テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ユミルの森 六年前
カーヤ「………?
何でカーヤの血が………?
………それに………、
(………ぶたれたのに全然痛くない………?どうして………?)」
フラット「………やっぱりお前だったんじゃないか!!!
お前がヴェノムに感染してロベリアに移したんだ!!
お前の感染したウイルスがロベリアに移ってそれから………!?
………もしかして僕にも………!?」
ナトル「!?」
もしカーヤからロベリアに移ったのであればロベリアとカーヤの二人と合流した時既にカーヤは感染していたことになる。………とすればナトルとフラットは感染していたカーヤに触れてしまったことになるが………、
ナトル「………フラット………、
体に変化はあるか?
何か不調を感じたりは………?」
フラット「………いいえ、
僕は特には………。
………ロベリアが亡くなってしまったことによる精神的な苦痛以外には何も………。」
ナトル「…それは私もだが………。」
フラット「………どうやら僕と族長には感染しなかったみたいですね………。
………それにしても………、
母親を殺しておきながら自分は生きながらえているなんて………なんて烏滸がましい奴なんだ……!!
カーヤ!!
お前だけヴェノムに感染して死んでればよかったんだよ!!」
カーヤ「!?」ビクッ!
ナトル「フラット!!
もうよせ!!
カーヤに当たったところで無意味だ!
そんなことよりも今はこれからどうするかを……!」ザワザワザワザワザワザワ……!
「なんだどうしたんだ!?」「早くアインワルドのところに向かいましょうよ族長!」「何してるんですか!!」「ヴェノムが近くまで来てるかもしれないんですよ!」「……なんかこの辺りマナが濃いな………?何かあったのか………?」「あれは………ロベリアの………娘と………。」「ん?ロベリアはどうしたんだ………?」「さっきバルツィエの捨てた飛行するやつに乗って飛んできてたよな………?」
フラットの怒りを鎮めようとしていると待機させていたフリューゲルの住人達が中々帰ってこない四人の様子を見にやって来た。
ナトル「……!
何をしてるんだ皆!
向こうの方で待っておくよう言っておいた筈だろう!!」
「族長達が戻ってこないから心配して様子を見に来たんですよ!!
そっちこそ何してるんですか!?
早くアインワルドの巫女の元へ行きましょうよ!?」
「族長が直接話をしないとアインワルドの連中が奥の方に入れてくれないんですよ!!」
ナトル「!
そっ、そうだったな………。
だが今は「皆聞いてくれ!!」!?」
フラット「…たった今………。
族長の娘だったロベリアが………死んだ………!」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ………!!
「ロベリアが死んだ…?」「そんなまさか………!?」「何でそんなことに……!?」「ヴェノムか!?ヴェノムに殺られたのか!?」「……ロベリア………。」「あの子バルツィエの娘なんか育ててて変な子だったけど………。」
フラット「…ロベリアのことについては皆もよく知る通り十年前にマテオのバルツィエが彼女に不幸の種を残していった………。
それなのに彼女はその種を産んで今日まで育て上げていた。
下ろそうと思えば下ろせたのに何故彼女はそうしなかったのか……?
………それには理由があったんだ!!
何故彼女が奴の娘を産んで育てていたかが!!」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ……!!
「理由……?」「気が触れて頭がおかしくなったとかじゃなかったのか?」「バルツィエの娘を育てることに何の意味が………?」
ナトル「(……何を伝えるつもりなんだフラット………?
私はまだ全てを話していないというのに………。)」
ナトルはフラットがこれから皆に話すことがカーヤにとって不味い事態に陥ってしまうことを予見して否定の言葉を挟もうとしたが既に皆はフラットの次の言葉に耳を傾け始めていた。この流れを途中で変えることは族長といえども難しかった………。
フラット「………ロベリアはフリューゲルの………、
私達を守りたいがためにカーヤを育てていたんだ!!
いつかあの男がまたフリューゲルにやって来た時にまた同じ悲劇を繰り返さないように!!
ロベリアはカーヤをあいつに対抗するための武器として育てることを決意していたんだ!!!」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ!!!!
「そんな………。」「ロベリアは俺達のためにそんなことを……。」「あたしあの子にひどいこと言っちゃった………。」「一人でそんな深い事情を抱えていたのか……。」「それを知らずに俺達は………。」「どうしてそれを言ってくれなかったんだ………。」「…けど自分の娘でしょ………?」「何言ってるんだよ望んでできた子供じゃなかったって話だろ?」「…でもちょっと神経疑うなぁ………。」
フラットがロベリアの真意の半分を話した時点でロベリアへの評価は賛否両論であったが聞こえてくる声の大半はロベリアに肯定的な意見が多かった。フラットのロベリアに対する感情を皆知っているためフラットの話がロベリアを擁護する話なのだと分かっているからこそこのような分かれ方になるのだろう。
ナトル「(………ロベリアはもうカーヤを武器にする気は無かったがな………。
………だがロベリアに否定的だった者達の殆どがロベリアに対する評価を改めた………。
………あの子が最期に少しだけ浮かばれたような気がする………。)」
カーヤが生まれてからロベリアに対するあたりが日をおうごとに悪化していくのを見てきたナトルはロベリアが死して同胞達から全ての住人とはいかずとも認められたことに少しばかり嬉しく感じた………………、
………のだが、
フラット「………そんなロベリアの同族を想っての構想は今日あえなく散った………。
………ここにいる道具である筈の馬鹿娘がヴェノムに感染してそれをロベリアに移して殺したことによってなぁ!!!」