テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 ネイサム坑道で謎の女性に救われた三人はその後大量のゴーレム達に襲われる。

 その後レイディーと名乗る女性から封魔石の情報を聞き出そうとするが…


封魔の構造

安らぎの街カストル 裏路地

 

 

 

「それで坊やは何を聞きたいんだい?」

 

「レイディーさんは「どうした?紙に書かなくていいのか?」」

 

「……」

 

【レイディーさんはどうしてこんな「しゃらくせぇ!喋った方がはぇ早ーんだから喋れ!」】

 

「なら紙に書けなんて……」グスッ

 

「タレス!?」

 

「タレス!………貴女はよくも!!!」

 

「何だ話はもういいのか?」

 

「レイディーさん話が進まないんでちょくちょくツッコミ入れるの止めてもらえますか!?アローネもタレスも大変なことになってるんですけど!?」

 

「……ふぅ、ちったぁ感情を沈めて人の話を聞くことも覚えた方がいいぞ?

 そいつら。」

 

「レイディーさんに言われたらお仕舞いですね。」

 

「そうか、

 じゃあアタシはこれで、

 達者でな。……んだよ離せよセクハラか?」ガシッ

 

「ここまで荒らしといて何も言わずに行くなんてよくできますね。

 僕の仲間達もリーチかかってるんですが?」

 

「アンタ潰せばビンゴってか?

 頑張らねぇとな。」

 

「頑張るなら僕を怒らせる方ではなく話をする努力をお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイディーさんはどうしてこんなところにいるのですか?」

 

「それはアタシがここにいることが不自然だとでも言いたいようだな。」

 

「そのソーサラーリングを贈られる程の魔科学者なら今頃貴女の言う研究チームと協力して研究を重ねなければならないのではないですか?」

 

「!………言われてみればそうですよ!」

 

「封魔石については分からないけどそれに携わるような職業ならもっと改良したりだとか………こんな遠くまで来ないんじゃないですか?」

 

「……」

 

「答えられないんですか?「辞めた!」なら貴女の………はい!?」

 

「辞めたっつってんだろ?

 あんな息の詰まる空間にいたらヴェノムとは違う別のもんに体をやられそうになってよぉ。

 金とワクチンだけ持って飛び出して来たわ。」

 

「「……」」

 

「貴女は国の人々を救う研究をしていたのにそんな理由でそこを抜け出したのですか!?」

 

「抜け出すも何もアタシが何をしようがアタシが決めることだ。

 国に命令されたところでそんなもんどっかの誰かにでもさせてろって。」

 

「レイディーさんは何故その研究室にいたのですか!?」

 

「んあ?

 そんなもんアタシより他の奴等が底辺だったからとしか言えねぇなぁ。

 何せアタシに首席とらせちまうような連中だからよぉ。

 仕方なくアタシが研究室主任してやってたんだ。」

 

「……だったら、貴女の下で働いていた方々は悔しい想いで研究していたでしょうね。」

 

「そんなん考えたことねぇなぁ。

 悔しいんならアタシを越えて見せろっての。

 こちとら別に抜かれたっていいんだぜ?

 どうぞどうぞ右からでも左からでもお先にどうぞってんだ!」

 

「………貴女のことは分かりました。

 一先ず貴女が研究者だったと言うのは信じます。」

 

「めんどくせぇ手順踏ませやがって、

 シンプルに聞いてこいよ!」

 

「………では封魔石のことをお願いします。」

 

「そいつだよな。

 そいつを聞きたかったんだもんな。

 いいぜ教えてやる。」

 

「………」

 

「吠えない犬はあまり好きじゃないんだがなぁ。」

 

「もう何も言いませんので続きを。」

 

「楽しくねぇなぁ。

 辛気くさい話をすんだから盛り上げてくれよ?」

 

「辛気くさい?」

 

「そうさ。

 

 封魔石ってのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴェノムをかき集めて造ってるんだからよぉ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェノムをかき集めて!?」

 

「ではあの中にはヴェノムが………!?」

 

「少し違うなぁ。

 ヴェノムが飢餓で死んだ後障気が発生するだろ?

 あれを何倍にも薄めて閉じ込めたのが封魔石さ。

 実はあの石の中にヴェノムが溶けた痕が入ってんのさ。

 それを定期的に交換している。

 ただそれだけの作りさ。」

 

「そんなものでヴェノムが防ぎきれるわけが……。」

 

「現に出来てんだから頷けよ。

 たったそれだけの構造物に守られてるんだぜマテオは。」

 

「どうしてヴェノムはそれだけで寄ってこなくなるんですか?」

 

「ヴェノムが生物のマナに引き寄せられて動くのは常識だよな?

 このマナを仮にプラスのマナとする。

 逆にヴェノムが死んで発生する障気をマイナスのマナと呼んだとする。

 障気はマナを汚染するからな。

 そしてヴェノム自信は常にプラスのマナを求め続ける。

 この時の奴等は体内で猛烈にプラスのマナを消費していく。

 だからプラスのマナを求めてさ迷うがその付近にマイナスのマナがあった場合、ヴェノムはマイナスのせいで弾きだされちまうんだ。」

 

「まるで磁石のようですね。」

 

「ですがそんな単純な話なら国でなくとも誰かが「思い付かねぇよ。」」

 

「話す分には簡単な話だがそれを思い付くためには出だしで挫かれる。

 先ずどうやってヴェノムの習性を調べる?」

 

「それは……」

 

「ヴェノムが現れた時点で村や街が無くなるほどの災害だ。

 一匹見つけたらもう大勢に囲まれちまってるのが奴等だ。

 そんな奴等を捕獲しようものなら半端な檻じゃ入りきらねぇ!

