テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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倒れぬ主

ユミルの森 最奥部 残り期日七十二日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「ハァハァ………!

 ………くっ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンセンスターセンチュリオン「オオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………いい加減終わってくれよ!!!」

 

 

 アンセンスターセンチュリオンとの戦闘が始まり一時間、カオスはあらゆる手を尽くして挑みそれでも仕留めきれずにいた。

 

 

カオス「………くそっ!!

 どんだけ丈夫なんだよ!!

 もう()()()()()()()()()んだぞ!?」

 

 

 あらゆる手の中にはカイメラとの死闘で学んだヴェノムウイルスをレイズデッドで先に打ち消す策もあった。ヴェノムの主達は皆共通して再生能力が高く多少の傷ならすぐ回復してしまう。その能力がある限り戦闘が無意味に延長されることはカオスも理解している。だからこそカオスは戦闘が始まってすぐにアンセンスターセンチュリオンにレイズデッドをかけた。…カオスの中ではそれだけでアンセンスターセンチュリオンが大人しくなることを期待していたのだがベースが人を襲う習性を持つトレントではその願いも虚しくレイズデッドをかける前と同様にアンセンスターセンチュリオンは襲ってきた。ウイルスが無くなったのだあれば無理に倒す必要もないのだがウイルスの影響でここまで肥大化したモンスターを放っておけばこの森に住むアインワルド族がウイルスとは無関係に被害を受ける恐れがある。こうして今倒せるのであれば倒してしまおうと戦闘を続行するカオスであったがヴェノムウイルスが無くなったというのにこの敵は何度斬りつけても起き上がってくる。

 

 

カオス「(もう何回斬った!?

 何時間戦ってるんだ!!?

 一体こいつはいつまで戦い続けたら倒れてくれるんだ!!?)」

 

 

 戦闘事態は常時カオスが優勢だった。アンセンスターセンチュリオンがカオスに攻撃を加えることができずずっとカオスが縦横無尽に駆け抜けてアンセンスターセンチュリオンを斬り裂き続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それなのに疲労を見せているのはカオスの方だった。ただの一撃ももらってはいけないと気を張り続けて対峙中は高速で駆けアンセンスターセンチュリオンの攻撃を全てかわし続けるカオスの体力はアンセンスターセンチュリオンの体力を削り切るよりも先に限界に到達しようとしていた。

 

 

カオス「(………正直体力勝負なら………スピードとかはカーヤに負けるけど体力だけなら誰にも負けない自身があったんだけどこれは………。)」

 

 

 ヴェノムウイルスは世界中全ての生物に感染しうるとされる最強のウイルスだ。ヴェノムに感染すれば感染した生物は感染個体もしくはゾンビと称されウイルスの侵攻が進むとその感染個体は理性を失い周囲の生物を襲い始める。そこから進むとウイルスの名称通りの生物で体がスライム状に変化したヴェノムという形状をとるのだがこの形状の特徴は一律して皆同じだ。這いずって他の生物を捕食しようとするだけ。

 

 

 このヴェノム形態に至るまでのゾンビの期間について世界中の人々やその他の動物やモンスターがヴェノムウイルスに感染するのは殆どがこのゾンビ形態の時に襲われるからだ。一目では感染する前の生物と姿が全く変わらない。人が見れば意味不明な奇声をあげたりしていれば即感染者だと判別がつくのだが動物やモンスターには異種族が感染しているかどうかを区別することはできない。勘のいい生物であれば感染個体が近付くのは不味いと悟り去ると言われているがそれでも世界中ではヴェノムウイルスに感染した人の個体を誤って襲ってしまい感染したモンスターがいたという事例があるということをレサリナスで知った。

 

 

 

 

 

 

 そうしたウイルスの感染流通がある中で植物系のモンスターからウイルスが広まったという話は聞いたことがない………。植物系のモンスターの感染個体は動きが鈍く他の生物を襲おうとしても逃げられてしまうからだ。肉食のモンスターは先ず植物系のモンスターに関心が無く草食のモンスターであっても植物系のモンスターは危険なため警戒して近寄らない。普通の植物であったなら何もないのだが植物系のモンスターは百害あって一理なし、近付くだけ損をするだけなのだ。そんな背景がありカオスは植物系のモンスターをこの地を訪れるまで詳しく知らなかったが相手をすると予想以上に手強いことが分かった。何せウイルスの再生能力を失ったというのに体中切り刻まれてもお構いなしに突撃してくる。ヴェノムの感染個体は植物系モンスターと同じで痛覚が存在しないとされるがあちらの方はまだ体が削れ時間経過で自動的に消滅するという不死身のようで不死身じゃない弱点があったのだが対するこちらの相手は時間経過では死なない。ヴェノムウイルスを浄化したのが不味かったのかアンセンスターセンチュリオンは正攻法で倒すしかなくなってしまった。………というよりも植物系モンスターがヴェノム形態に変化する姿は見たことがない。仮にウイルスを浄化していなかったとしてもアンセンスターセンチュリオンはヴェノムの主、時間経過などで倒れてくれるような敵ではない。

 

 

カオス「(っていうかこの森のトレント達だって感染個体のくせしてヴェノム形態に変化した個体は一体もいなかったぞ………?

 

 

 ひょっとして植物系モンスターが感染してもヴェノム形態に変化しないのか?)」

 

 

 カオスはこのユミルの森にいるトレント達の異様さに気がついた。この森に着いてから一度たりともヴェノム形態を目撃していない。感染個体がヴェノム形態へと変化するのは体内のマナが()()()()()()()()()()()()()()()起こる反応だ。それが一度もない。

 

 

 マナが消費する方法は二つ。

 一つは自主的に魔術などを使って消費すること。

 もう一つは他者から攻撃を浴びせられて削られること。

 

 

 

 

 

 

 カオスはこれまでアンセンスターセンチュリオンに()()()()()()()()()()()()。だというのにこのアンセンスターセンチュリオンはまだまだ体力の底が知れない。果たして後何度攻撃を加えればこのアンセンスターセンチュリオンは倒れるのか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………まさかとは思うけど………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の攻撃って全く()()()()()なんてことはないよね………?」

 

 

 アンセンスターセンチュリオンの底知れぬしぶとさに不安を覚えるカオスであった………。

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