テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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カーヤの思惑

フリンク族の都市フリューゲル 残り期日八十四日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウインドラ「……聞いて回った話を纏めると大体の奴等がカーヤ討伐可か不可に別れた意見が殆どだったな。」

 

 

ミシガン「聞きたかったのはカーヤがどんな子なのかとかそういう情報なのにね。」

 

 

アローネ「皆カーヤと関わりを持とうとも思わなかったみたいですね。

 皆がこうして生活できているのはカーヤのおかげだというのに…。」

 

 

タレス「カーヤのことを人ではなく完全に奴隷として見ているんでしょう。

 奴隷主が奴隷のことを気遣うことなんて滅多にありませんよ。」

 

 

カオス「…皆バルツィエとヴェノムに感染してるってだけでそこまで他人に非情になれるもんなんだね。」

 

 

ウインドラ「…そこについてはバルツィエの血が入ってなくてもどこでも同じ扱いだろう。

 俺達が旅してきた場所は大抵はそうだ。

 ヴェノムに感染した者が待つ先には必ず自我崩壊が起こり他者を襲う。

 ………アルバさんですら昔のあの事件当時は容赦なく子供の首を切り跳ねていた。

 覚えてないか?」

 

 

カオス「……覚えてるよ。

 ザックの取り巻きの話だろ。

 あの時はあの後直ぐにあいつが近くに立っていた男を襲い殺した。

 ヴェノムに感染した者に躊躇すると被害が拡大する。

 あぁした瞬間的な判断は的確だっただろう。

 あの時殺された男はそれを俺達に示した。

 本人はまさか首を切り落とした子供の体が動き出すとは思ってなかっただろう。」

 

 

アローネ「………常識で考えれば私達やカーヤが異例なのですよね。

 ヴェノムに感染しない者とヴェノムに感染しても意識が飲み込まれない彼女………。

 彼女のような例は恐らくここではない場所で発生しても同じことが起こり得るでしょう。」

 

 

ミシガン「ブロウン族のところにいたカルト族のステファニーさんも結構レアなケースだったけどあの人もあのまま放置してたらヴェノムになってたんだよね………。

 それなのにハンターさんは懸命にステファニーさんのことを介護し続けて………。

 ………そんな人達がいるのにここの人達は………。」

 

 

タレス「あの二人に関して言えば御互いしか生き残っていない状況というのが彼等が御互いを想い合い見捨てることなんてできなかったんでしょう。

 非常時の吊り橋効果というやつですね。」

 

 

アローネ「そんなもの………だったのでしょうか……?」

 

 

カオス「………けどカーヤはずっとヴェノムに感染しても意識を乗っ取られる徴候すらなかった。

 触りさえしなければヴェノムに感染しない普通の人なんだ。

 それなのにあんな惨い扱いを六年もずっと………。」

 

 

ウインドラ「生まれ持った環境が最悪………そして最厄だったとしか言えないな………。

 ………ナトル族長とフラット殿の言い付けを守ってこのフリューゲルを守護していることからダイン=セゼアのように常識通りの異例のバルツィエではないことは分かる。

 その善人さを漬け込まれてしまったのかマテオのバルツィエ達に晴らせない恨み辛みを代わりに抵抗してこないカーヤにぶつけているんだろう。

 本物のバルツィエに怒りをぶつけようものなら連中は逆に返り討ちにあう。

 ………しかしカーヤはそれをしない………。

 カーヤはこの場所しか知らないんだ。

 この場所を追い出されて行く宛などどこにもない………。

 ここ以外にカーヤの居場所はない、そう思い込んでいる。

 だからこそカーヤは連中に付き従うしかないんだろう。

 戦えばこんな連中は一捻りだというのに………。」

 

 

ミシガン「……仮に私達がカーヤを説得して連れ出すことに成功したらカーヤは………、

 

 

 ここの人達を虐殺したりしないよね………?」

 

 

ウインドラ「……どうだろうな………。

 流石にあんな扱いを受け続けてたら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここの連中にもカーヤから思うところはあるんじゃないか………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………事は慎重に実行いたしませんとなりませんね。

 カーヤのことを思えばそうなってしまうことも否定できないですが私達はフリンク族の協力を仰ぎに参ったのですからカーヤにフリンク族を滅ぼされても困ります。」

 

 

カオス「…もしカーヤにそんな気があるならそれも止めないといけないのか………。

 ……そうなりそうな気持ちは分かるけど………。」

 

 

ミシガン「………カオスはそういう気持ちになったことがあるの………?

 ……その………ミストの皆に………。」

 

 

カオス「……あったよ………。

 村を追放された後に俺の中にマクスウェルの力が流れ込んでいたことが分かった時にそう思った………。

 けどミストのあの人達が言っていたことも間違いじゃなかったことに気付いたら………、

 

 

 後は贖罪を探すことだけしか考えられなかった………。

 ………おじいちゃんを死なせた切っ掛けは俺にあったんだから………。」

 

 

タレス「カオスさんの事情じゃ当然そういう感情が沸き立つのも頷けますよね。

 カオスさんですらそうならカーヤはもっと………。」

 

 

カオス「……どうなんだろ………?

 俺は昔から負けず嫌いだったし自分ってものをちゃんと持っていた。

 

 

 ……けれどカーヤにはそれがあるのかな………?」

 

 

ミシガン「?

 自分なんて誰にだってあるでしょ?」

 

 

カオス「それはそうなんだけどね………。

 ………一度さ、

 俺やカーヤみたいに何かやどこかを守り続けるのって始めの頃は結構辛いんだけど………それが長く続くとね?

 

 

 辛いって感情が普通の状態になってくるんだ。」

 

 

アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「………」

 

 

カオス「………だからカーヤが今ここの人達をどう思ってるのか俺にも分からない……。

 理不尽に対する怒りなのか辛い現状から逃れたいのか………、

 

 

 ………何も感じずに今を過ごしているのか………。

 もし怒りの感情が爆発しそうだったら止めには入るよ?

 けどカーヤは何もしないかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………下手したらカーヤは俺達が連れ出そうとするのを嫌がったりするかもしれないね………。」

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