テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
秘境の村ミスト
フェデール「(………フフフ、
レサリナスで聞いたおおよその内情と騎士団でのミストの詳細を照らし合わせて自分なりに考察してみたらドンピシャだったみたいだ。
カオスにとってこのミストは憎くて仕方がないというような印象が根付いていることだろう。
事件のこともあってあれほどの力を備えていても罪悪感からこの村に復讐する気にはなれなかったようだが………、
そこを代わりに俺達でカオスの鬱憤が溜まったこの村に制裁を加えてやればカオスはどう思うか………。
レサリナスでは最悪な邂逅になってしまったが少しは俺達に感謝の気持ちを感じてもおかしくはないはずだ。
あんな脅しで竦み上がるような村だ。
元々立地的にここはどこかで砦を建設する案が上がっていたが遠方ということもあって直ぐにその計画に取りかかれる余裕が無かったがそれが上手く働いてくれた。
名文的には“バルツィエの次期当主カオスに非業な仕打ちに対する裁き”。
もしこの村を取り壊したらカオスはこの村の連中が嘆く様を想像して俺達に少なからず共感する、そこから対話に持っていければ奴と奴の勢力を取り込むのは用意な筈………。
………問題はカオスが“奴等”にどの程度取り込まれているかだ。
カオスがここを出たのは約半年前、そこからレジスタンスが丁度いいバルツィエの看板に泥を塗れる材料を見付けてカオスを指名手配したみたいだがその時点で既にカオスは
ウルゴスのあの女がカーラーン協会からの差し金であることは確実だ。
次いでカオスはレサリナスに潜伏していたのであれば当然奴とも顔合わせはしている。
人を取り込むのが巧みな奴の手口ならもう望みは薄いと思うがそれでもカオスがレサリナスに到着する時期から換算しても完全に
そうでなければ俺達は奴に対抗する
…あれでさえも奴の力の前に役に立つかどうかなんだが………。
いずれにしても戦力は増強するしかない。
カオスが奴等が探していた精霊の力を宿しているのであればそれをこちらに引きこめれば状況は漸く
高をくくった奴が俺達に提供してきた技術も深読みすればそれが奴等にとって何の脅威も無いということは判断できる。
奴等が持つ力が三百年前のマテオ建国から今どの程度俺達の先を行っているのか分からないがそれでも今の俺達は奴等の
そこに来てやっと………、
奴等の
カオスと精霊の力があれば多少なりとも奴等に一矢報いることは叶うはずだ。)
………必ず、
必ず手に入れてやるからな………。
俺達は必ずカオスと精霊の力を………。
………そして………、
このデリス=カーラーンを滅びの運命から守りきって見せる!
例えどれだけの犠牲を払おうともデリス=カーラーンを一つにして………!
ユミルの森 残り期日七十三日
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「………」」」」」
カオス達はダレイオスのアインワルド族を苦しめるヴェノムの主アンセスターセンチュリオンを討伐しにユミルの森へと来ていた。そして現在彼等は、
ミシガン「………ちょっと待って、
ここさっき通った場所じゃない?」
カオス「え?
本当に?」
ミシガン「そうだよ!
だって私ここ見覚えあるもん!」
カオス「………言われてみれば存な気が………。」
ウインドラ「記憶違いじゃなければ俺もここの記憶がある。
ミシガンのいう通りここはさっき来た場所だな。」
タレス「同じ場所をグルグル回っていたみたいですね………。
これは………。」
アローネ「えぇ………、
私達………、
道に迷ってしまいましたね。」
カオス「おかしいな………、
俺達真っ直ぐに進んでいたはずだよね?」
アローネ「直進していたつもりが少しずつ反れていたのでしょうか?」
タレス「だからってまた同じ場所に戻ってきますかね?」
ウインドラ「森のように周りを木々に囲まれた地形では方向感覚が鈍るな………。
太陽も殆ど真上に来ているし俺達が今森のどの辺りにいるのかも分からん………。」
ミシガン「どうするの?
一旦森から出てみる?」
アローネ「そうした方が宜しいでしょうね。
一度森の外に出てから………、
………?」
カオス「?
どうしたの?」
アローネ「………森から出るにはどちらに進めばよろしいのでしょうか?」
カオス「何言ってるんだよ俺達は………、」
カオス「あっちからあっち「こっちでは?」「あっちじゃない?」「この方角だったと思うが?」から来ただろ?」
カオス・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「え?」」」」
アローネの質問にカオスとタレス、ミシガン、ウインドラがそれぞれ別の方向を指差す。
カオス「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!
俺達はこっちから進んできてここまで戻ってきたんだろ?
こっちに向かえば森の外に出られるんだよ!」
タレス「そうでしたか?
ボクはこっちから来たと思ったんですが………。」
ミシガン「三人とも違うよ?
私達あっちから歩いて来たじゃない。
だからあっちに戻れば森を抜けられるでしょ?」
ウインドラ「ミシガン、
そっちは今俺達が通ったルートだ。
俺達は森の奥の方からまたここに戻ってきてしまったんだぞ?
ならこのまま直進すれば森の外へ繋がってる筈だ。」
カオス「いやいやウインドラそっちはモンスターの唸り声が聞こえて迂回した方向じゃないか。
そっちこそ進んじゃ不味いって。」
タレス「カオスさんが指差した方もあまり人が通れるような道じゃありませんでしたよ?
ボク達は比較的歩きやすい場所を通ってここに辿り着いたじゃないですか。」
ミシガン「タレスが通って来たって言った道は私全然景色に記憶が無いんだけど………。」
タレス「それはミシガンさんの記憶力が乏しいだけで「何ですって?」!?」
アローネ「こんなことで喧嘩は止めてください。
………誰も私達が来た道を覚えていないということで宜しいですね?」
カオス・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「………はい………。」」」」
アローネ「………はぁ………、
私達が通ってきたことが分かる目印を木に付けて進むべきでしたね。
まさか遭難しないように明るい時間帯を待って森へ入ったというのに遭難してしまうとは………。」
ウインドラ「山のように高低さがあれば大体の位置は分かったんだがなぁ………。
それが無いのであれば何を基準にして進めばいいか………。」
ミシガン「カオス長いことミストの森にいたよね?
野生の勘とかでどっちに行けばいいとか分からないの?」
カオス「無茶なこと言わないでくれよ。
ミストは長年住んでたから道が分かるだけでこの森に入ったのは今日が初めてなんだぞ?
土地勘もないのにそんなの直感で分かるわけ無いよ。」
タレス「困りましたね………。
これでは右にも左にも進めない………。
ここで時間だけが過ぎれば夜になって………。」
カーヤ「………」
カオス「………!
………ごめんなカーヤ………。
君を連れ出したはいいけどいきなり迷子に巻き込んじゃった形で………。」
カーヤ「………困ってるの?
ここがどこだか分からなくて。」
カオス「………そういうことになるのかな。
カッコ悪いけど素直に「カーヤが見てこようか?」」
カーヤ「カーヤが空から見渡せばどこに行けばいいとかいいか分かるんじゃないの?」
……………………………………………………………………
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ「「「「「…その手があったか………。」」」」」