テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
リスベルン山 ??? 残り期日七十五日
ナトル「『ファーストエイド。』」
パアアアァァァァァ!!
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「!!?」」」」」
フラット「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!
………………は?」
間の抜けたフラットの声がしたがそれに反応するものはいなかった。それほどまでにナトルがカーヤに対してとった行動は驚くべきものだった。
ナトル「………」
フラット「………………なっ!?何をなさってるんですか族長!!?
カーヤに止めを刺す流れだったでしょうが!!?
何で治療術なんかをカーヤにかけてるんですか!!?」
ナトルがカーヤを治療しようとしているのを見てフラットが抗議の声を上げる。これまでフリンク族の者達は皆がカーヤに対して嫌悪感と憎悪を抱いていると思っていたカオス達もナトルの治療行為に疑問を抱くが………、
ナトル「治療術………………?
………!
………私は何をして………?」
フラット「何して………ってカーヤの傷を治そうとしているじゃないですか!!?
止めてくださいよそんなこと!!
そんな奴治そうとしたってどうせ治りなんかしませんし見ているだけでも腹立たしいんですよ!!」
ナトル「………」
フラット「……ぐっ!!
止めろって言ってんだろおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
ナトル「(………自分でも自分が何故突然カーヤの怪我を治そうとしているのか分からない………。
私が望んでいたのはカーヤの死だったはず………。
なのに何故私は………。)」
パァァァァァァ!!!
スゥゥゥゥ………
アローネ「………………!
カーヤの傷が………!?」
カオス「治っていく………。」
ミシガン「カオスとアローネさんと私の三人がかりでも治せなかったのにどうして………?」
ウインドラ「フリンク族の治療術の技術がそれほどまでに高いということなのか………?」
タレス「いえ、
そんな話は聞いたことがないですよ。
フリンク族は魔術の腕も特に他の部族と比較して秀でている話はボクも聞いたことがありません。」
カオス「じゃあ何で………。」
アローネ「………
カオス「家族の絆?」
アローネ「…カーヤとナトル族長は本来孫子の関係にあります。
カーヤがヴェノムに感染するまでは普通の生活を送っていたようですし彼等に家族としての絆が構築されていてもおかしくはありません。
彼等には私達のような部外者が入り込めないような深い絆で繋がっていてそれが今カーヤのマナの循環抵抗を越えてカーヤに語りかけているのではありませんか?」
ウインドラ「…語りかけるにしてもナトル族長は直前までカーヤに全ての責任を擦り付けようと発言していたんだぞ?
いけら祖父と孫の関係だからと言ってもそんな二人の関係に絆など存在するものか………?」
ミシガン「あぁー、
あれは酷かったね。
本当に血の繋がった家族だったかのかすら疑っちゃうレベルだったもん。」
タレス「一見するとナトル族長も他のフリンク族達と同様にカーヤの死には肯定しているように見えましたけど………。」
アローネ「……恐らく、
先程はフラットさんとナトル族長で
………
ナトル「(………私はどうしてしまったんだ………。
こんなことをして一体何になると言うん)「……うっ………。」!」
カーヤ「………おじ……………………いちゃん………?」
腹部の負傷が治りかけカーヤが意識を回復する。
ナトル「!
カーヤ………。」
カーヤ「………おじいちゃん………?
何で………。」
ナトル「………私をおじいちゃんだなどと呼ぶな。
お前には………………、
………………いや私には、
私はあの時生きていたお前ではなく亡くなったロベリアを選んでしまったのだから………。」
カーヤ「………」
ナトル「…私はどうかしていたんだ………。
私にとってはロベリアもカーヤも等しく大事な家族だったというのに周りの意見に押し流されて私は私を見失っていた………。
私がどうしたかったのか、ロベリアが死んでしまってからお前とどう向き合っていかなければならなかったのか………。
………本当は私の中では答えは持っていたはずなんだ………。
それなのに私は途方もない時間お前を他の皆と同じように酷く扱った………。
こんな私がお前の祖父であっていいはずがない。
家族を蔑ろにして周りの者達にしか目を向けられなかった私が………、
お前の家族であって良いわけがなかったのだ………………。」
長く生きているとどうしても人より経験が多くなりその分恐れることも多くなる。恐れると人は行動を制限されてしまう。それによって自分の意思とは違う道を選んでしまう者もこの世界にはいるのだ。
ナトル「(………やっと………やっと自分を取り戻せた………。
失いたくない家族を失いそうになって漸く私は周りの声よりも家族を失うことの方が恐ろしかったことを思い出せた………。)」