テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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治せぬ傷

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………………………カーヤ…………………………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カーヤの行動に何も反応することができなかった。一瞬よぎったフラット達フリンク族への報復を警戒してフラットを守りに入ろうとしたらフラットとは別の方向へと走っていったカーヤ。そのカーヤはあろうことかカオスから奪い取った剣で、

 

 

 ()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう………、

 カーヤは自決を謀ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネタレスミシガンウインドラ「「「「………!!」」」」

 

 

 アローネ達四人もカーヤを守るべくしてフラットに立ち塞がったのに何事かと振り返った彼等の背後で起こった出来事に困惑して固まっている。カーヤは人に戻った。これで彼女からヴェノムウイルスが蔓延することは無くなった。これで彼女は他の者を無闇に殺すことも無くなった。これからは自由に色々なところを歩いて行けるようになった。彼女はもうこの先誰も傷つけることは無くなったというのに………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ『()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ『死ねる体になった。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「…!!」

 

 

 カオスはカーヤの言葉を思い出した。カーヤをこの山で始めに見付けた時カーヤはそんなことを呟いていた。そしてカーヤは先程もヴェノムウイルスを取り払った時に同じことを口にした。

 カーヤは………、

 

 

 生きる希望を持ってなどいなかったのだ………。

 

 

 カーヤはカオスのように自らが生まれた街の防人をしていた。カオスはそのことから彼女に親近感を感じカーヤが自分と同じ様な気持ちを抱いていると考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その考えは間違っていた。カーヤとカオスでは絶望の度合いが大きく違っていた。

 

 

 カオスはミストを罪悪感から守り続けてきた。そこはカーヤも同じだった。カーヤによって犠牲になったのはカーヤの母親のロベリア一人でカオスのように大勢を死なせてしまったわけではなかったがそのことを責められカーヤはフリンク族に従うしかなかった。カオスもカーヤも異質な力を得てしまったばかりにそんな不幸な日々を送るしか無かった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなカオスとカーヤの二人の決定的な違いが二つ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスには精霊が宿りカーヤにはヴェノムが宿ったことと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスにはミシガンやウインドラという想うべき人達がいたのに対してカーヤにはそういった人達が一人もいなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女はカオス達がフリューゲルを訪れるよりもずっと前から死にたかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは精霊が宿ろうとも決して不死身、傷つかない体になったわけではなかった。死のうと思えばいつでも死ぬことができた。………しかしいつでも死ねるというのならせめて大事に思っていたミシガンや消息を眩ませたウインドラがその後穏やかに暮らせているのかが気になり進んで死のうとは思えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………だがカーヤにはそんな人達がいない。カーヤには心の支えとなるような人達が誰一人としていない。カーヤが生にしがみつく理由がない。だというのにカーヤは自分では死ねない体になっている。彼女は生きる希望もなくただただ絶望しかなかった。いくら自身を傷付けようとも自動で再生する体を持った彼女はいつしかこう考えるようになっただろう………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな自分を苦しめるだけの世界しかないのならこんな世界から逃げ出したい………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして()()()()と………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「……ッ!!?

 ……い………たい………!

 ……………けど………やっと………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………やっと………終われる………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 腹部を貫く剣の痛みに苦しみながらもカーヤは自身の終わりを迎えられることに喜びを見いだしているようだった。

 

 

 

 

 

 

 カオスはやっとカーヤの心情を理解した。カーヤの絶望はカオスが想像もできないほど大きく深い闇に呑まれていた。類似した境遇から親近感を抱いていたカオスもカーヤが死を望むほどの絶望を抱いていたとは想定てできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………カオスは自分がカーヤの自殺の道を開いてしまったことに強い後悔を感じ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「『ファーストエイド!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「!」

 

 

 皆がその場に立ち尽くす中誰よりも早く硬直が解けたのはアローネであった。アローネは直ぐにカーヤに駆け寄りカーヤの傷を治そうとファーストエイドを付加する。

 

 

ミシガン「………!

 『ファ、ファーストエイド!!』」

 

 

 アローネが動いたことによってミシガンも我にかえりカーヤの治療を補助する。

 

 

ウインドラ「……!

 出血がひどい!!

 剣が刺さったままで治療術をかけ続けても傷口は開いたままだと出血が止まらないぞ!!

 一度包帯か何かで出血を抑えて剣を引き抜こう!」

 

 

タレス「包帯ならここにあります!!

 これを体に巻けば出血を止められますよ!!」

 

 

アローネ「助かります!!

 それでカーヤを………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオス!!

 何をなさっているのですか!?

 貴方もカーヤの治療を!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………俺のせいでカーヤが………自殺を………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺のせいでカーヤが………、)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウインドラ「怪我人がいるんだぞ!

 ボサッとするな!」

 

 

アローネ「私達の治癒力だけではこの傷は完全には塞げません!!

 どうかカオスの力でカーヤを……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「わ、分かった!!

 直ぐにやるよ…!!」

 

 

 一旦余計なことは頭の隅に追いやって今はカーヤの治療に専念しなければならない。腹部に突き刺さった剣を抜いて即刻ファーストエイドをかければ傷は塞げるだろう。

 

 

ウインドラ「俺が剣を引き抜く!

 剣を引き抜いたらカオスは全力でカーヤにファーストエイドを付加するんだ!

 準備はいいな!?」

 

 

カオス「あぁ!

 いつでもいい!!」

 

 

ウインドラ「………よし!

 一、二の………、

 

 

 三ッ………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズボッ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カーヤの体から剣が引き抜かれる。剣を抜いたらそれに引っ張られたかのように血が溢れだした。早く傷口を塞がなければ出血死してしまうだろう。

 

 

カオス「『癒しの力を我らに!!ファーストエイド!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァァ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは全てのマナを使いきるつもりでカーヤにファーストエイドをかけた。カオスの力は食いちぎられた腕すら完璧に修繕する力を持っている。その力を本気で使用すれば腹部の傷口など簡単に………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………!!?

 そんな………どうして………!?」

 

 

アローネ「カオス……!?

 早くカーヤに術を「やってるよ!!」!?」

 

 

カオス「やってるんだ!?

 カーヤにファーストエイドをかけてるんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも何でか()()()()()()()()()()()()()!!?

 カーヤの傷が俺の術を弾くんだ!!」

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