テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ユミルの森 残り期日七十二日
タレス「『ロックブレイク!!!』」
バキバキバキッ!!!
タレス「…こんなもんでいいですかね………?」
タレスはカーヤに連れられユミルの森の中の森林が空けた場所にて岩の壁を構築する。
カーヤ「カーヤ言われた通りの場所を探して連れてきたけど…、
ここでよかったんだよね…?」
カーヤが不安げにタレスに条件の場所として正しいかを訊いてくる。
タレス「ええ、
問題ないでしょう。
ここならトレント達を燃やしたとしてもユミルの森が全焼することにはならないと思いますよ。」
カーヤ「……そうだね。」
タレスの返事を聞いて安心するカーヤ。まだアローネ達とは完全に打ち解けてはいないためかよそよそしい。
タレス「アローネさん達がトレント達を誘導してきたらこの岩石の中へと誘い込んで後はカーヤさんが奴等を焼き払ってください。
カーヤさんにはボク達のような力はありませんがまだゾンビ形態であるトレント達にはそれでも大きなダメージを見込めるはずです。
それで倒せなければ後はボクとアローネさん達で倒しますから。」
カーヤ「そう………。」
タレス「仮に火が木々に燃え移るようなことになってもボク達にはミシガンさんが着いているので彼女の水の魔術があれば火事になったとしても直ぐに消火できるでしょう。
そしたらボク達はカオスさんのところへと加勢しに行きます。
まだこちらに来ていないということはカオスさんもアンセンスターセンチュリオンに手こずっているはずですし。」
カーヤ「うん………。」
タレス「………」
カーヤとの話が続かないタレス。カーヤと二人だけになるのは今回が初めてだ。彼女はダレイオスが窮地に陥る原因となったヴェノムの主達の元凶。タレスの部族アイネフーレを滅ぼしたブルータルも遡れば彼女がブルータルを作り出したことになる。カーヤに対して思うところが無いわけではないが彼女の境遇を知ってしまっては素直に彼女を糾弾できないでいる。彼女もヴェノムウイルスの被害者だ。カーヤ自身自分がヴェノムの主を作り上げてしまったことを自覚などしていない。彼女は何も知らずにフリンク領を追い出され放浪の末にダレイオス各地の今のヴェノムの主達に遭遇してしまい彼等を悪魔と称されるような存在へと変えてしまった。カーヤは自らがどれ程危険な存在へと変わってしまっていたかを知らなかった。
タレス「(こういう時少しだけ大人びた自分が嫌になるな………。
子供になってこの人に文句の一つでも言えたらよかったのに………。)」
カーヤが自分が憎むような非道な人物であれば問答無用で彼女を害していたはずだ。それができないのはカーヤから悪意というものが全く感じられないからだ。彼女は自分と同じで
タレス「(………やっぱりレサリナスのバルツィエ達にはいつか自分達が犯した罪を後悔させる必要があるな………。
…このダレイオスのヴェノムの主を倒して誰が再興できたら………、
ダレイオスの総力を持ってバルツィエ達を討つ………。)」
タレスは内心でバルツィエに対するヘイトを高めていた。
カーヤ「………」
傍らに立つカーヤはそんなタレスと一緒にいて居心地悪そうにしていた。
アローネ「タレス!!」
タレス「!」
壁を作る作業が終わり魔術を使用したことによる体力と精神力の消費を回復するため一休みしていたところへアローネ達がやって来た。後ろにはトレントの群れも見える。
ウインドラ「経過はどうだ!?
壁は………どうやら間に合ったようだな!」
タレスが作った岩の囲いを見てウインドラが安堵する。
タレス「あれだけ時間をもらえばこんな壁いくらでも作れますよ。」
ミシガン「これを使ってトレント達を片付けられるんだね!」
アローネ「ええ、
簡易的ではありますが魔術で作られた壁ならそれなりに強度も高いでしょう。
これならトレント達をこの中で焼却することができます。」
ウインドラ「早速トレント達を壁の内側へと引き入れるぞ!
全員壁の上の方へと登るんだ!」
ウインドラの指示でアローネ、タレス、ミシガン、カーヤ、ビズリーが壁へと登り始めた。トレント達はそれを追おうとするが人のように指や関節といったものがない彼等にはタレスの作った壁を登ることはできなかった。やがてトレント達は壁に登ることを諦めアローネ達を下へと落とそうと壁を破壊し始める。
ミシガン「うわっ!?
トレント達壁を壊そうとしてるよ!?」
ウインドラ「長くは持ちそうにないだろうな。
壁が壊れる前に奴等を焼き払うぞ。」
アローネ「ビズリーさん、
火の魔術をお願いします。」
アローネがビズリーに火の魔術の使用を頼んだ。
ビズリー「わ、私ですか!?」
アローネ「はい、
私達は事情により火の魔術を使うことができないので貴方にお願いしたいのです。」
タレス「火ならカーヤさんがいますけど………?」
タレスがビズリーよりもカーヤに頼む方が筋なのではないかと言うが、
アローネ「一応火を使う許可があったとしてもやはりここは本来火は絶対に禁じられる場所です。
そのような場所でカーヤさん程の使い手の術者が火を放てばそれこそ恐れていた事態に発展してしまうかもしれません。
ここはカーヤさんよりもビズリーさんくらいの出力に抑えた方が懸命でしょう。」
ビズリー「(それは単に私の魔力が皆さんと比較して大分劣っていると言いたいのですか?)
…分かりました。
そう言うことなら私が火を扱った方がいいでしょうね。
私程度の力ならそう火が大きくなることもないでしょうし………。」
複雑な表情を浮かべながらもビズリーはアローネの指示に従う。
ビズリー「………………それではいきますよ………?
『ファイヤーボール!!!!』」
アローネ・タレス・ミシガン・ウインドラ・カーヤ「「「「「「???」」」」」」
ビズリー「………あ、あれ?
おかしいですね………?
魔術が………使えない………?」
ビズリーの魔術は何故か発動しなかった………。