テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ブラーゼン天風道 南部 残り期日七十四日
ガサッ!!
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「!!」」」」
アインワルド族の住まうユミルの森に向けて出発したカオス達は突如草影からモンスターの気配を察知し戦闘体勢に入る。
モンスターの気配からして恐らく相手は一体。いつ飛び掛かられてもいいように皆武器をとるが
バシュンッ!!ガッ!!「ギャンッ!!?」
結局自分達が戦うことは無いのだと直ぐに武器から手を離すアローネ、タレス、ミシガン、ウインドラ。フリューゲルに到着するまで何度も体験したことだ。ある誰かが即座に敵を一刀のもとに捩じ伏せてしまう。
アローネ「(!
またカオスが一人で仕留めてしまったのでしょうね………。)」
タレス「(最近野生のモンスターとまともに戦っていませんね。)」
ミシガン「(楽っちゃ楽だけど………。)」
ウインドラ「(これではいかんな………。
カオスばかりが戦って………またシーグス砦の時のようにいつかなりそうで心配だな………。)」
カオス「………え?」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「ん?」」」」
カオスはアローネ達四人の隣で剣を抜いて固まっていた。その動作はこれから現れたモンスターに斬りかかろうとする初動に見えるが………、
カーヤ「ふぅ……。」
ウルフ「ガフッ………。」
アローネ「………!?
え………!?」
タレス「今のウルフは………カーヤさんが倒したんですか?」
ウインドラ「カオスよりも早く………?」
ミシガン「嘘………。」
カオス「…俺は何もしてないけど………。
これから斬りかかろうとして………。
それでウルフが勝手に………。」
カーヤ「?」
一拍遅れてカオス達五人はカーヤがウルフを瞬殺したことを知る。これまでフリンク領をたった一人で守ってきたのでこれぐらいは可能な範疇なのだろう。
とはいえそれを見せられた他のメンバーは驚かずにはいられなかった。ウルフの体格はそれなりに大きく重量も大人一人分くらいはあるだろう。それをよく見えなかったがカーヤの動作からして
カオス達の旅に強力過ぎる仲間が加わったのを感じ取った瞬間だった………。
ミシガン「………すっ、
凄いよカーヤちゃん!!!」
カーヤ「!?」ビクッ
ミシガンの第一声を機にタレス、ウインドラがカーヤの周りに集まってくる。
ミシガン「ねぇ!
今のってカオスが使ってる飛葉翻歩ってやつでしょ!?
レアバード使わないでもあんなに早く動けるんだぁ!」
タレス「流石はバルツィエの血族だけはありますね。
カオスさんより早くウルフを倒してしまうとは………。」
ウインドラ「それだけじゃないぞ。
あのウルフの体格からしてカーヤよりも体重はあっただろうに。
それをあそこまで蹴り飛ばしただけに留まらず一撃で………。
この場合一撃で沈めたこととカオスより早く動けたことと遠くにまで蹴り飛ばす脚の力どれを賞賛すべきか………。」
三人がカーヤを取り囲んでそれぞれカーヤの実績を褒め称える。カーヤに実力があることは知っていたが三人はフェニックスとしてカーヤが戦っている場面しか見たことがなかったため武器のレアバードを使わなくてもこれほどまでに強かったとは思わなかったようだ。
カオス「(凄すぎるな………。
同じバルツィエでもモンスター相手に体術だけで倒してしまうなんて………。
………俺ですらミストの森とウィンドブリズ山では武器がなかったらモンスターを相手になんてできなかったのに………。)」
カオスにとって一番磨いてきた力は白兵戦だ。その白兵戦で年下の子に遅れをとってしまったことに少し自信を無くしていた。カーヤの生い立ちからして彼女は精神的に自分よりも脆く守ってあげるべき子だと思っていたのだが今回は逆にカオスが精神にダメージを負ってしまう。
アローネ「…凄まじい………の一言に尽きますね。
これほどまでにカーヤさんの戦闘能力が高いとは………。」
カオス「うん、
俺よりも足が早いことは知ってたけど多分あの様子だと腕力とかもウインドラより上かも………。」
アローネ「そこまで………?」
カオス「昨日ラーゲッツが出てくる前にカーヤを追いかけてたんだけだカーヤがカイメラを抱えて俺よりも早く走って逃げてたから………。」
アローネ「よく追い付けましたね………。」
カオス「どうにか頑張ったんだよ………。」
カーヤ「あっ………えっと………。」
ミシガン「普段ってあんな風にモンスターを蹴散らしてたの?
あれだけ強いんならリスベルン山でもモンスターがいなくなるわけだよね。」
タレス「リスベルン山にモンスターが現れなくなったのはヴェノムの主の能力の毒撃があったからじゃないですか?」
ウインドラ「今度俺と手合わせしてくれないか?
君程の力の持ち主と手合わせできたら今後のバルツィエの先見隊との戦いにも有意に立ち回れそうなんだが。」
カーヤ「うっ…ぅぅぅ………。」
バシュンッ!
タレス・ミシガン・ウインドラ「「「!?」」」
カーヤが突如その場から消える。当然のごとく三人は驚いた。そしてカーヤがどこに行ったのか探すが………。
カーヤ「………」
カオス「………またか。」
アローネ「そこがカーヤさんの定位置になりそうですね。」
三人に詰め寄られて人に馴れていないカーヤはまたカオスの影に隠れてしまうのだった………。