テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
レイディーのおかげでヴェノムクエストを受けられるようになった三人は早速新たなクエストに挑むのだった。
林道エサーリ 泉
「シュゥゥゥ!!」シュッ!シュッ!
パチィィィン!パチィィィン!
「タレス!コイツはどうやって倒せばいい!?」
「待ってください!アローネさんこれを!」パシャッ
「受けとりました!今調べます!
………このモンスターはキャニバラスプラント、長い触手で獲物を巻き付け消化液で溶かす!
弱点は火のようです!
あとヴェノムにも感染してしまっているようです!」
「火か。見た目通りだな。
ならタレス頼む!」
「任せて下さい!
孤月閃!」ボシュッ
「シュゥゥゥ………ジュゥゥゥゥゥ!」
「よし!ヴェノム化したな!
後は任せろ!!魔神剣・槍波!!」ザザザザザッ!!
「また久し振りにジャイアントヴェノムだったなぁ。」
「これで二度目ですね。」
「いや三度………あぁ、あのときはアローネもタレスもいなかったね。」
「お一人で挑んだことがあるのですか?」
「子供の時にね。
あのときは分裂させたり穴に落っことして餓えさせたりして倒してたけど。」
「ヴェノムはその倒しかたが普通なんですよ。」
「今ならヴェノムが現れたら十分以内には倒せるからね。」
「十分も必要でしょうか?」
「そうだよ。
それにしてもヴェノムに感染してても今の奴みたいに溶けてヴェノム化するゾンビもいればネイサム坑道にいたゴーレムやエレメントみたいに感染はしてても溶けてヴェノム化しない奴がいるのは何でだろう?」
「そういえばそうですね。
レイディーさんも坑道では攻撃を受けて感染したといっていたのであのゴーレム達がヴェノムだったのは間違いない筈ですが………。」
「それは………何なんでしょうか?」
「今までゾンビは見てきたけどほぼ全部ヴェノム化する生物だったよ。」
「私は………カオスに起こされるまではヴェノムに近づくことすらなかったので………。」
「ボクもそうですね。
というよりヴェノムを倒せる人がそういないからではないですか?」
「さっきアローネ戦闘中タレスにスペクタクルズ渡されてモンスター図鑑にセットしてたよね?
ちょっと見せてくれる?」
「はい、いいですよ?」
「………」ペラペラペラペラ
「何か分かりましたか?」
「駄目だ!
何も分からない!
そもそもヴェノム自体が図鑑に登録不可生物だ!」
「それはヴェノムはウィルスそのものですからね。」
「肉眼で見える生物ではないのでヴェノム自体は詳しく調べられませんよ。」
「それもそうだけど………ん?」
「何か気付きました?」
「最後にセットしたキャニバラスプラントだけど………図鑑の一覧ページとスペクタクルズをセットしたデータが微妙に違うな?
ヴェノムに感染した方が大分ステータスが高いよ?」
「その図鑑の一覧の方は平均的な通常の個体が載るんでしょうね。
セットした方は状態や推定レベルも調べてくれるので特殊な個体に出会った時用でしょう。」
「特殊な個体?」
「同じ種族のモンスターでも大きさや色が違う個体が時折現れます。
それらと遭遇したときに調べるといいと思いますよ?」
「そうだね、そんなモンスターがいたらやってみようか。」
「結局ゾンビがヴェノム化するものとしないものの違いが分かりませんね。」
「どうなんだろうね。
坑道みたいに暗いところとかにいるからかな?」
「その線はないでしょう。
ヴェノムは夜にも現れます。」
「じゃあ違いって………物を食べるか食べないか?」
「食べるか?」
「食べないかですか?」
「うん、だってヴェノム化するモンスターって草食にしろ肉食にしろ何かしらご飯を食べる生物でしょ?
その点坑道のゴーレムやエレメント達は………何も食べないよね?」
「食べないのではないでしょうか?
