テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カストルへと戻りレイディーから封魔石の情報を聞き出していると思わぬ名前が上がり…
安らぎの街カストル 裏路地
「え!?」
「バルツィエ……?」
「あの最悪の………!?」
「田舎者でもやっぱ聞いたことあるようだな。
あのバルツィエだよ。
奴等が薬の開発者だ。
極刑されたのも嫉妬心に刈られて下手なことを呟いたうちの研究仲間だった。」
「………実は。」
「………タレス?」
「どうした泣き虫。」
「………ボクの村を襲ったのもバルツィエと名乗っていました。」
「!?」
「おうおうお前の村はバルツィエを怒らせるような何をしたのかねぇ?
と言っても気に入らねぇ端の村を掃除することなんかバルツィエにとっては日常茶飯事だ。
バルツィエにとっちゃお前の村も今まで潰した村の一つにしか過ぎねぇだろうよ。」
「!?………ボクの村は………。」
「いいのですよタレス無理をしなくて。
話は私達で聞きますから。」
「いえ………ボクも聞きます。
バルツィエはボクにとって………。」
「ハハハハハ!
復讐心に燃える熱き少年だなぁ!
返り討ちにされて打ちきりだろうが。」
「レイディーさん!無神経ですよ!」
「無神経だろうが神経があろうがそれが事実それが未来だ。
ワクチンを作れるだけあって奴等には怖いものなしだ。
今のこの国の王が誰か知ってるか?」
「そんなの……知りませんよ…。」
「ダメだなぁお前ら。
いいかガキ?
よく聞いとけ。
今のこの国の王はもとは女王からの婿取りだがそれでも女王と同等に権力はある。
そしてその王は………バルツィエの出身でもあるんだ。」
「!」
「王がバルツィエ!?」
「当然今は名字は変わってるがな。
それでも奴等に王家への強い繋がりがあるのは確かだ。
バルツィエはこの国の古くから存在する武装専門の一団だ。
強いうえに権力もあっておまけに薬までも作れちまう。
薬を独占されたら誰も逆らえねぇのさ。
そうヴェノムでさえもな。」
「ですがそんな横暴民が反発しない訳が…」
「流石にまだ独占はしてないがな。
だが奴等を頭から押さえ付けられるような奴はいねぇ。
なんせこの国の頭が奴等だからな。
民衆の方が頭を押さえ付けられてるようなもんだ。
過去にバルツィエの素行に文句たれた奴はいたよ。
そいつらみんな消されちまって終わったけどよ。」
「そのバル………その方々はどうしてそこまで非道な行いを?」
「非道だって分からないんじゃないか?
叱ってくれる先生でもいたら子供だったら学ぶことも出来そうだがあいにくとそんな出逢いもなく奴等は大人になっちまった。
今更誰に何を言われようが煙たいとしか感じられない大人にな。
いずれにしても仕方のないことなのかもな。
強いってことは戦争の世の中唯一の正解だ。
奴等が増長したところでそれを咎められるような奴でも現れない限りこのままだろ。
百年ほど前にバルツィエにもそんな奴が現れたんだけど臆病風に吹かれてどっかに逃げ出しやがった。
マテオに生まれたならバルツィエには逆らうだけ無駄だと弁えとけ?
もしかしたら連中だけでダレイオスと戦争出来るくらいには強いって噂だ。
ダレイオスよりも先にワクチンも作った今バルツィエがいつダレイオスに宣戦布告してもおかしくはねぇ。」
安らぎの街カストル 酒場
「学者様の仰る通りネイサム坑道のヴェノムは退治してありました。
これは謝礼金です。
受け取ってください。」
「ハハッ!儲けもんだぜ!
いっちょ一杯ぐいっと行ってみようかね!?」
「………してそちらの方々は今朝学者様と………」
「あぁ、気にすんな。
ただの連れとのじゃれあいだったんだよ。
ちっとばっかしレベルが高いとそっちも派手にやらかしちまうから加減を覚えねぇとな!」
「学者様のお連れでしたか。
それではなるべく他のお客様もございますのでお静かにお願いしますね?」
「おう!迷惑かけたな!」
「こいつが報酬金だ。
有り難く受け取りな。」
「………どうしてレイディーさんがそのように偉そうなんですか!?」
「?
