシガン「『スプラ……』キャッ………!?」ゴオオオッ!!
ミシガンが水の魔技スプラッシュを発動させようとしフェニックスに先手を打たれる。とうとうフェニックスが魔技までも妨害してきた。
カオス「大丈夫ミシガン!?」
ミシガン「あわっちち……… 大丈夫!
平気だよ!」
フェニックスの炎が掠めたミシガンであったがまだ倒れるほどのダメージは負っていない。皆魔術や魔技を妨害されはするが炎が迫る寸前で上手く躱し続けて何とか一人も脱落者を出さずに戦闘が続いている。
それもいつかはフェニックスがこちらの動きを見切って炎を当てに来たらそれこそ戦況が一方的になるのだろうが………、
ウインドラ「………狙いが定まらないな………。
あそこまで疲れ知らずに飛び回られてはこちらがじり貧していくだけだが………。」
タレス「心なしかフェニックスのスピードもどんどん速くなっていってますよ。」
アローネ「あれでは私達の攻撃がフェニックスに届きません……。
どうにかしてフェニックスの動きが止められればいいのですけど………。」
ミシガン「でもあれだけフェニックスが炎を吐き出してるのに私達
ウインドラ「その点はモンスターが故の
狙いを外してもそこから焦点を合わせることができないんだろう。
ここまで連続で炎を放っているというのに俺達に一撃も食らわせられない学習能力と命中制度の低さが奴を攻略する鍵となりそうだが………。」
カオス「………
フェニックス「ゴオオオオオオオオッ!!!」
この戦闘………どこかおかしい………。
フェニックスはグリフォンを越える飛行速度でこちらを翻弄し悉くカオス達の攻撃を回避し続ける。その間にもフェニックスはこちらに対して炎を吐き出し魔術や魔技を発動させないようにしている。こちらは五人で相手は一羽。手数が多いこちらの攻撃を防ぐの精一杯で命中制度が安定しないというのであれば納得する話だがそれでもカオスにだけは
学習能力が低いという話も何か違う気がする。フェニックスは炎が効かないと見るや毒撃の突進を決行してきた。フェニックスは何が有効な手段なのかを理解し攻撃してくる。知能は想像でしかないが人のレベルに匹敵するほどに高いはずだ。
なのにこちらに攻撃をかわされるのにも関わらずそこから攻撃を当てようとしない。追撃を加えてこない。五人同時攻撃をたった一羽で捌けるのにそこから先に踏み込んでこない。五人いるのなら一人ぐらい集中狙いすればこちら側に倒れる者がでてくるはずなのにそれがでない………。
手加減をされているのか………?何のために………?ヴェノムの癖して本当に人を殺さないというのだろうか。こいつならいつでも他の四人を仕止めることは容易なはずだ。現に五人の攻撃を同時に捌くということはこのフェニックスはこの場の五人の五倍以上の速度で攻撃することができるということ。必要に自分一人だけに炎を当ててくるのはそれが効かないと分かっているから。
攻撃を避けるのはそれを受けてしまえばダメージを受けるからだ。炎を受け止めたのはそれが効かないから。先程からフェニックスが攻撃を仕掛けてくるのはどれもこちらが何かアクションを起こした時のみでそれもこちらに対して効かない攻撃と避けられる攻撃だけを使用してくる。冷静に観察してみればアローネ達四人に吐きかける炎はどの攻撃も若干狙いが外れている。アローネ達は気付いていないようだがフェニックスの攻撃は少し下がれば回避可能な攻撃ばかり………。黒炎の突進を仕掛ける際も十分避けられる間合いだ。もし黒炎の突進を他の四人に使用したらそれだけで即戦闘不能に陥ってしまう。何故かこのフェニックス、攻撃はしてくるが致命傷を与えるような攻撃は当ててこない。一体何を考えているのだろうか………?
カオス「………少し試してみるか………。」ザッ…
そういってカオスは、
カオス「『落雷よ!!我が手となりて……!!』」
魔術の詠唱を始めた。
アローネ「!
カオス!!フェニックスが……!?」
フェニックスはカオスが詠唱を始めたのに反応してまた黒炎を纏い突進してくる。
それを………、
カオス「『…敵を撃ち払え…!!』」
ウインドラ「!?
何をしている!!
カオス避けるんだ!!」
フェニックスが迫っているというのに回避モーションをとらずに詠唱を完成させて魔術を放つ体勢をとる。それを見たウインドラが叫んで回避するよう言うが………、
ゴオオオオオオオオオ!!!!
カオス「(……大丈夫だ、俺の考え通りならこいつはここで………!)」
ゴオオオオオオオオオ!!!
クイッ!!
タレス「……えっ!?」
フェニックスはぶつかる直前で軌道を変えそのまま空へと飛んでいく。
カオス以外の四人は一瞬何が起こったのか分からなかった。魔術を撃たないカオスとカオスの横を素通りするフェニックス。両者の間で今の瞬間何があったのか。何故カオスとフェニックスは接触しなかったのか。疑問を解くべく両者の様子を交互に見てみるがそれでも分からない。フェニックスは空を舞いカオスは………、
何かを確信したような表情を浮かべるだけ。一体カオスは何をしたのか………。
カオス「………やっぱりか………。」
アローネ「カオス………?
今何が………?」
カオス「……分かったよ。
このフェニックスの目的が………。」
ウインドラ「フェニックスの目的………?」
カオス「…フェニックスは俺達始めからと戦ってなんていなかった。ずっと
ミシガン「どういうこと?」
カオス「今のフェニックスの突進で気付いたんだ。
フェニックスが何で俺だけに攻撃を当てて皆には一度も攻撃を当てられないのか………。
最初から
そうなんだろ?