テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 残り期日七十八日
ピシャァァァァァァッ!!!!
カーヤ「………」
ボオオオオオオオオオオオアッ!!!!
カーヤ「………」
ドドドドトドドドドドドッ!!!!!
カーヤ「(………煩いなあの人達……。
おじい………族長が最近やってきたあの人達は特にフリューゲルに危険はないから無視していいって言ってたけど、こう無意味に煩いとあのカーヤと同じ乗り物に乗ってるあの人がフリューゲルに襲ってきた時に気付けないかもしれないのに………。
………あの人達一体何なんだろう………?
この間追い払いに行った時のあの人達の感じ………普通じゃなかった………。
あの人達があまりに強いからつい黒い炎で攻撃しちゃったけどあれを受けてもあの人達全然平気そうだった………。
今までそんなことなかったのに………。
………あの人達はもしかしてカーヤの病気が移らない人達なのかな………?
あの人達なら………
………あの人達なら
………ううん………。
カーヤは今はまだ死んじゃ駄目なんだ………。
カーヤには………まだパパが迎えに来てくれるのを待ってなきゃいけないから………。
いつか絶対に本当のパパが迎えに来てカーヤをここから連れ出してくれるってお父………フラットさんが言ってたから………。
カーヤはいい子にして待ってなきゃいけない………。
本当のパパ………、
………………それにしても一ヶ月くらい前から来てるあのカーヤと同じ火を使う人は何なんだろう………?
何でフリューゲルを襲うのかな………?
それにあの人が乗ってる乗り物ってなんだかカーヤの使ってるのと似てる………。
あの人………ラーゲッツとか言ってたけど………この乗り物ももしかして元々あの人達が使ってたものなんじゃ………?
………あの人も多分バルツィエって家の人なんだろうけどアルバートパパとは何か関係があるのかな………?
今度会った時に聞いてみたいけど………族長やフラットさんからカーヤが戦ってる時は絶対に火の中から出るなって言われてるし………。
でも確かめたい………。
………誰かカーヤのことを聞ける人がいたらな……… 。
こんなに悩むこともないのに………。)」
ゴオオオオオオオオオオオッ!!!!!!
カーヤ「……!!
(あの人だ………!!
またあの凶暴そうな人がフリューゲルに………!!
行かなきゃ………!!)」
フィィィィンッ!!!
リスベルン山 中腹
カオス「……またカーヤはラーゲッツの方に行ったみたいだね………。」
タレス「今回は大分近くにいたみたいですね。
カーヤの炎が見えたのはだいたい一キロあるかないかの距離でした。」
アローネ「近くまでは来てみましたけどやはりここでもカーヤに避けられているようですね………。」
ミシガン「いっそのことカーヤが寝泊まりしてそうな山小屋とか見つけてそこを掴まえればいいんじゃないの?」
ウインドラ「そんな過激な方法で掴まえて話を聞いてくれると思うか?
下手したら誘拐犯だぞ。」
タレス「この際誘拐だとか気にしますか?
相手は六年間も人との接触禁止を続けてきたんですよ?」
カオス「六年間接触禁止かぁ………。
そんなに長い間誰とも触れ合うことができなかったら………他人を信じることなんてできるのかな………。」
アローネ「……心配要りませんよ。
カーヤは………誰かの優しさを求めているはずです………。
二つの種族の間に生まれしハーフエルフはそういう生き物なのです………。」
ミシガン「そっか………。」
カオス「この中ではハーフエルフに詳しいのはアローネだもんね。」
ウインドラ「正確にはアローネが知るハーフエルフとこの時代のハーフエルフは別物のように思うがな。」
アローネ「同じですよ………。
アインスの時代でもデリス=カーラーンの時代でもハーフエルフは皆おなじてす。」
タレス「何故そこまで断言できるんですか………?」
アローネ「どんなに種族としての違いがあっても………、
どんなに環境の違う世界を生きていても………、
人の心が変わることはありません………。
………人の痛みが分かる人もいれば人の痛みを分からずに人に痛みを与える人がいる………。
いつの時代であっても人の心は暖かさと冷たさの二つしか無いのです。
………誰かに心を暖かくしていただいたのならそれは同じように暖かさでその誰かにお返ししたい………。
けれども誰かに心を冷たくされたのなら他の誰かに暖めてほしい………。
ハーフエルフはそういう環境の中で生きているのです。」
ミシガン「それって全部のハーフエルフに当てはまるの………?」
アローネ「この話はハーフエルフに限った話ではありませんよ。
世界に生きる
ウインドラ「全人類か………。
………だがそれは全てがそうなるわけではないだろう。
誰かに心を暖かくしてもらったらその相手に暖かさで返す………それは分かる………。
しかし誰かに心を冷たくされたのならその相手に同じように冷たさで返すのではないか?」
アローネ「確かに私の意見はそういう見方もできます。
ですがそれはその冷たくされた方と冷たくした方が共に自らの居場所を確立している場合です。
アインスのハーフエルフや今回のカーヤのように自らの居場所を自らで決められないような方々は誰かに酷い扱いを受けたとしてもその相手を憎むよりもその現状から救われたい、この現状から脱したいと望みます。
復讐などよりも先ずは
それを最優先に考えます。」
タレス「窮地の脱出………。
………ではカーヤにとっての窮地の脱出とは何になるんでしょうか………?」
ミシガン「へ?
このフリンク領から出ていくことじゃないの?」
ウインドラ「そんな簡単な話じゃないな。
フラット殿が言ってただろ。
カーヤにはこの領地の外の世界に対する恐怖を植え付けられている。
ただ外に連れ出すだけじゃ無意味だろう。
それにカーヤならここを離れようと思えば離れられるはずだ。
それをしようしないということは………。」
アローネ「………誰かがカーヤの信頼を勝ち取る必要があります。
カーヤとお話しして例えナトル族長達の言い付けに背くことになろうとも外の世界に踏み出すことになろうとも彼女が私達を信頼できる人物なのだと認識していただくのです。」