アタシ偉いだろ?」
「今の貴女は研究者ではなく只の一般人です!」
「まぁそうなるな。」
「レイディーさんはこれからどうするんですか?」
「何だよ女の予定を知りたいなんて惚れちまったかアタシに?」
「カオスが貴女を好きになるわけないじゃないですか!!」
「分からねぇぞ~?
こんなキーキー五月蝿い女よりかはアタシの溢れんばかりの大人の魅力がこの坊やには眩しく映ってるかもだぜ。」
「何を仰って!?………それは私には大人の魅力がないということですか!!?」
「あぁ、固いしな。」
「貴女は人に対して言ってはならないことがあると言うことをお教えしなければなりませんね!」
「止めとけってまた追い出されるぞ?」
「……!後で貴女には付き合ってもらいます!」
「気が向いたらな。
アタシは後明明後日にはアンタらが言っていたその殺生石とかいうののところに行く予定になった。」
「殺生石に?」
「アタシの知的好奇心をくすぐんのさ。
ヴェノムの感染を防ぐだけでなく殺す力まで持つ力。
そいつの解明をしてみたいねぇ。」
「殺生石はもう機能してませんよ?」
「んなこたぁ聞いたよ。
だがその石があるところはアンタらと同じでヴェノムに感染しないって奴等がいるんだろ?
十分研究材料にはなるさ。」
「レイディーさんは研究を辞めたんじゃ…」
「辞めたのは研究室でヴェノム自体の研究は辞めたつもりはねぇよ。
あそこにはこれ以上次に進むステップは踏めねぇからな。
アタシ自身研究しといて途中で放り出すのも目覚めが悪い。
アタシはアタシでヴェノムを追いかけるよ。」
「その言い方ですとミストの人達に何かするみたいですけど…。」
「あぁ、採血くらいはするかもな。
かもじゃねぇや。
採血するぜ?」
「無理矢理ですか?」
「アタシもただで採血しようって思っちゃいねぇさ。
金ぐらいははずむ。」
「あの村はお金で動くような人はいませんよ?」
「故郷愛が重てぇなぁ。
そんなん人の心のうちなんか見抜けねぇだろ。
仲のいい奴等が善人と信じたい気持ちは分からんでもないが所詮金を積めば「あの村はお金とは無縁の地なのでお金の価値なんてありませんよ。」」
「そういえばそういう話してたな。
じゃあどうすっかなぁ…」
「……ミストに行くのならミシガンという女の子を探してください。
僕の名前を出せば協力はしてくれると思いますから。」
「ミシガン?
お前の何だよそいつは?」
「幼なじみです。」
「はぁん?連れてる女じゃ飽きたらず故郷にも女がいるのか。
奥手そうで出すとこ出してんだなぁ。
人は見掛けだけじゃねぇなぁ。」
「レイディーさん!口が悪すぎますよ!?
カオスがせっかく教えてあげたのに!」
「情報はありがとよ、それじゃあこっちも助言入れとくぜ?」
「助言ですか?」
「お前らのその力、誰彼構わず聞き回ってるみたいだが人は選んだ方がいいぞ?
とくに王都付近じゃあなぁ。
そのヴェノムに対抗できる力、聞けば聞くほどバルツィエの連中に都合が悪い。
連中が知れば迷わずお前らを消しに来るぞ。
あの遺跡にいたガーディアントに苦戦してるようじゃ尚更だ。
消されたくなけりゃ大人しく地道に他の類いを探し歩きな。
この大陸はそうとう広いがな。」
「これからどうしますかカオスさんアローネさん。」
「掲示板は朝追い出されたのでもうクエストは残ってませんね。」
「そうではなくこれからの旅の予定です。」
「予定?」
「レイディーさんの話が真実なら封魔石のことはもう進展は無理そうですし王都にいく理由も…。」
「……」
「いや、このまま王都に行こう。」
「カオスさん?」
「何も封魔石のことだけじゃないだろ?
アローネの国を探すことやタレスもバルツィエを捜すって目的もあるんだ。
僕の目的はなかったみたいだけど何か手掛かりがあるかもしれないしね。」
「カオス…。」
「今日はクエストないみたいだし明日まで自由時間にしない?
お金も丁度あるから三人で分けて夜までフリーにしよう。」
「ボクは食事さえ出来れば…」
「何言ってるんだよタレスは同じ仲間なんだから分けるのは当然だよ。」
「そうですよタレス私達の仲なんですから遠慮は不粋ですよ。」
「お二人とも………有り難うございます。」
「じゃあちょっと僕見て回りたいところあるから!」タッタッタッ
「カオス……」