テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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敵の接近

リスベルン山 ??? 残り期日七十五日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………?

 何でカーヤがおじいちゃんの名前を………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「!

 おじい………ちゃん………?」

 

 

 カーヤがカオスの祖父アルバの名前を出したのに対してアルバのことを()()()()()()と口にした途端カーヤはその言葉に失望の色を示した。

 

 

カオス「………アルバート=ディラン・バルツィエは………俺のお母さんの父親でつまり俺のおじいちゃんなんだけど………。」

 

 

カーヤ「………!?

 そんな………!

 ………じゃあ………、

 じゃあカーヤのパパは誰なの………?

 もしかしてカーヤのパパは別の人………?」

 

 

カオス「…詳しく話を聞かせてくれないか?」

 

 

 カーヤが祖父アルバのことを父親だと勘違いしていたのには驚いたがそれも恐らくあのフリンク族の人達がカーヤを利用するためについた虚言なのだろう。カーヤのこの落ち込み様だけでそれが直ぐに分かった。カーヤはフラットから実の父親ではないことを知らされている。それならば実の父親が誰なのかを追及したことだろう。フラットの話ではカーヤに実の父親が別にいることは知らせてあると発言していたがそれが誰かなのかを伝えたことを聞かされてなかった。あのタイミングでは特に気にはならなかったから聞くことはなかった。直後にカーヤの父親がラーゲッツだという衝撃が大きかったためだ。

 

 

 考えてみれば当然の話だ。フリンク族はラーゲッツに対しては人一倍警戒心を抱いていた。ラーゲッツがいつまた来訪するか分からない状況でカーヤに実の父親の名前がラーゲッツだと伝えてしまうといざラーゲッツが襲来してきてカーヤがラーゲッツと邂逅してしまった時ラーゲッツからフリンク領を守るはずのカーヤが躊躇してしまうかもしれない。そうなればカーヤがラーゲッツと戦えずにフリューゲルをまた過去のように蹂躙されてしまうこともあり得る。だからカーヤには実の父親の情報をわざと偽って教えたのだ。現に今カーヤはラーゲッツを実の父親と知らずに撃退し続けている。その方がカーヤを操りやすいからだ。カーヤは知らず知らずに実の父親をずっと撃退し続けていたわけだが………、

 

 

カオス「………カーヤはここ最近フリンク領にレアバードに乗って来ているあの火を使う人が誰だか知ってる……?」

 

 

カーヤ「………?

 あの()()()()()って人のこと………?」

 

 

カオス「その名前は誰から聞いたんだ?」

 

 

カーヤ「カーヤが追い返してる時に自分でラーゲッツだってあの人が言ってたよ………?」

 

 

カオス「………そうか。」

 

 

 この分では自分がラーゲッツという名前の人物に何の縁も無いと思っていそうだ。父親の代わりの名前をラーゲッツではな祖父の名前を使ったのはある意味効率的な作戦だったことだろう。アルバは実在した人物だったがその所在はマテオの公式でも死亡または行方不明扱いだった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()カーヤは長い間自分の父親のことを誤認していたわけだ。

 

 

 そしてその父親が迎えに来ると信じてフリンク領を離れられない………。人の弱味につけこんだ陰湿的な策略があったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「(………カーヤに伝えるべきか?カーヤが父親だと思い込んでいる人は実は本当のお父さんでもなんでもなくて無関係の人物だということ、そしてその人は俺の祖父だってことと一ヶ月前からカーヤが追い返してる人こそがカーヤの本当のお父さんなんだってことを………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………だけどこんなことをどうやって伝えればいいのかな………。

 知らない間にカーヤが本当のお父さんに出会っていてそのお父さんを攻撃していただなんて………。

 今の落ち込み具合から見てもカーヤが顔も知らなかった本当のお父さんに会いたがっていたのは確かなようだし………。)」

 

 

カーヤ「……そのお兄さんのおじいちゃんと同じ名前の人って他にいないよね………?

 アルバート=ディラン・バルツィエ………パパのことをお兄さんは知らないんだよね………?」

 

 

 最後の希望にすがるようにカーヤがカオスに自分の聞かされてきた父親とカオスの祖父が同一人物ではないことを問う。返答によってはまたカーヤがどこかに去っていきそうな気配を感じた。カーヤはフリンク族の子供達に泣かされるほどに精神が不安定だ。ここで正しいことを伝えてしまえばカーヤはカオスの前から姿を消すだろう。逆にカーヤの希望を肯定すればこの場でカーヤが去ることはなさそうだ。………偽の情報を肯定するのはカーヤを騙すようで心苦しいがここはカーヤの希望通りに………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「………そっか………。

 ………やっぱりカーヤのパパは本当はどこにもいないんだね………。

 カーヤの家族はもうママしかいなかったんだね………。」

 

 

 カーヤへの返答に迷っていたらカオスの態度を見てカーヤが自分に父親がいないのだと悟った。

 

 

カオス「…!

 カーヤのお父さんは……!」

 

 

カーヤ「カーヤのパパはカーヤを迎えには来てくれないんだね………。

 カーヤには始めからパパなんていなかったんだ………。

 ………そっか………。」

 

 

 待ちわびていた父親がいないと思い込んだカーヤはその場に蹲って顔を伏せた。表情は見えないがとても落胆しているのだろう。

 

 

 そんな姿を見てカオスはカーヤにフラットやナトル達の偽の情報ではなく真実を話すべきだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「……いるよ。

 カーヤのお父さんはいる………。

 カーヤは………もうお父さんとも会ってるんだ………。」

 

 

カーヤ「………」

 

 

 カオスが父親の実在を口にしてもカーヤは顔を伏せたままだった。余程フラット達に自分が騙され続けてきたことがショックだったのだろう。フラット達の話ではカーヤは母親を死なせてしまった罪滅ぼしを父親が迎えに来るまで続けるように命じられていた。その父親がカオスが祖父だと発言したせいでフラット達から聞かされてきた父親の存在が嘘であったことに気付いた。薄々フラット達の話もどこか不自然に思っていたのだろうがカーヤはそれにすがるしかなかったのだ。その嘘まみれの情報でも今日までカーヤを支えてきたのはどこにいるとも知れない父親の存在だ。その父親の存在が今否定されてしまいどうしていいのか分からなくなったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………これ以上カーヤを誤った情報で縛り付けるわけにはいかない。カーヤは真実を知って前に進むべきだとカオスは思いカーヤの父親の真実を話す決意をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………落ち着いて聞いてくれ………。

 カーヤの父親は………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だぁ?

 何でこんなところにガキが二人して屯ってるんだ?」

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