テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
フリンク族の都市フリューゲル 近辺 残り期日八十四日
アローネ「………」
ミシガン「追い出されちゃったね………。」
ウインドラ「当然だろうな。
奴等にとってカーヤは蔑み忌み嫌いこそすれどこの地の大事な防衛の要だ。
それを連れ出そうとしたのだからな。」
タレス「ですがあの人達はカーヤを殺してほしいと言ってきたんですよ?
それなのに連れ去るのは駄目っておかしくありませんか?」
ウインドラ「何もおかしくはない。
連中は今でもカーヤに消えてほしいとは思っているだろう。
しかしそれはあくまでもこの地に不要となってからだ。
今はまだラーゲッツとブルカーンの問題が残っている。
この二つの問題をどうにかしない限り連中がカーヤを手放すことはない。」
アローネ「でしたらラーゲッツを何とかすれば………。」
ウインドラ「そしてその後に連中とブルカーンとの問題を解消してやる必要がある。
ブルカーンの地に赴く時がきたらカーヤもここから連れ出すことは出きるだろうがそれを本人が望むかどうかは………。」
カオス「あの様子じゃあ………俺達に付いてきてはくれなさそうだね………。」
アローネ「幼少期からの外の世界への悪しき教育………。
あれでは私達がいくら語りかけても外の世界へ踏み出すことに頭を縦に振ることはないでしょうね………。」
タレス「一度も外に出たことのない人を外に連れ出すには本人にそれを受け入れてもらうしかありません。
………最悪強引にでも連れ出すしか………。」
ミシガン「それじゃあ余計外になんか連れ出せなくなりそうだね………。」
カオス「一度でも外に出たいって思ったことがあったんならそれもできなくはないと思うけど、
でも………。」
ウインドラ「カーヤは完全にフリンク族の教えの術中にはまっている。
あれほどの強さを持ちながらも外に出るという選択肢をフリンク族の長年の暗示によって考えられないようにさせられているんだ。
子供が小さい時から受けた影響はその先のことにも強い印象に残る。
三つ子の魂百までとはよくいったものだ。
それを突然現れた俺達がカーヤに囁いたところで馬耳東風としかならん。」
ミシガン「…じゃあカーヤはずっとあのままなの………?」
ウインドラ「彼女にとって何か外の世界に踏み出せる起点のようなことでもなければあのままだろうな。
あのままカーヤが生き続ける限りカーヤはフリンク族の言いなりだ。
ナトル族長かフラット殿が
しかしカーヤが不要となった時彼等がカーヤに言い渡すとしたら追放ではなく
アローネ「何とかならないのでしょうか………?
このままあのような扱いを受け続けるのはあまりにも………。」
タレス「カーヤがボク達の話を聞き入れてくれればいいんですけど………、
今回は少し急すぎましたね。
ラーゲッツもいきなり現れましたしカーヤを説得する前にカーヤに接触してしまいましたし………。」
ミシガン「あんなのおかしいよ………。
あんな扱いをされてるのにどうしてカーヤは全く抵抗しないの………?」
ウインドラ「恐らくカーヤが昔母親を死なせてしまったことを追求されてそのことがカーヤを縛り付けているのだろう。
だからどんなに酷いことをされてもカーヤ本人にはそれに抗うことが出来ない。」
カオス「…それじゃあ俺達にはどうすることも出来ないじゃないか……。」
カーヤが抱く過去への罪悪感がカーヤをこの地に縛り付けている。これに関しては本人が罪の意識を抱き続ける限り果てしなく終わりの見えない呪縛だ。ナトルやフラットが許すかあるいは生きている間はこの呪いが続く。それには後何百年かかるか………。
アローネ「……もうカーヤ本人に直接お会いして話を進めた方が無難ですね。」
ミシガン「私達の話を聞いてくれるかなぁ………。」
ウインドラ「今ならまだカーヤにフラット殿達が俺達と話をしないようには指示していないだろう。
会うとしたら
タレス「明日まで………、
確か明日にカーヤがフラットさん達に定期報告する日でしたね。」
ウインドラ「あぁ、
だから明日までにカーヤと会話ができればそこでカーヤを説得できるかもしれない。」
ミシガン「…じゃあ早くカーヤに会いに行こうよ!
明日までだったら全然時間無いよ!?」
ウインドラ「落ち着け。
会いに行くにしてもどこで会うつもりだ?」
ミシガン「え?…えっと~………、
どこで会えばよかったんだっけ………?」
アローネ「フリンク族の方々に見付からないような場所でモンスターが程よく生息している場所です。
そこでカーヤをこの前のように呼び出します。」
タレス「この近くでそんな場所は………、
………!ありました。
ウインドラ「なるほど………そこならモンスターもいる上にフリンク族達にも見付かりにくいな。
何せ奴等はフリューゲルの守りをほぼカーヤで賄っている。
奴等が警戒しているのはブルカーン族の方だからモンスターが生息しているような森にはあまり来ないだろう。」
カオス「よし、
じゃあ直ぐにそこに向かおう。
カーヤをこっそり呼び出すのなら夜の方がいいんだろ?
もうチャンスは今日の夜しかないんだ。
早めにその森に付かないとカーヤを呼び出せる機会が無くなっちゃうし。」
アローネ「タレス、
その森はここからどの方角なのですか?」
タレス「ここからだと………南西にその森はあるようです。」
ウインドラ「南西か………。
ということはここから近いのではないか?」
タレス「はい、
大体数時間も歩けば着く距離にあります。」
ミシガン「よ~し!
だったら早速行こう!」
アローネ「随分張り切ってますねミシガン。」
カオス「この間まではちょっと消極的になってたのにね。」
ミシガン「そんなの当たり前でしょ?
今回はヴェノムの主を倒すって話じゃないんだから。
今回はヴェノムの主を救う、カーヤを助けるって目的なんでしょ?
私的にはそっちの方がやりがいありそうだもん。」
タレス「言われてみればブルータルに始まってからボク達はずっとヴェノムの主を倒す目的でしか旅をしてきませんでしたからね。」
ウインドラ「簡単な話今回はラーゲッツのような悪党を倒す目的ではなく不運な運命に見舞われたか弱い少女を救う目的だからな。
そっちの方がミシガンには性分に合ってるんだろう。」
カオス「……ずっとそんな旅だったら良かったんだけどね………。
世の中には倒さないといけないのもいれば倒さないでいい相手もいる………。
バルツィエもヴェノムの主も全部が全部悪いのばかりじゃないんだ………。
………早くカーヤを救い出さなくちゃいけないね。」