テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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カーヤ、ロベリアと一時の別れ

リスベルン山 六年前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「………ぅっ………いたたた………。

 ………!?

 カーヤ?

 カーヤ大丈夫!?」

 

 

 レアバードで崖下まで降下しようとしたらカーヤに驚いて逃げていった他の村の住人達三人がヴェノムを引き連れて戻ってきてあろうことか三人が一斉にレアバードに飛び乗ってきてそのせいでロベリアとカーヤと男達は一気に崖下まで落ちていった。いち早く気がついたロベリアはカーヤの無事を確認しようとするが………、

 

 

カーヤ「………ママ………。」

 

 

ロベリア「カーヤ!!」

 

 

 カーヤは無事だった。カーヤがいたのは崖下にはあった木の上でロベリアと男達は木の枝をへし折りながらなんとか落下の衝撃を和らげながら落ちたため地面にまで到達してしまったがカーヤは体重が軽かったため木に引っ掛かって地面に叩きつけられるようなことはなかったようだ。

 

 

ロベリア「……よかった………、

 カーヤが無事で………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつっ!?」

 

 

 カーヤの無事を確認して気が抜けた瞬間不意に腕に激痛が走る。見れば右腕が赤く腫れ上がっており痛々しい血が流れ出していた。

 

 

ロベリア「(あぁ………、

 そういえば落ちてる時に痛む足を庇って手でちゃくちしようとして失敗したんだなぁ………。

 ………どんどん怪我が増えていく………。

 これじゃあその内両足ともやっちゃうかもねぇ………。)」

 

 

 ロベリアは現時点で右腕と左足を負傷している。コンディション的にはあまり動くのはよくないのだが頭上を見上げればヴェノムが崖上から降りてきそうだった。ヴェノムが降りてこない内に早く逃げなければ………、

 

 

 痛みを感じることによってロベリアは逆に頭が冴えていた。ここにいるのは子供一人と気絶した大人が三人………、

 

 

 そして意識のある自分の五人だ。ここで自分がとる行動は………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボドンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジュウウウウウウゥ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴェノムが崖上から飛び降りてきた。不定形のスライムのような体は落下による衝撃はさほど気にすることもないのだろう。いよいよヴェノムに追い付かれてしまったところでロベリアは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「『ファーストエイド!!』」パァァッ…

 

 

 自らの足にファーストエイドをかけて足の痛みを軽減させた。

 

 

 ………そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「『ファーストエイド!!』」パァァッ…

 

 

 再度ファーストエイドを唱える。今度は右腕だ。ロベリアは自分の負った怪我を治しながら駆け出した。

 

 

 

 

 

 

カーヤ「ママ!?

 どこにいくの!?」

 

 

 自分を置いて走り出したロベリアにカーヤが呼び止める。

 

 

ロベリア「カーヤ!!

 そこの人達を起こしてユミルの森に先に行ってて!!」

 

 

カーヤ「ママは!?」

 

 

ロベリア「ママを後から追い付くから!!

 こいつを適当に巻いたら必ず追い掛けるから!!」

 

 

 ロベリアは自らヴェノムを引き付ける囮役を買ってでた。ヴェノムはロベリアが発した術に引き寄せられるようにロベリアを追跡していく。

 

 

 

 

 

 

ロベリア「(……!

 ………まだ怪我は完全には治ってないけど走れるくらいには余裕ができた………!

 後はあの人達とカーヤが逃げてくれればいいんだけど………。)」

 

 

 ロベリアは一児の母であると同時にフリンク族の長の娘でもある。同胞が危険な目にあっていればそれを助けなければならないという使命感があった。だから瞬時に状況を整理して全員が助かる効率的な選択をしたつもりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「(……ヴェノムは………、

 

 

 ………ちゃんと私に付いてきている。

 走り続けていれば追い付かれることはなさそうだね。

 ………後は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()だけど………。)」

 

 

 

 

 

 

 フリンク族はあまり戦闘が得意ではない。戦闘が得意ではないというのは彼等が他の部族に比べて長時間または魔術の使える回数が少ないからだ。彼等は自分達の弱さを自覚している。そういった理由あってからか普段滅多に魔術自体使用することがない。それ故に………、

 

 

 

 

 

 

 戦闘を避けてきたフリンク族はマナという命そのものを削って超常的な力を発する魔術を使用する極端に疲労を感じてしまう。

 

 

 フリンク族の大人が使える魔術の使用限界数は一日平均して五回前後………。五回しか使えないということはロベリアは残り三回、多くて四回ほど残っている計算になるが二回使ってしまったロベリアは()()()()()()()退()()()()()()それは全身にとてつもない虚脱感や疲労感に襲われていることだろう。

 

 

 追加でこの山への道中とユミルの森へ向かう道中でも慣れない長距離移動で精神と肉体両方に負荷がかかっていた。実質的にロベリアが自由に動き回れるのは健常時の半分以下程度に低下している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロベリア「(………カーヤ………、

 ママは貴女を無意味な復讐に巻き込もうとしていたけど今はもうそんなことは考えてない………。

 カーヤはカーヤらしく生きていればそれでいいの………。

 ………いつか貴女にそのことを笑って話せる時が来たらいいな、って今は思うよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………なんてこんなこと今考えることじゃないよね。

 どうしてこんなことを今考えたんだろ私は………。

 ちょっと不安になってるのかな?

 私がこのヴェノムから逃げ切れるかどうかに………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………ママは絶対に生き残るからね!!

 カーヤもその人達を連れて安全なところに早く逃げて!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時ロベリアがそんな暗くもあり明るくもある過去の話をカーヤに伝える未来は訪れなかった………。

 

 

 

 

 

 

 この後に二人に待ち受けていたのは今生の別れ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それだけだったのだから………。

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