テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 ??? 残り期日七十五日
カオス「(………言ってしまった…………。
カーヤに本当のお父さんのことを………。
カーヤは………今のを聞いていたかな………?
………!)」
カーヤ「………」
カーヤは先程までのような悲哀に満ちた表情の変わりにたった今自分が何を聞かされたかを戸惑うような仕草をする。カオスから伝わった情報を頭の中で整理して理解しようとしてそれでも理解しきれずに疑念だけが残る………その坩堝にはまってしまったようだ。
アローネ「……カオスが仰ったことは事実です。
貴女のお父様はここにいるこの方なのですよ?」
カーヤ「………この人が………カーヤのパパ………?
…………………何を言ってるの………?
そんなはず…………ない………。
パパは………アルバート=ディラン・バルツィエって名前で…………。」
ミシガン「……その人はね………。
このカオスって人のおじいちゃんなの………。
アルバさんはカオスが生まれる前からずっとマテオにあるミストの村を出たことなかったはずだよ。
それも百年もミストに居続けた人………。
だからカーヤのパパじゃないの。」
ウインドラ「お前はあのフリンク族の連中に利用されていたんだ。
お前のその力を利用するためにあいつらはお前が生きていくこの先も絶対に会わぬであろう実在する人物の名を用いてお前にあの街を守らせ続けていた。
………アルバさん自身は既にこの世から去っている。
お前がいくらここで待っていてもアルバさんはここには来ないし来るとしたら十六年前に実際にこの地にやって来てお前という娘をお前の母親に強引に身籠らせてまたノコノコやって来た………、
この男くらいなものだ。」ガッ…
ウインドラはカーヤに差し出すように気絶したラーゲッツを引っ張り出す。一応暴れださないように例の手錠は装着済みだ。
タレス「ちょっとウインドラさん、
今はカーヤに本当のお父さんが誰なのか説明しているんですよ?
そんな時に本人の目の前で実の父親を無下に扱うのは………。」
ウインドラ「何を言う。
現状カーヤがこんな悲惨な日々を送っているのは元はと言えばこいつのせいなんだぞ?
こいつがカーヤをこんな劣悪な環境へと追いやった。
第三者の立場から見てもカーヤに非はない。
罪があるのは性欲を抑えられずにロベリアという女性に暴行しカーヤを身籠らせたこのスケコマシの方だ。
………女を孕ませたのなら最後まで責任をとるのが男という生き物だろうが………。」
アローネ「まぁそういった話はどこの戦場でも耳にするお話です。
そのようなことを決行なさる殿方はこの方に限った話ではありませんので仕方がないとは思いますがそれでも不埒な行為に変わりはありません。
このラーゲッツにはそれ相応の罰が必要でしょうね。」
タレス「だからそれはわざわざカーヤの目の前でやらなくても………。」
騎士道精神に熱いウインドラと不敏なハーフエルフがいることが許せないアローネは今にも意識のないラーゲッツに制裁を加えるかのような勢いだ。
今はまだカーヤにラーゲッツが実の父親だということを説明する最中なのだが………、
カーヤ「………その人が………」
カオス「………ん?」
カーヤ「………………………………………………………、
………………その人が………カーヤのパパか本当かどうか分からない………。
何かカーヤとその人が関係がある証があるの………?」
カオス「証か………。」
ミシガン「証なんて………私達だってフラットさん達から聞いた話だしねぇ………。」
アローネ「こればかりは私達に用意できるものでは………。」
タレス「…ボク達は直接フラットさんからそう聞いたんですよ?」
カーヤ「………それだけじゃ本当のことをお兄さん達に話してたのか分からない。
あの人達は………カーヤに嘘をついてたんだし………。」
カーヤを騙していたのはフラット達だ。そのフラットから伝わる情報ではもう何も信じることはできないのだろう。これでは話が前に進められない。
カオス「ん~………どうやってカーヤに真実を知ってもらえればいいのかなぁ………。
フラットさんの話でも特に証拠になりそうなものなんて何も無かったし………、
………ラーゲッツだって多分自分に娘がいたことなんて知らなかっただろうし………。」
ラーゲッツ「……………………ん”ん”ん………?
………んだぁ………?
頭痛ぇ…………。
…………んお!?
手が………!?」
カーヤに真実を上手く伝える方法を考えているとラーゲッツが目を覚ます。
ウインドラ「………起きたようだな。
ラーゲッツ。」
ラーゲッツ「!!?
テメェは偽カオスッ!!!
やっと見付けたぜ!!!
テメェを捜していたんだよ!!
テメェだけは許さねぇッ!!!
必ず俺がテメェを消し炭にしてやるからなぁッ!!!」
ウインドラ「ほう………、
その有り様でよくそこまで吠えられるな。
自分の立場が分かっていないようだな。」
ラーゲッツ「!!
こんなもん!!
………!クソッ!!」
タレス「無駄ですよ。
その手錠は元々アンタ達が作ったものだからその高性能さはアンタならよく知ってますよね。」
ラーゲッツ「ぐっ………!?
………チッ………。」
一旦落ち着くラーゲッツ。抵抗は諦めたようだ。この状態でラーゲッツに打てる手は無いのだろう。
セレンシーアインでランドールが自分の腕を切り落として逃亡を謀ったこともあって手錠を破壊できそうな武器の類いは既に没収した上でカオス達も武器は近くの茂みにラーゲッツが気絶している間に隠してある。これでラーゲッツが暴れる心配はないだろう。
………だがこれでラーゲッツから有力な話が聞けるわけではないのだが………、
とにかく何かラーゲッツが過去にフリンク族と関係があったことの証明になる証言を詰問しようと………、
ラーゲッツ「………ん?
そこのお前、
そいつぁ大分昔にこの辺で捨てたもんだぜ?」