テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター クララ邸 夜 残り期日七十三日
アローネ「とっ、とにかく今は私のことよりもこの村のことをお聞きしたいのですけど………!」
ラタトスク『!
そうだったな。
その話がまだ済んでなかったか。』
ウインドラ「現時点で世界のどこかに存在しているとされる精霊、
その精霊は基本六元素を司る六体の精霊が一般の常識だ。
バルツィエはこれに精霊王なるものが付け加えているのだと知っていたようだが………。」
タレス「そこにまたラタトスク………クララさんの中にいる精霊が足されたんですね。」
ミシガン「ラタトスク………さんは何を司る精霊なの?」
ラタトスク『別にラタトスクって普通に呼んでもらっても構わねぇぜ?
堅苦しい言葉は嫌いなんだ。
俺が司る力は特にねぇよ。
基本六元素ならなんでも使えるしこれといった相反する属性もない。』
アローネ「精霊なのに司る力が無いのですか?」
ラタトスク『強いて言うなら俺が司るのは
精霊なら全員が出来ることだがな。
俺にはそれしかないんだ。』
カオス「マナの流れ………?」
ラタトスク『この世界、この
俺達精霊にもお前達エルフにもそしてエルフに限らず植物や動物、モンスター………それからヴェノムにもな。
そいつらは生まれた瞬間からマナを与えられ生きている限りはずっとマナを正常な状態で維持し続けるが生物が死ぬと必ずその死骸からは障気が発生するんだ。
俺はその障気をカーラーンの元に集めてカーラーンにマナに還元してもらうんだ。』
タレス「!
世界樹カーラーンが障気をマナに返還していたんですか!?」
ラタトスク『そういうことだ。
そうでなかったらこのデリス=カーラーンは今頃障気まみれの生物が生きることが出来ない星になってるだろうよ。
そうならないようにこのデリス=カーラーンにいる精霊達は世界中からこのアルターの世界樹カーラーンに障気が流れるように仕向けている。
そして俺は世界樹カーラーンがその作業を滞りなく行えるように何者にも傷つけられないようアインワルドのエルフ達と協力して守り続けている。
世界樹カーラーンが枯れるようなことにでもなれば世界は破滅だ。』
アローネ「……やはり伝説に聞く通りの樹なのですね。
世界樹カーラーンは………。」
クララ「そうです。
ですから私達アインワルドはこの世界樹カーラーンを守ることを第一に考えております。
例え私達アインワルドが滅びようともこの樹だけは絶対に守りきらねばなりません。
世界樹カーラーンはデリス=カーラーンの心臓ともいうべき機関ですからこの樹が枯れてしまえば全てが終わるのです。
それが巫女と族長の違いですね。
私達は私達の繁栄は望んでおりません。」
ラタトスク『こいつらは世界の存続を何よりも最優先に考えられる一族だ。
だから俺はこいつらと共にずっとこのアルターの世界樹カーラーンを守るために秘匿にしてきた。
世界樹カーラーンは昔ダレイオスのエルフ達がその力を狙って争い奪いあってきた歴史がある。
この樹の存在が他の勢力に知られればこの世界はまた、
アローネ「カーラーン大戦………?」
ウインドラ「遥か昔にあったとされる大きな戦争のことだな。
俺達の祖先が世界樹カーラーンをめぐって争いを興したと伝えられているが………。」
ミシガン「その戦争ってどういう結末になったんだっけ?」
タレス「
結局最後は争いの火種であった世界樹カーラーンがどこかへと消えて戦争が終結したと言われています。」
ラタトスク『それは俺の仕業だな。』
ウインドラ「何………?」
ラタトスク『俺が世界樹をエルフ達の目から隠した。
そうでもしないとエルフ達は世界樹が生み出すマナの量以上にマナを削る勢いで戦ってたからな。
世界樹が生み出すマナは膨大な量だが流石に百万に届くエルフ達がバンバンと魔術を使いまくり殺しあい死体から障気が溢れかえれば世界樹も作業が追い付かずに疲労が溜まって枯れる。
一応世界樹も生き物だからな。
エルフ達の厄介事で世界樹が死ぬのを俺は許容できない。』
カオス・アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ・カーヤ「「「「「「………」」」」」」
マクベル「でも昔のお客さん達の御先祖さん達は何で世界樹カーラーンを手に入れようとしてたでやんすか?
世界樹カーラーンを手に入れたら具体的にどうなるでやんすか?」
ラタトスク『………知りたいか?』
ゴオオオオッ………
マクベル「え…!?
あ、あひ……!?」
クララに憑依したラタトスクから肌を切り裂くような殺気が流れる。
ラタトスク『兎………、
もしお前がそれを聞いて少しでも世界樹を欲するようなら………、
俺はお前を殺す。
世界樹カーラーンを欲するということは三万年前のカーラーン大戦で世界樹を枯らしそうになった奴等と同じだからな。
俺はあいつらのような世界に厄災を招くような奴を見過ごすことは出来ない。
ここで世界樹の存在を知ったまではギリギリ赦してやるがそこより先を望むようなら俺はお前とお前の同族達を全員………、
抹殺しなければならない。』
クララの体を使って話しているラタトスクだったがクララの姿をしていてもその迫力は圧倒的でカオス達でさえもその迫力に気圧されてしまう。
それほどまでにラタトスクが放つ怒気は昔のエルフ達へ深い憎しみを感じさせる。
ここから先は聞いてはならない。
皆そう思ったのだが、
アローネ「聞かせてください。」
ラタトスク『………ほう、
踏み込んでくるか。
お前は。』
アローネ「えぇ、
私は知らなくてはなりません。
行く行くは私がこのダレイオスを導く者になるのです。
私は何も知らないままでは人の上に立つ存在にはなれません。」
ラタトスク『へっ、そうかよ。
お前が何になろうとしているのかは分かりかねるが俺達精霊はお前達エルフの言葉でいうと
俺の話を聞いてお前がどう感じたかどうかは手に取るように分かるんだ。
お前がこの話を聞いて俺が危惧する感情が生まれたらその時は、
ここにいるお前達はこの俺がこの場で粛清してやる。』