テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 中腹 残り期日八十六日
フラット「それでは私が早速「御待ちください」」
アローネ「……そう直ぐに行動ならさずとも良いのではないでしょうか?
私達は先程カーヤ………フェニックスと戦闘を行ったばかりです。
私達もこれで戦闘による疲労が溜まっております。
………フラットさんの作戦また後日ということにしていただけませんか?」
フラットがカオス達に提示した作戦を実行しようとした時アローネがそれを止めに入る。
フラット「ですが………」
アローネ「現状私達はとある事情で時間に余裕があります。
フラットさんの仰る作戦はいつでも決行できますよね?
でしたら私達の体調が整ってからの方が都合が良いのではありませんか?
フェニックスも戦闘直後に呼び出されても不審に思われるかもしれませんし仮に失敗してしまいでもしたらもうその作戦は実行できなくなりますよね?
それでしたら万全を期すためにここは私達の回復を御待ちください。」
フラット「はぁ………それはごもっともな御意見で………。」
アローネ「………それにその作戦は私達にレアバードを入手させる目的での作戦なのですよね?
………でしたら、
貴方から直接フェニックスに私達にレアバードを一時的に拝借させていただくよう指示を出すことも可能なのではないでしょうか?」
フラット「………」
アローネ「貴方の仰られることが真であるならばできますよね?
私達も討伐対象とはいえそのように人を騙して処断するという方法はなんとも後味が悪いようで後々の計画に支障を来すかもしれません。
そんな方法よりも一先ずはラーゲッツをどうにかしてからの方が気が楽になります。」
フラット「何度も言うようですがカーヤは人では………。」
ウインドラ「それは貴殿方がカーヤと深い関係にあるから言えることで俺達からしてみれば話が通じるのであればまだ“人”だ。
貴殿方フリンクは私情もあってカーヤを滅したいようだが俺達が聞く限りではカーヤはモンスターのような凶暴性は感じられない。
そう焦って倒さなくても問題は無いだろう。」
フラット「何を仰いますやら………。
カーヤはヴェノムに感染した個体ですよ?
いつ精神がヴェノムに飲み込まれて人を襲い出すか分かったものではありません。」
タレス「そこは心配ないのでは?」
フラット「……どういうことでしょう?」
タレス「さっきの話でヴェノムの主の大元の発生源がいるという話でヴェノムの主は百年経ってからつい最近誕生した………。
ヴェノムの主自体はそう直ぐには誕生しないでしょう。
この地のフェニックスが発生源でないのならそこは分かっているはずです。
そのフェニックスが六年経っても精神が人のままであり続けるのならこの先暫くはまだ人のままでいられるはずです。
カイメラのように元がなんの生物だったのか分からなくなるほど他の生物を襲っている訳ではないのですから。」
フラット「ですけれどカーヤは………。」
ミシガン「百年と六年………。
百年に比べれば六年なんてすごく短い時間のように思えるけど六年も結構長い時間だと思うよ?
その六年でフェニックス、カーヤは自我が消えずに残り続けてるんでしょ?
だったらこれ以上カーヤが変異することなんてないよ。」
フラット「しかしですね………!
私達はあのカーヤを一刻も早く「フラットさん」」
カオス「………俺達は何もカーヤを無視するなんて言ってない。
貴方達がカーヤを鬱陶しく思っていることは理解しています。
だからこの件に関しては俺達に任せてもらえませんか?」
フラット「………」
カオス「一応フラットさん達はダレイオスの住人としてカーヤをどうにかしたいと思ってる。
………そういうことにしておきます。
そういう依頼で俺達にカーヤをどうこうしたいという話だったらそれについては先にラーゲッツを片付けてからゆっくりと決めたいと思います。
俺達も………いきなり色々と食い違う情報が入ってきて正直混乱しています。
なので先ずは
フラット「………でしたら三日後………。」
アローネ「三日後………?」
フラット「私とナトル族長は
いつどの辺りでどのようなモンスターやヴェノムが出現したかなどを聞き出しているのですがその折にカーヤからレアバードを回収することにしましょう。
………レアバードを回収しましたら皆様にはラーゲッツを葬っていただきます。
カーヤはその後に処理していただきましょうか。
レアバードさえ貴殿方の手に渡ってしまえばカーヤはフェニックスとしての力が激減しますしラーゲッツ処断後は速やかにカーヤを消すことが可能でしょう。
ですので貴殿方は三日後ラーゲッツを処刑した後にカーヤを消すということで構いません。
宜しいですね?」
アローネ「………」
フラット「……期待していますよ?
貴殿方が憎きバルツィエの血族二人をこの世から抹殺するのを。
呉々もカーヤには殺す時以外はお近づきにならないようにお願いします。
殺す相手に情など湧きでもしたら貴殿方も困りますでしょうしね………。」
そう言うとフラットはカオス達に背を向けて去っていく。フリューゲルへと戻るのだろう。一人で戻るということはカオス達とこれ以上会話を続けてもカオス達とは意見が合わないと踏んで言いたいことだけを言い残して会話を区切ったということか………。
カオス「フェニックス………………、
………あの子が………カーヤがフェニックスだったのか………。」
フェニックスを探してカオス達はこのリスベルン山までやって来たがカオスは既にフェニックスと出会っていたことになる。カーヤは………、
初めにあった時泣いていた。あの涙の意味はなんだったのだろうか………?
フラットは六日おきにカーヤと定期報告をさせていると言っていた。そして今度の定期報告は三日後………と言うことは最後に定期報告があった日は
あの日は………カオス達は日の昇っている内にフリューゲルへと到着した。その後はナトルとフラットがカオス達を案内していたから二人にはカーヤと定期報告をする時間は無かったはずだ。
カオス「(……あのカーヤの涙はもしかしたら………、
……俺達が流させたのかもな………。)」
カオスにはカーヤに親近感を抱いていた。カオスは自主的にミストの村を外から守っていたがカーヤは命令されているとはいえカオスと同じ仕事を任されている。
たった一人で村や街を守り続けるのはなんとも言い難い孤独感に苛まれる。村の近くにいることは許されてもその輪の中には入っていけないのは自分が一人なのだということを強く実感してしまう。カーヤは今何を考えてフリューゲルを守っているかは知らないが孤独なカーヤにとっては唯一人と話をすることができる定期報告の日は恐らく大切な日だっただろう。
その機会を知らなかったとはいえ自分達が奪ってしまったのでは………?
考えれば考えるほどカーヤの境遇は自分なんかの不幸を不幸と言ってもよいものか疑ってしまう。
それほどまでにカーヤの生い立ちは想像を絶する程に厳しいものだった………。