テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
秘境の村ミスト
村長「バルツィエが国王………!?
アルバの家がそんなに………!?」
フェデール「ちなみに言っておくと現国王アレックスはアルバートの実弟ですよ。」
村長「え……!?」
フェデール「百年前にアルバートが失踪したせいで弟のアレックスがクリスタル女王と婚姻を結ぶことになりましたが本当だったらそこに即位していたのは当時
アルバートはマテオ一の腕っぷしの強さがありましたからね。」
村長「アルバが………騎士団長………。」
フェデール「今は私がその座に着任しておりますがね。
私の他にもバルツィエやバルツィエに従順な者達が騎士団の隊長に就任しております。
武力という一面ではバルツィエは完全にこのマテオを掌握しているんですよ。」
村長「………アルバ達の家がそこまで………。」
フェデール「そうです。
私達がこの国の最高機関に位置するというのであれば私達には道理は通用しません。
私達が行ったことがそのまま法律にも道理となるのです。
私達を知る者達は口々にこう言いますよ。
“バルツィエを怒らせてはならない”と。」
村長「………」
フェデール「………それにしてもこのミストという村は酷い村ですねぇ?
仮にもバルツィエの家の者を追放しただけでなくカオス君のアルバートが住んでいた家すらも焼こうとするとは………。」
村長「!!
焼こうとしたのは事件直後に殺生石を奪ったことに憤りを押さえられなかった村の者達の本の一握りの者達なんです!!
私達もすぐにそれを止めて………!」
フェデール「だったらその者達を連れてきてください。
粛清しますので。」
村長「それは………!?」
フェデール「できませんか?
………本当に救い用のない村ですねぇ~。
バルツィエに喧嘩を売るような愚か者を庇うだなんて………。
………こんな村ならいっそのことダレイオスからの敵の侵入を防ぐために砦にでも改築した方が良さそうですね。」
村長「砦……!?
そんなこと断じて許しませんよ!!」
フェデール「許さないと………、
………どうするんですか?」
村長「そ、それは………!」
フェデール「貴殿方の村がヴェノム出現に伴って村の防衛に不審を抱いたからこそこの村の存在をレサリナスに報告したのですよね?
本当なら移動した時点で報告しなければならない義務を百年も意図的に先送りにしていた………。
これだけでも大変な問題行為だとお見受けしますが何かご意見がありますか?」
村長「ぐぅぅ………。」
フェデール「まぁ、
税収を納めるのが面倒だった、と言うのが本音でしょう?
私達国を運営する者の立場からしてみればそういった脱税行為は困りものですねぇ………。
私達も税をいただく代わりに国を守っているのですからそれが百年も未払いだったというのであれば私達には貴殿方を守る義務が発生しなくなる。」
村長「このミストの存在を報告してからの税は納めていますでしょう!?
それなのに貴殿方はそんな私達に刃を向けると仰るのですか!!?」
フェデール「確かに報告後はちゃんと納めてはいるようですね。
資本がない代わりに村で育てた作物を献上するという形で………。
では空白の百年の間の税はいつ納めるんですか?」
村長「!?
その期間の税を請求するんですか!?」
フェデール「請求するのは当然じゃないですか。
私達が守っているのは国単位でのことなのですからこのマテオの地にいるのであればどこにいても私達の庇護下にあったということ。
そのお陰で貴殿方はダレイオスからの攻撃を受けることなく今日まで生き延びることができたんです。
だったら百年の期間の防衛費も払っていただかないと。」
村長「そんな………。
百年の税なんてとても………。
それに百年の間は私達は自分達でこの村を守ってきたというのに………。」
フェデール「何を仰っているのですか?
この村にはアルバートがいたんですよね?
彼は失踪したとはいえバルツィエの騎士だ。
なら百年間貴殿方はバルツィエに守られていたことにもなるんです。
それでしたら国が貴殿方を守っていたも同然です。」
村長「!!
だがそれでしたら十年前のあのヴェノムの襲撃では貴殿方お国の騎士がこのミストを守れなかったということにもなりませんか!?
そんなんで貴殿方バルツィエはこのミストを守ったと本気で言えるんですか!?」
フェデール「………ハハハ!
なんと耳が痛い話ですね。
確かに貴方の言う通りだ。
私達バルツィエはこのミストを守りきれなかった、そうともとれますね。」
村長「でしたら………。」
フェデール「でもそれは貴方かもしくは貴方の先代の村長が義務を怠ったのが原因じゃないですか?
素直にレサリナスに村の団体での移動を報告していれば十年前に起こった悲劇は回避できたのではないですか?」
村長「………ッ!」
フェデール「一応アルバートはいたみたいですが騎士団長と言っても一騎士に対してそこまで仕事の責任を押し付けるのは流石に無茶な話ですよ。
彼もそこまで万能じゃない。
私達やアルバートを責める前に十年前の事件は一体誰が原因だったのかそこのところをよく考えてみてください。
カオス君のせいですか?
アルバートのせいですか?
………村の長である貴方の家が招いたことなのではないですか?
貴殿方がただ義務を果たさなかったことが十年前の事件に繋がるんじゃないですか?
もし義務を果たしていたのなら十年前に犠牲になった住民達も今もまだ普通の生活を送れていたでしょうに………。」
村長「………………。」
フェデール「誰かに責任を押し付ける前に先ず自分達が責任から逃げていたということをもう一度深く見つめ直してみるべきですね。
仮にもカオス君は次期バルツィエの当主候補になるのです。
その次期に対して数々の不当な制裁は私達も看過することは「カオスが次期当主候補………!?」」
フェデール「………そうなんですよ。
カオス君のことはレサリナスでもうバルツィエの一員として正式に迎え入れる方針で話が進んでいます。
そうなれば我々の家は次期のこの村に対する印象次第では直ぐにでもここを攻撃することもできます。」
村長「そ、それは………!?
それは一体どういうことですか!?
カオスはここで生まれ育ったのですよ!?
それなのにカオスが貴殿方の家に迎え入れられてそれでここを攻撃だなどと……!
私達はマテオの民ではないですか!!?」
フェデール「残念ながらマテオの民だからって私達が攻め落とさないということはないんですよ。
バルツィエとはそういう家なのです。
………仮に貴殿方がその立場を盾にしようとお思いでも守られる立場であることを主張するのなら私達バルツィエに相応の感謝と誠意を示すべきなのです。
それをあまつさえ我等の同胞に遺憾な仕打ちを加えて私達が黙っているとでも?」
村長「カオスはミストの住人だ!!!
貴殿方の家とは何も関係がない!
それなのにどうして私達の村がそんなことになるのですか!?」
フェデール「関係が無いのは貴殿方の方でしょう?
貴殿方の村はカオス君を追放し村長である貴方もカオス君をそのままにしておいた。
貴殿方がカオス君を見捨てたのであれば彼は私達の方でいただきますよ。
そして私達はできるだけ彼の望みを叶えて差し上げたい………。
………彼は何を望むと思います?
私でしたら自分を貶めたこの村を滅茶苦茶にしてやりたいと望むと思いますがどうでしょう?」
村長「カ、カオスがこの村を………、
…私達は………間違っていたのか………。」
フェデール「間違うことは誰かにだってありますよ。
大切なのはそれをいかに元の形に戻すかです。
この村は始めから間違っていたんです。
それなら貴殿方が私達に消されることになったとしてもそれは………、
ある意味正解のように思えてきませんか?」