テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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ロベリアを探しに

リスベルン山 六年前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「ママ………!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………ママが………行っちゃった………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 母親が突然自分を置いてどこかへと去っていくのを眺めているだけしかできなかったカーヤは不安に押し潰されそうになる。これまでカーヤは母親と祖父の三人で生活をし一人になる機会は全くと言っていいほどなかったからだ。その理由は自身の中に流れる血が原因だということはカーヤも理解していた。カーヤは他のフリンク族達とは違う血が混じった混血だ。父親が誰なのかは何となく聞いてはいけないことなのだと察して聞くことはなかったがそれでもそれが理由で自分は周りから浮いている存在だということは分かっていた。カーヤは自分が周りから浮いているのであれば自分が接する人は母親と祖父の二人だけでいいと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな思考に陥っているというのに母親からここで気絶している三人の男達を安全な場所まで誘導しろと命令されてしまった。非常時とはいえコミニュケーション能力に欠ける自分になんという酷なことを言い付ける母親なのだろうとカーヤは内心で母親に愚痴を溢す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それでもカーヤは母親の言い付けに従うことにした。母親が自分にそれを頼んできたということはカーヤを頼りにしていると言うこと。母親から頼られた、期待に応えたい。子供心に親孝行したいという思いからカーヤは男達を母親の言う通りに安全な場所まで連れていくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「(ママは心配だけど………大丈夫だよね?

 ママだもん………。

 ()()()()()()()に追いかけられててもママならきっと大丈夫………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時カーヤはヴェノムについてそこまで深く危険な生物であるということを認識していなかった。ロベリアとナトルの庇護下で大切に育てられたカーヤはヴェノムどころかモンスターとすらまともに遭遇したことがなかった。当然フリューゲルの周りにもモンスターはいたのだが大抵は母親が遭遇する前に危険なモンスターの気配を察知してモンスターが見える前にカーヤを退避させるのとモンスターであってもカーヤよりも体の小さなラビットやチャイルドボア等を遠目に見物したことがあるくらいだった。

 

 

 先程ロベリアを追いかけていったモンスターは体の大きさが自分よりは大きかったが大人よりかは少し小さめのサイズだった。どうして大人達があんなモンスターを怖がっているのか理解できなかった。

 

 

 このような考えに育つ子供は実はダレイオスではそう少なくはない。子供が本当にそれを危険なものだと知るのはそれの危険性を目の当たりにしなければ中々イメージできないのだ。ダレイオスはマテオに比べてヴェノムによる災害は多い。マテオも決して少ないとは言い切れないがマテオでは封魔石などのヴェノム対策が施されているためマテオの方が必然的に災害は少なくなる。それに対してダレイオスでは未だに時間でやり過ごすくらいの対策しか立てられていない。ヴェノムに遭遇したら直ぐに逃げるかヴェノムが這い上がってこれないような高所に逃げるしか手はないのだ。そうした方法しかダレイオスにはないためにダレイオスの住民達はマテオの住民の数倍はヴェノムに対する警戒心が強いのだ。警戒心が強いダレイオスの住民達は先ずヴェノムの近くにはいかない。ヴェノムに触れてしまえばそこから災害が拡大するためだ。

 

 

 だからこそ大人達は子供が無警戒にヴェノムに近寄らないように見張る。そして子供達はヴェノムがどのように危険なのか知らずに育つ。カーヤもその例に当てはまっていた。カーヤの場合はヴェノムだけじゃなくフリンク族の住民達からも疎ましく思われているためロベリアは一時もカーヤの側を離れることはなかった。おかげでカーヤは命の危険に晒されるようなそんな事態に陥ることはなかった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………今この現状が初めての危険との遭遇だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「……とっ、とにかくおじさん達を起こさなきゃ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけど………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」「っ………」「すぅ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「(どうやって起こせばいいのかな………。)」

 

 

 カーヤはフリューゲルにいた時でさえ他人と接することがなかった。母親と祖父以外で話をするのも今回が初めてだ。まだ会話自体が始まってはいないがカーヤは緊張で喉から上手く声が出せなかった。

 

 

カーヤ「………ぁ………の………。」

 

 

「「「………」」」

 

 

 か細い声がカーヤから発せられるがこの程度の声量では男達が起きる気配はなかった。

 

 

カーヤ「………」

 

 

 カーヤはどうしたら男達が起きるのか考えた。自分が普段どうやって起こされているのか思い出してそして………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィイイイイイィィィィィィィィンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レアバードの起動音を立てて男達が目覚めるのを促してみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………!?うおっ!?何だ!!?」「何だ何が起こった!?」「!そうだ!確かバルツィエの子供が………っているし!!?」

 

 

 カーヤの作戦が成功し男達は目を覚ました。後は男達を安全な場所に連れていくだけなのだが………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「うわああああああああああああああッ!!!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「あっ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ました三人の男達はカーヤに気付くとカーヤから逃げるように走って逃げていった。御丁寧に男達が逃げていった方角は先程崖の上から見下ろして確認したユミルの森の方向だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーヤ「(……ママにあの人達を安全なところに連れていくように言われてたけどママが言ってたユミルの森とかいうところにあの人達だけでも行けそうだね………。

 ………じゃあ後は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ママを探しにいかないと!)」

 

 

 男達の面倒を見る必要がなくなったカーヤはロベリアを探すことにした。ロベリアがいないと一人で心細かったためロベリアが走っていった方向にカーヤはレアバードで飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その先に待ち受けていたのはこれからのカーヤが地獄の日々を過ごす羽目になった決定的な出来事が待ち受けていた………。

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