テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 六年前
フィイイイイイィィィィィィィィンッ!!
カーヤ「ママ……!!」
カーヤはあれからレアバードでロベリアを必死になって探した。カーヤの推測ではまだそこまで遠くには行ってないはず、まだ近くにはいるはずだ。そう思いロベリアを追っていったヴェノムの残した地面の這いずり痕を辿っていった。この痕の先に先程のヴェノムというモンスターとロベリアが………、
ヴェノム「ジュウウウウウウゥ!!!」
カーヤ「!」
思いの外ロベリアを追跡していたヴェノムに早くに追い付いてしまった。ヴェノムはカーヤが接近してきたことによりカーヤに狙いを定めて近付いてくる。
………しかし、そこにはロベリアの姿はなかった。
カーヤ「………ママは………?」
ヴェノム「ジュウウウウウウゥ!!」
カーヤ「………ママはどこなの………?」
ヴェノム「ジュウウウウウウゥ!!!」
カーヤ「ママは………。」
ヴェノム「ジュウウウウウウゥ!!!!」
カーヤ「………ママはどこに行ったのッッ!!!」
パアアアアアアアアアアア…!!
カーヤはロベリアの姿を確認できなかったことで目の前のヴェノムがロベリアを捕食してしまったのだと思った。
そのことでカーヤはヴェノムに激昂しヴェノムへ魔術を炸裂させた。
カーヤ「『ファイヤーボールゥゥゥゥ!!!!』」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!!!!!
ヴェノム「ジュブッ………………!」
カーヤのファイヤーボールによってヴェノムはバラバラに飛散し弾けとんだ。
カーヤ「……ハァ………ハァ………!!
………………………………………、
………………ママ………!」グスッ
カーヤは目尻に涙を貯めて母親の名を呼ぶ。自分はたった今母親を失ってしまった。そのことに深い悲しみとこれから先母親がいない絶望感にうちひしがれるが………、
「ジュウウウウウウゥ!!!!」
カーヤ「……!?」
「ジュウウウウウウゥ!!」「ジュウウウウウウゥ…!!」「シュウウウウウウウウウ!!」「ジュウウウウウウゥ!!!」
カーヤ「……!?
なっ、なんでまだ………!?」
カーヤがバラバラに吹き飛ばしたヴェノムが再度カーヤへと迫る。体が複数に分かれようともそれをものともせずに這いずり寄ってくるヴェノムの姿にカーヤは恐怖が込み上げてきた。
体が散ろうとも死なずに獲物へと突き進む不死の生物ヴェノム。大人達がこの生物を危険視しているのはこの並外れた生命力があるせいだからか………、
カーヤ「………!」
気が付くとカーヤはヴェノム達に囲まれていた。飛び散った個体がカーヤを包囲し逃げ道を塞ぐ。
カーヤ「うっうぅぅぅ……!」
カーヤは急に怖くなってその場に屈みこみ目を閉じた。怖いモンスターは目を閉じて再び目を開けた時にいなくなるのを願って………、
だが現実がそんな都合のよくなることが起こることはない。ヴェノム達は屈もうが目をつぶろうが関係なくカーヤに襲い掛かろうとして………、
「カーヤ!!
ボーとしてないで上に飛ぶの!!」
カーヤ「!!」
カーヤのいた場所の上の方からカーヤに向けて声がかかった。その声は生まれた時からずっと聞いてきたというのに聞き飽きることはなく今もっとも聞きたかった声だった。
ロベリア「カーヤ!!」
カーヤ「ママアアアアアッ!!!」
フィイイイイイィィィィィィィィンッ!!
カーヤはロベリアの指示に従いレアバードを使って飛翔する。
カーヤ「ママ!!掴まって!!」
ロベリア「はいよ!」
ヒュッ!パシッ!
ロベリアはカーヤがレアバードで飛び上がって来たタイミングでレアバードの真下に
カーヤ「ママ………!
無事だったんだね………!?」
ロベリア「なんとかね!
さっきの人達はどうしたの?」
カーヤ「起きたらあっちの方に行っちゃったよ!」
ロベリア「あっち?
あっちは………ユミルの森の方だね。
上々!」
カーヤ「ママ!
そこ掴まり辛くない!?
こっちに乗りなよ!」
カーヤはロベリアがレアバードの真下にぶら下がっているのを見て掴まっている手が滑りでもしてロベリアが空中から落下してしまうことを懸念してそう言うのだが………、
ロベリア「平気!!
このままユミルの森まで飛んで!!」
カーヤ「でも………。」
ロベリア「いいから!
ユミルの森はもうすぐそこに見えてる!
今はユミルの森に辿り着くことだけを考えて進んで!!」
カーヤ「………うん。」
ロベリアはそう言うがカーヤはロベリアのことが心配だった。先程ロベリアは腕と足を負傷していたはずだがそれはどうなったのだろうか?治療術は術者の能力の度合いで回復効果が上下する。治療術自体はロベリアは使えるようだがそれでも精度はそこまで高くない。家によく顔を見せに来るフラットが代わりにロベリアを治療するくらいだ。先刻ヴェノムから逃げる際に応急措置として治療術を使っているのは見たがあれで完治できたのだろうか………?
カーヤ「ママ………。」
ロベリア「………」
カーヤ「ママ………?」
ロベリア「………!
だっ、大丈夫だから!
私のことは気にしなくていいから早くユミルの森に………!」
カーヤ「……うっ、うん………。」
ロベリアから急かされたためにカーヤはユミルの森に飛ぶことに専念した。よく考えれば腕と足を負傷していたままでいたのなら木の上に登ったりレアバードに飛び移ったりこうしてレアバードに掴まっていられる訳がない。怪我自体が大したことなかったのだろう。そう思うことにした。
ロベリア「(………しくったなぁ………。
とうとうこの時が来たのかぁ………。
まだもう少し
………ごめんねカーヤ………。
…もうママは………カーヤに