土や石ころの塊ですし。」
「確かにヴェノムは雑食性の生物ですから消化器官がある生物がゾンビからヴェノム化してますね。」
「そうだよ!元はスライムの亜種なんだから食べるか食べないかの違いだったんだよ!?
言っててだんだんそう思えてきた!」
「ヴェノムを倒せる私達にしか知りえない情報ですね。」
「ヴェノム化するのは補食性生物だけ………ほぼ世界の生物の全てがそうなのでは?」
「………それも言ってる途中に気付いたよ。」
「ヴェノムの情報はそのくらいでしょうか?」
「進んだようであまり進んでないよねこの情報。」
「ヴェノムが現れたら倒すのは一緒ですからね。」
「とりあえず今ので最後のヴェノムみたいだからカストルに戻ろうか。」
安らぎの街カストル 酒場夜
「スミマセ~ン!クエスト完了しました!」
「おや、御苦労様!
さっそく明日確認に向かわせるよ!
昼には完了の手続きが出来るよ!」
「有り難うございます。」
「いいんだよ!
サタン君達がヴェノムを引き受けてくれるだけでこっちは助かってンだ。
このまま専属になってほしいくらいだよ。」
「それは……。」
「分かってるよ。
王都に帰らなきゃならないんだろ?
その間だけでいいからさ。」
「は、はぁ…。」
「あんたらは今ギルドでは話題の三人組だからね!
あたし達も応援してンのさ。」
「え!?俺達まだここに来て三日ですよ!?」
「あんたらはあの学者様の助手だからね。
そりゃあ有名になるよ。
あの人いい噂も悪い噂も聞くから。」
「………それは先生がスミマセンでした。」
「いいんだよ、うちはトーディア山のヴェノムを格安で退治してもらったんだ。
お礼がしたりないよ。」
「レイディーさんがそんなことを…。」
「あんたらにも何かお礼したいんだけど…。」
「それは明日の完了の確認してからでもいいですよ。」
「う~んと、………そうだ!いいものがあるんだ!」
「いいもの? 」
「サタン君見たところ剣を使って戦っているようだね?」
「そうですけどそれが何か?」
「こういう本とかは読んだりしないかい?」
「本ですか…………それは!!?」
「昔ある人がここに来て忘れていってね。
有名な人だったからそのまま取りに来るのを待ってたんだけどとうとうその人はこの忘れ物を取りに来ることはなくてね。
ここでそれを預かってンのさ。」
「その人はなんて人ですか?………。」
「サタン君の世代だと名前くらいしか聞いたことないんじゃないかな?
アルバート=ディラン・バルツィエって言う王国の騎士団長だった人だよ。」
「………」
「いなくなる前はよくここでクエストを請けに来てたんだ。
アルバートが暇してたら陛下とここに来てたからね。
その時忘れてったもんだよ。
人の物勝手にどうこうするのは気が引けるけどもう本人はいないみたいだしね。」
「………バルツィエ流剣術指南書魔神剣その二。」
「まぁ、バルツィエの作った本なんてとか思うかもだけどその本を持ってきたアルバートは気さくでいい奴だったし本の中身も戦闘一族なだけあってキッチリしたところまで書いてるよ。
その技が使えるかは別だけどね。」
「貸してもらえるんですか?」
「ん?別に持ってってもいいよ?
どうせ扱いこなす人なんていないし、助手さん達みたいにヴェノムとも戦える人に使って貰えんならその本も幸せだろう。」
「………」ペラペラペラペラ
「どうだい?
何か参考になったかい?」
「店員さん………。」
「なんだい?」
「この本は俺には難しすぎて使いこなすことは無理そうですね。」
「おやぁ、やっぱり無理そうかい?」
「はい、ちょっとこれは普通の人には出来そうにありませんね…。
それこそバルツィエの人達でもないと。」
「あらら、バルツィエの作った本なだけあってバルツィエ以外には実践的じゃなかったみたいだね。」
「けど参考になりました。
有り難うございます。」
「いいんだよ読みたくなったら何時でもおいで。」