テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 夜 残り期日六十日
カオス「………ふぅ………。」
ドサッ………、
カオスは外に設置されていた椅子に腰掛ける。先程までカオスはアローネ達と例の作戦でユミルの森に出向いていた。目的は当然トレントの撲滅だ。この地のヴェノムの主アンセスターセンチュリオンは他とは事情が違い特殊な個体が一体生息しているのではなくトレントというモンスターが数体集まって誕生する。つまりトレントを全滅させない限りこの地でのヴェノムの中で討伐は完了できないのだ。だから連日カオス達はトレント達を狩り尽くすためにユミルの森へと出向く。今日はもう既におおよその集まってきたトレント達を狩り終えてアルターへと戻ってきたところだ。カオス以外のメンバーはそれぞれ床についたりアインワルド族の者達と談笑したりなどするために散っていった。
カオス「(…今日もトレントが沢山出てきて倒しまくったけどなんか段々飽きてくるなぁ………。
毎日毎日ずっと同じことの繰り返しでとてもじゃないけど流石に面倒になってくるよ。
………こんなこと本当は思っちゃいけないんだろうけど………。)」
カオス達の作戦は完全に一方的な流れとなっている。こちらの攻撃は確実にトレント達を減らしていきかつトレント達の攻撃はこちらに届かない。カオス達の中から負傷者がでないというのはそれだけアローネの考案した作戦が優れているということだ。
率直に言えばカオス達の行っていることは命懸けの勝敗を決する戦いなどではなく勝利することが決まっているただの流れ作業だ。作戦開始時は皆も上手く事が運ぶかどうか不安だったがその心配も必要なかったようで順調にカオス達はトレントを誘き寄せ纏めて倒すことができた。それからも日を重ねるごとにアローネの作戦でトレント達を倒し続けて先日にラタトスクから三千もの数のトレントを消滅させたことが分かった。このように順風満帆な状態が維持され続ければカオス達の心境も気が緩んでくるのは無理のないことだった。
カオス達にとってはもうトレントは
そう、時間だけはどうしても短縮することができない。この地での依頼は命の源マナを生み出す世界樹カーラーンがあるためにあまり過激な魔術や火を発生させる魔術に制限が掛かっている。
その世界樹カーラーンといえば丁度カオスがいる場所からも見えていた。
カオス「………世界樹カーラーン………、
精霊と同じで幻の存在とされてきた伝説の樹………。
………あれが枯れると世界が………………、
………………バルツィエの支配する世界、ヴェノムに侵された世界、精霊王マクスウェルと世界樹カーラーン………。
………よっぽどこのデリス=カーラーンは脆くて簡単に滅びやすい星なんだな………。
バルツィエからもヴェノムからも精霊からもデリス=カーラーンを守りきってもまだまだ他にこの星が滅び去る切っ掛けが出てきそうだよ………。」
カオスは一人愚痴をこぼす。カオスが述べたデリス=カーラーンの四つの滅びの危機は全てカオスと強い関係性を持っている。カオス自身がバルツィエの生まれで精霊をその身に宿すシャーマンでヴェノムも彼の精霊の力の前ではその無敵の体質が形無しだ。
………そしてカオスは世界中の人々からその名を知られていてもどこにあるのか謎であった世界樹カーラーンの所在も特定してしまった………。偶然世界中を旅することになってこの地も旅の流れで辿り着いただけなのだが大昔のデリス=カーラーンでは世界樹を求めて世界が戦争を始めた。俗に言うカーラーン大戦はラタトスク曰く誰も世界樹を得ることなくただ無意味に人々だけが争って滅びかけたらしい。そんな事例が過去三万年前にあったのであればカオス達はここで世界樹を発見してしまったことを秘匿にしなければならない。世界樹の存在がデリス=カーラーン全土に知れ渡ればまた三万年前のようなカーラーン大戦が再び勃発してしまう可能性を秘めているからだ。三万年前のカーラーン大戦では世界樹は傷付き枯れかけそれを防ぐためにラタトスクが世界中の人々の目から世界樹を隠した。世界樹が枯れれば世界のマナと生物が死して溢れ出てくる障気の循環が滞り結果障気だけが次々と生産されていく世界となってしまう。障気は生物にとっては有害な物質だ。短時間であれば吸っても影響はないが長期的に吸い続けると人体に深刻な問題が発生してしまう。マナを求めて徘徊するヴェノムでさえも障気の近くには寄り付かない。その生物としての欠陥故世界中でもっとも障気を発生させているのはヴェノムだがある種デリス=カーラーン中のいかなる生物を差し置いてヴェノムは障気が苦手な筈だ。マテオでは封魔石と呼ばれる障気を封じ込めただけの岩を多くの街に設置しそれらの街はヴェノムに襲われることなく安全な生活を送れている。ヴェノムはマナを求めてさ迷う性質からマナを関知する能力があると思われるが同時に障気の気配も関知できるのだろう。だから封魔石がある街には近付くことができない。
ヴェノムでさえも避けて通る障気………、
生物が命を落とした後に発生するのであるならば腐敗したマナと言ったところか。世界樹を失えばそれだけが世界に蔓延していってやがては………………、
クララ「カオス様。」
カオス「………!」
カオスが一人で考え事をしているとクララが現れた。
クララ「………今………よろしいでしょうか?」
カオス「…えぇ、
いいですよ?
何か俺に用が?」
クララ「少しカオス様と………お話がしたく思いまして。」
カオス「?
分かりました。
俺なんかでよければ………。」
クララ「有り難うございます。
ではご一緒させていただきますね。」
クララはカオスの横にカオスと同じ様に腰を掛けた。
カオス「それでお話というのは一体………?」
クララとはアローネ達と別れる前にも顔を会わせていた。今日も特に大した不備もなく作業が順調に進んでいたことを彼女には伝えていた。その時に話をせずにわざわざこうしてカオスが
それともまた別のもっと重要な話が彼女の口から………………。