テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ユミルの森 残り期日七十二日
ウインドラ「瞬迅槍ッ!!!」
トレント「グギャッ!!」ザスッ!!
ウインドラ「(!………倒しきれんか………。
やはり植物系のモンスター相手では致命傷となる攻撃が存在しない………。
動物のように生物として重要な内臓器官といったものが傷付けられれば感染個体であっても多少怯みはするんだがこれは………。)」
ウインドラの槍に突き飛ばされたトレントは即座にその傷を再生させる。ヴェノムによる再生能力と従来の植物系モンスターの再生能力を使い分けてこちらの攻撃を無力化し何度も立ち上がっては襲ってくる。
タレス「敏捷性はありませんが体力は動物系のモンスターとは比べ物になりませんね………。
ここまで攻撃を加えてもまだ一体も倒せないなんて………。」
タレスがトレント達の異常なしぶとさを前に冷静に分析した内容を述べる。カオスと別れて早数分、森に入ったウインドラ達の行く手を遮るようにトレント達が次々と現れてはそれを捌いてはいるが十を越える攻撃を加えてもどのトレントの個体もピンピンしている。
ミシガン「ねぇ!?
他に植物系のモンスターに効く攻撃ってなんか無いの!?
薬品とか毒とかあればあっさり片付くんじゃない!?」
ビズリー「無理ですよ!?
ヴェノムウイルスは世界最強のウイルスでそれに感染した生物はあらゆる薬や毒の効き目がありません!
ここのトレント達には以前アインワルドでも色々と対策はしましたがどれも全く効果が無く終わってしまいました!!」
ミシガンの泣き言にビズリーが真面目に答える。期待してはいなかったがやはりトレント達を倒すには地道に削っていくしかないようだ。
それか………、
カーヤ「…じゃあカーヤが燃やして………。」
ビズリー「ですからここでの火は厳禁なんですって!?
草木が一度燃えれば一瞬で周りに燃え移っていきますから消火するのは一苦労なんですよ!?
それに動かない木々を燃やすならまだしも
カーヤ「そんな失敗はしない………。
燃え広がる前に一撃で焼き消すから……。」
ビズリーの忠告を無視して火の魔術を発動させようとするカーヤ。彼女も時間ばかりが過ぎて数を増やしていくトレント達に焦りが生じているようだった。火の魔術の制限が無ければ本来この場で最も活躍を期待されるのはカーヤだ。だというのに環境を配慮した結果彼女の得意とする火の魔術が封じられひたすら物理的攻撃に専念するのみ。しかし従来の人とモンスターの関係図は力や魔力ではモンスターが勝り知識や知恵では人が勝るという構図がある。相手の弱点が分かりきっているのにも関わらずその弱点を突けずにあまつさえ力で勝るとされるモンスターを相手に単純な力で対抗するというのはなんとも効率が悪い戦い方だ。いずれは一人ずつ潰されていくのが落ちなのは目に見えている。その悪状況にはまだ
アローネ「………」
トレント「ゴアッ!!」ブオンッ!!
カーヤ「!
危ない!!」
トレント「ギィェッ!!」ザンッ!!
ふとアローネが考え込むような素振りをして立ち止まりそこをトレントに狙われたが間一髪カーヤがトレントの腕の関節部分(?)を内側から蹴り抜きその一撃を防いだ。
ウインドラ「何をしてるアローネ!
戦場のど真ん中で隙を見せるな!!」
今の光景を一部始終見ていたウインドラがアローネに注意を飛ばした。
だがアローネは、
アローネ「…火が使用してはいけないのは周りに火が燃え移ることを懸念してのことですよね………。
………でしたら火が燃え移らない場所へと誘導できたらその心配もありませんよね?」
ビズリー「は、はい………?
………それは………確かにその通りですが………。」
タレス「そんな場所この森にはありませんよ?
地図上でもここら辺りは緑一色で埋め尽くされています。
どこかで火が付けば後はドミノ倒しのようにあっという間に火が森を駆け巡りますよ。
そうなったらユミルの森は終わりです。
世界樹カーラーンも火に覆い尽くされてしまいますよ。」
タレスの言う通り世界地図にはこのアインワルドが治める土地ユミルの森は完全に木々で埋め尽くされた土地であった。ユミルの森を上から確認したとしても中心にある世界樹カーラーン以外は木々か木々に扮したトレント達の姿しかなくどこかで木々の途切れ目が確認できるとしたら森から出た他の地方だけで………。
アローネ「………いえ必ずある筈です!
この森のトレント達は元はマナを吸収して突然変異した木々なのですよね?
でしたら動き回るトレント達がいた場所には確実に火を起こしたとしても周りに燃え広がらないようなそんな拓けた場所ができる筈です。
そこでならカーヤさんとウインドラが火や雷でトレントを倒しても森には影響がでない………。
そこを探しましょう!」
ウインドラ「いやしかしトレント達がそこを離れただけで地面には火が着きやすそうな花や葉が「!!いえ!その案ならいけるかもしれませんよ!」」
ビズリー「奴等トレント達は動物のように這い回れるように進化した植物系のモンスターで
それだったら感染個体の周りの草葉はウイルスによる影響で他の生物のマナを取り込むことができずに枯れてしまっているんです!!
枯れた植物達はトレントに吸収されて無くなっている筈ですから火を着火したとしても拡がる恐れはありません!!」
ビズリーがアローネの話に同調する。それと同時に彼の言葉から擬態しているトレント達の判別もつくようになった。
ミシガン「木のフリをしているトレントは足元見ればいいんだね?
木の根本の周りに草が無ければそれがトレント。
そのトレント達なら焼いちゃってもいいってこと?」
アローネ「いいえ………、
この案ではまだ火が燃え移らないという保証はありません。
ですから今から皆で
どこか
そこから先は私に一つ考えがあります。」
タレス「考え………?」
アローネ「詮索は後回しにしましょう。
今は………、
急ぎトレント達を一網打尽にできる場所探しです!!」