テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 六年前
カーヤ「………ママ、どうしたの………?」
ロベリア「え!?
何が………?」
カーヤ「ママ………歩き方が何か変だから………。」
ロベリア「こっ、これは………!!」
カーヤ「もしかして怪我してるの?
怪我してるなら………カーヤが治してあげようか?」
ロベリア「…ダイエットだから!?
もう少し先に行ってから治すから今はいいよ!」
カーヤ「………?」
ロベリア「………」
カーヤの心遣いには感動する。こんな小さな子供が気を使って治療を申し出てくるのだからやはりこの子はどこからどう見ても普通の子供と変わりないのだ。こんな優しい子供を復讐に利用しようとしていた過去の自分を殴り付けてやりたい気持ちに刈られる。
………そんな優しいカーヤに心配させてしまうほど自分の歩き方は不自然だったか。なんとか不自然さを隠して歩いていたつもりだったが流石に大人が子供と同じ速度で歩いていればカーヤも様子がおかしいことに気付くか。今は一刻も早く避難しなければならないのだから。
カーヤ「………あっ!
ママ見て!
さっきの人達がいるよ!!」
ロベリア「!
本当に!?
もう追い付いたの!?」
カーヤ「だってほら!」
カーヤが指を指した方向には確かに先程の別の村の住人達がいた。ということはもう森を抜けてきたと言うことなのだろうか。
………しかし、
ロベリア「(……いや、
いくらなんでも早すぎる………。
足を怪我した大人とまだ小さな子供の歩幅でこんな短時間で追い付ける訳がない。
あの人達は………多分ただ
………一体何が………?)」
「どっ、どうする!?
引き返すか!?」
「それは危険だぞ!?
俺達はこの森の地理を把握してないんだ!
闇雲に移動すればそれこそ命取りだ!」
「だがヴェノムはすぐそこまで来てるんだぞ!
もう引き返すしか「どうしたの!?」………!?」
ロベリア「何を突っ立てるの!
こんなところで!」
「アッ、アンタは………?」
「他の里の奴か………。
女一人と子供………?」
ロベリア「何してるのこんなところで?
早く逃げないとヴェノムがそこまで来てるんでしょ?」
「それはそうなんだがよぉ………。」
「この先には進めそうにないんだよ………。」
ロベリア「進めそうにない………?
一対何が………、
!!」
ロベリアが追い掛けていた男達の先にあったのは落ちれば命はまず助からないと思われるような崖があった。男達はこの崖があって先には進めなかったようだ。
崖の下の向こうには一色違った森林地帯が見える。あそこがユミルの森なのだろう。
男達とロベリアは道を間違えてしまったようだ。
「………な?
ここから先には進めそうにないんだよ。
だから俺達は一度引き返そうかとしてたんだが………。」
「またここみたいなことになると今度こそおしまいだ。
ヴェノムはもうすぐそこまで来てるんだ。」
「アンタ………、
この辺の………あのフリューゲルの住民だよな?
こっからあそこまで行けるルート知らないか?」
ロベリア「って言われても………。」
ロベリアですらこのリスベルン山は中々訪れる機会がなかった。非常時にここに避難するくらいにしかフリューゲルでは伝えられてなかったためここからユミルの森に向かうルートなどロベリアには………、
カーヤ「ママ………。」
ロベリア「どうしたら………。」
カーヤ「ママ?」
ロベリア「………」
カーヤ「ママ!!」
ロベリア「………ん?
どうしたのカーヤ。」
カーヤ「ここを降りられないの?」
ロベリア「…降りたいのはやまやまなんだけど………。」
「お嬢ちゃん………こんな高いところから降りるってそりゃ無理だよ………。」
「そうそう、
こんなところから飛び降りようものならそれだけで死んじまうよ。」
「ロープとかあればそれもできるだろうが俺達はそんなものは………、
………何かこのお嬢ちゃんマナが異様に高くないか………?
まるでこれは………。」
カーヤ「だったらカーヤに任せて!
カーヤなら………、
ママもおじさん達も一緒に降ろしてあげられるから!」
そう言ってカーヤは………、
バシュンッ!!
「「「!!!?」」」
ロベリア「!!?」
持っていたバッグからレアバードを展開した。
ロベリア「………カーヤ、
これ家から持ってきてたの?」
カーヤ「うん。
おじいちゃんがこれは大事な物って言ってたから無くさないようにカーヤが持ってきたの。」
ロベリア「そりゃ大事な物
いつかバルツィエが攻めてきた時に空から一方的に攻撃されては部が悪い。ということでこのレアバードについてはカーヤに将来的に渡してフリューゲルを守ってもらうようにとっておいたのだが………、
ロベリア「………まぁいいか。
これで下に降りられるのならそれで「うわああああああああああっ!!?」」
「「「バルツィエだああああああああああッ!!!」」」
男達は叫び声を上げながらその場から逃げ出した。
ロベリア「あっ!?
ちょっと………!?」
カーヤ「?
乗らないの?」
ロベリア「………あの人達は………。
………まぁいいか………。
勝手に逃げていったんだから仕方無いよね。」
カーヤ「?」
ロベリア「…それでカーヤ………。
これにはママも乗せて飛べるの?」
カーヤ「二人乗りは試したことないけど………。
ロベリア「そっか………。
じゃあママを下まで乗せていってくれるかな?
ママこのままじゃ下まで降りられないから。」
カーヤ「うんいいよ!」
一先ずはこれで崖下には降りられるだろう。
………欲を言えばこのままユミルの森まで飛んでいくのが理想的なのだが………。とは思いはしたがこのレアバードですらもマナを発しながら飛行する乗り物だということは知っている。いかにスピードが早いといってもこれに乗りながらユミルの森に向かえば今度はユミルの森にヴェノムがやって来る。匿ってもらう手筈のアインワルド族を無用に危機に晒すわけには行かない。ここは崖下に降りるだけでいいだろう。
ロベリアとカーヤはレアバードに搭乗する。
ロベリア「…よし、
じゃあカーヤ、
落ちないようにゆっくりと下に「ヴェノムだああああああああああ!!!」!?」
先程自分達から逃げていった男達が戻ってきた。
「ジュウウウウウウゥ!!!」
男達のすぐ後ろにはヴェノムがいた。
「!!バルツィエの……!?」
「……この際バルツィエでも何でもいい!!
俺達もそれに乗せてくれ!!」
そう言って男達はこれから降りようとしていた二人の乗るレアバードに飛び乗ってきた。
ロベリア「え!?
ちょっ、これそんなに多くは乗れな……!?」ガクンッ!!
カーヤ「…!?
バランスが………とれない!?」
急に三人の大人の重量が加算されたレアバードは安定が保てずに………、
崖の下まで落下していったのだった………。