 それに捕獲するにも協力者は必要になってくるがあんな危険な奴等に好んで近づくようなもの好きはその計画を立てるやつくらいだろう。

 とても参道者が集まるとは思えねぇ。」

 

「「「……!」」」

 

「まだ他にも難しいなポイントはあるぜ?

 協力者が集まったとしてそいつらに全員死ぬ覚悟があるかってこった。

 雨の日に傘さしても足元は水滴がかかるだろ?

 掠り傷一つで一撃必殺のモンスターだ。

 ヴェノムを相手にするにはその水滴すらかかっちゃいけねぇのさ。

 捕獲の途中で仲間がヴェノム化したら捕獲どころじゃなくなる。

 つまり捕獲さえできりゃ習性を調べたい放題なのに捕獲が並程度の街じゃ出来ねぇってこった。

 それこそ一人二人死んだくらいで大騒ぎするような街じゃあなぁ。」

 

「………レイディーさんは……」

 

「なんだ?」

 

 

 

「その捕獲の計画者だったのではないですか?」

 

 

「……」

 

「……」

 

「そうだな。」

 

「だからそんなに…

 もしかしてレイディーさんの街も…」

 

「勘違いしてるところ悪いんだがアタシは人のために何かをしようと思って捕獲しようとしたんじゃない。

 単なる知的好奇心だ。

 それにアタシの村はアタシが知らないうちにヴェノムに攻め落とされていたよ。

 アタシはそん頃研究室で働いていた。

 家族なんてもう六十年くらい会ってなかったなぁ。」

 

「そ、そうなんですね。」

 

「だからよぉ、要点をまとめると封魔石なんてのはただのヴェノム入れた棺桶みたいなもんで大したもんじゃないんだ。

 殺生石なんて微塵も関係ねぇ。

 外側の壁もどっかから適当に持ってきたもんだしな。」

 

「封魔石に触れるとマナを吸いとられるのは何故ですか?」

 

「内側にマナ流動の術式を施してるんだよ。

 術式はマナを操作するためのものだからな。

 そんくらい余裕で彫れるのさ。」

 

「何故そんな術式を?」

 

「一応国が権力誇示のために高レベルの知識と技術で建造したことになっている。

 それがそんなアホみたいな構造と知られちゃ不信感を持たれちまう。

 だから誰にも触れさせないようにするのは当然だろ。

 それにあの中は薄めたとはいえ障気が蔓延してるからな。

 岩で囲っちまってるが触れたら万が一が起こる可能性もある。」

 

「その術式は街の人に二重の意味で触れさせないようにしているのですね。」

 

「その認識で間違いない。

 触ったら中の障気で異常を来すかもしれないし石を調べられても困る。

 結局のところ王都でヴェノムを興味本意で調べようなんて奴は死んでいったよ。

 気を付けて触らないようにしたところでアクシデントが起こる。

 奴等ゼリー状だから閉じ込めることは出来ても拘束は出来ねぇ。

 解剖しようにも調べられないのがヴェノムだ。

 王国の研究室も実は精々外から眺めて絵日記を書くのがやっとなのさ。」

 

「それでは王都の研究者もヴェノムについて「ところがだ!」」

 

 

 

「ある連中が唐突にワクチンなんてものを作り出しやがった。」

 

「「!?」」

 

「レイディーさん達の研究室が作ったのではないのですか!?」

 

「残念ながらうちじゃないな。

 何度ワクチンを作ろうと成分を調べようとしてもその度に死者が出る。

 死者が出すぎて今ではワクチンを作ることよりヴェノムに感染しない方法を研究しているみたいなもんだ。

 結論はヴェノムにはなにもしないことになっちまうが。

 そのワクチンにはマジでヴェノムの感染を治す効能までありやがったからな。

 うちの研究室も存在意義を無くしちまったよ。」

 

「その人達は一体何者なんですか?

 ワクチンを開発できるのなら国を、……いえ世界を救えるような人達ですよね!?

 ワクチンが作られてからそんな人達がいたなんて知らされてませんよ!」

 

「………連中にとってはそんな名誉なんざどうだっていいのさ。」

 

「素晴らしい方々なのですね。

 貴女と違って。」

 

「素晴らしい方々か………

 連中の顔を見てそうほざけるかこの目で見てみたいもんだな。」

 

「「?」」

 

「どういう意味でしょう?」

 

「マテオにいるのなら一度は聞く名だ。

 なんならダレイオスなら二度三度と聞かされる名前でもある筈だ。

 忌避すべき名としてな。」

 

「!?」

 

「忌避すべき名?」

 

「勿体振らずに仰ってくださいよ!

 そのワクチンを開発した方々のお名前を。」

 

 

 

「さっき奴等は名誉なんざどうだっていいと言ったがそうじゃねぇなぁ。

 そんなもん最初から持ってるんだよ。

 ついでに相当な地位も。

 奴等に迂闊にな口を叩いただけでその場で極刑されても不思議じゃねぇそんな連中だ。

 そいつらは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バルツィエと言う名でこの国の最高貴族だ。」

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