テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ユミルの森 夜 残り期日八十四日
フリンク族の地にて出会ったヴェノムの主フェニックスにして、バルツィエの一人ラーゲッツの娘でありこのダレイオスで嫌われる混血のハーフエルフであるカーヤを救うべくカオス達一行はカーヤとフリンク族の介入無く接触可能な場所を探してフリンク族とアインワルド族の領地の境界まで来ていた。
カオス「…ここでならカーヤをフリンク族の人達に知られることなく呼び出すことができるの?」
ウインドラ「知られることなく………と言うのは語弊があるな。
正確には知られることなくではなく
タレス「ここならあのリスベルン山のようにモンスターがいないといったことは無いですもんね。
一目でこの森にはカーヤがあまり手をつけていないことが分かります。」
アローネ「はい、
ここでなら騒ぎを起こせばカーヤのみが駆け付けフリンク族の方達はここへはカーヤのような飛行手段でもなければ駆け付けてくることはないでしょうね。」
ミシガン「………?
まぁここが結構フリューゲルから離れて直ぐにやってこれない場所なのは分かるけど何でモンスターがいるかいないかなんて来ただけで分かるの?」
ウインドラ「ここが
ミシガン「森?」
カオス「ミシガン、
カーヤは基本六属性のどの属性を得意としていたか覚えているよね?
カーヤが使うのは
ミシガン「!
そっか!
カーヤが火でモンスターやヴェノムを追い払うんならこんなところで火を使ったら森が燃えちゃうもんね。」
タレス「一見してこの辺りには木々が燃え盛ったような跡は見られません。
そのことからカーヤがこの付近でモンスターを相手にしたことはないと窺えます。
相手にしたことがあったにしてもそれは一度モンスターが森を抜けて平原に出てからだったはずです。
そうでなければこの森はカーヤが火を一吹きしただけで全焼してしまいますから。」
アローネ「カーヤが火以外の属性の魔術も使えれば話は別ですけどね。
ですがその線は薄いでしょう。
カーヤはできることなら誰にもその正体を知られずに外敵を屠るよう命じられていました。
ヴェノムの主フェニックスが臨機応変に火以外の魔術を使うことが他の部族に知られたら流石に不審に感じますから。」
ウインドラ「俺達と戦っていた時も火かあの毒撃しか使ってこなかったからな。
……ここはフリンクとアインワルドの境界でもある。
フリンク族のようにあのフリューゲルに立てこもったりでもしていなければこの辺りにアインワルド族の誰かがやって来る可能性は十分に高い。」
ミシガン「そうなんだね………。
それで………カーヤを呼ぶの?」
カオス「時間は限られてる………。
今日を逃せば明日にはカーヤはナトルさん達に俺達と接触しないように命令されるなら俺達がカーヤに会えることはもうないかもしれないんだ。
早速カーヤを呼ぼう。」
ウインドラ「あぁ、
ではやるぞ。
カーヤが飛んできたら先ずは敵意がないことを伝えてそこから説得だ。」
アローネ「分かってます。
皆くれぐれも敵対行動と思われる行動をとらないでください。」
ミシガン「一回フリューゲルで私達のことを見てるはずだから心配要らないんじゃない?
要は対面したら話しかけてみればあっちも話がしたいだけって直ぐに分かるだろうし。」
タレス「楽観はできませんよ。
ラーゲッツには問答無用で襲いかかってましたから。」
カオス「あれは多分あそこがフリューゲルの中だったからだよ。
ここでならカーヤも俺達が攻撃しない限りはリスベルン山の時みたいに俺達の次の行動に対応した動きしかしないと思う………。」
ウインドラ「………よしでは………、
『ライトニング!!』」
ピシャァァァァァァッ!!!
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「………」」」」」
ボゥ…………!
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「!!」」」」」
ゴオオオオオオオオオオオッ!!!
カオス達がいる場所の北の方角から突然火の光が上がりこちらに向かってきた。その光は夜の闇を明るく照らしまるで急速に朝がやって来たと錯覚するような眩い光だった。
フェニックス「ゴオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」
カオス「カーヤ!!!」
カオスはカーヤを呼んだ。戦闘になる前にカーヤと戦う意思が無いことを表明するためだ。
フェニックス「ボオオオオオオオオオオオアッ!!」
カオスの呼び掛けにカーヤの返答はないが空中で静止しカオス達の様子を窺っている。
アローネ「私達は貴女と戦いたいのではありません!!
貴女とお話をしたいだけなのです!!」
ウインドラ「俺達に敵意は無い!!
どうか……話だけでも聞いてくれないか!?」
カオスに続きアローネとウインドラがカーヤに話し掛ける。これでカーヤと話ができれば彼女を説得しそのままこの地を去ることが可能なのだが………、
ファアアアア………、
ミシガン「………え?」
フィィィンッ…………、
タレス「………何で………?」
カーヤはカオス達の前に姿を現したがカオス達に敵意が無いのだと判断すると、
また元来た空路を帰っていく………。
ウインドラ「………俺達のことをまだ信用はできなかったんだな………。」
カオス達はカーヤと戦闘にならないように気を付けていたつもりだった。
アローネ「………まだ彼女と話ができるほど私達は彼女と接することができていません………。
この結果は必然だったのでしょうか………。」
カーヤとは戦闘にはならなかったが話し合いをすることもなかった………。
カオス「………………カーヤは………、
………ここから出ることはできないのか………?」
こうしてカオス達はカーヤと対話する最後の機会を失ってしまった。
明日以降カオス達の前にカーヤが現れることはもうなかった………。