テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 夜 残り期日六十日
クララ「カオス様の幼少期はどの様にお過ごしになられていたのですか?」
カオス「幼少期………?
俺の子供の頃ですか?」
クララは気軽にそんな話を振ってきた。
クララ「はい、
差し支えないようであればお話いただけたらなと………。」
カオス「別に大丈夫ですけど………何で俺のことなんか………。」
まだカオス達はここでの仕事を終了していない。それならクララが話を振るとしたらカオス達の進捗具合や二人に共通の話題の精霊のことについてかと思ったのだが………、
クララ「他の方がいらっしゃる場ではどうしても違う方向へと逸れてしまうので………。
………私はカオス様の幼少期について興味があるのです。
私の他に精霊を身に宿す方がどの様な人生を歩んでこのアルターまで来訪なさったか………。」
カオス「あぁ、
そういうことでしたか。」
カオスが旅してきた中でカオスと同じく精霊が憑依している者はクララの他にはいなかった。クララからしてもそれはそのままカオスに当てはまる。だから彼女は気になるのだろう。自らと同じシャーマンであるカオスのことが。
カオス「………って言ってもそんな大した話は出来ませんよ?
俺の子供の時なんてつまらない話しかなかったですし………。
………普通に生活してただけとしか………。」
クララ「どの様な話でも結構ですよ。
私は
カオス様が過去にどの様な体験をしてどうお過ごしになられてこのダレイオスまでお越しになられたか、
ざっくりとした出来事だけでもお聞かせいただけませんか?」
カオス「…それだったら………………」
……………………………………………………………………
カオス「…それで俺達はレサリナスを脱出してそのままシーモス砦………ダレイオスではトリアナス砦を越えてダレイオスまで来ました。」
クララ「大分切り詰められた状況で渡ってこられたのですね………。
…カオス様がその様にマテオを飛び出してきたとは………。」
気がつけばカオスはクララに自分の子供の時の話から今の大人の姿に成長するまで旧ミストで一人でモンスターやヴェノムと戦ってきたこと、そこからアローネをミストの森で発見し二人がウインドラ達バルツィエに反抗する騎士団の陰謀で指名手配されることになりミストを出たこと、サハーン率いる盗賊団との対決、タレスとの出逢い、ここにはいないレイディーを介してバルツィエという家がマテオでどういう家系なのか、レサリナスに到着してから思うように自分が万能ではなく無力であったこと、ミストで共に過ごした親友ウインドラとの再開から衝突、そこに来て漸くアローネの国ウルゴスの手掛かりを持つカタスティアとの邂逅、そして運命のレサリナス王城前広場での決定的なバルツィエの騎士団隊長達との対決から逃亡まで長話ついでにこと細かく話をしていた。
クララ「それからカオス様はトリアナスの海でカオス様の中に意思を持った精霊マクスウェルが存在していることをお知りになられたのですね?」
カオス「えぇ、
それまでは何度も寝むっている時に夢の中で誰かの声が聞こえていた気がしてたんですけどそれが精霊マクスウェルだったってことはその後のセレンシーアインで気付きました。」
クララ「…その精霊マクスウェルとは意識を交代することなどできますでしょうか?
私もその精霊マクスウェルとお話してみたいのですが……。」
カオス「それは………。」
カオスは正直なところ精霊マクスウェルが嫌いであまり話かけたりなどしない。カオスが話をしようと話しかけても出てこない時がしょっちゅう………寧ろ全く出てこないまである。そうした理由からカオスの方もマクスウェルのことについては基本いないものとしている。カオスにとってはそう関わり合いたくない相手であるので実は彼のことはそこまで詳しくはない。
そしてマクスウェルがカオス達に課した試練のことはなるべく混乱を防ぐために伏せておきたく出てこられても困るのだ。
クララ「!!
い、いえ今日までラタトスクのように表に出てこないのであれば何か事情がおありなのでしょうし無理にとは言いません!
カオス様もその精霊については好ましく思われておられないようなのでこの件は忘れてください!」
カオスの態度を見て察したのかクララの方が引き下がった。
カオス「…すみません。
マクスウェルとは俺は………。」
クララ「安心してください。
カオス様のことはもう十分分かりました。
カオス様にとってはマクスウェルのことが
…ではカオス様はマテオからダレイオスに渡られてからはダレイオスの様子に驚かれたことでしょうね。
ダレイオスは六年前に話し合いの結果九部族会議を解散することが決まり国としての団結が解消されたことによってそれぞれが元の統治していた地へと帰還することになり昔のような………………昔よりも更に酷い環境へと変わり果ててしまったのですから………。」
カオス「確かにそうでしたね………。
マテオではダレイオスのエルフ達はとても野ば………、
………………。」
ダレイオスの民の前でうっかりダレイオスのエルフが野蛮であることを口にしようとして寸前で気付き続きは言わなかったのだが、
クララ「…どこの国でも行っている教育方針ですからお気になさらずともよいですよ。
現にアインワルドでも他部族やマテオの方々を悪く伝えていく話はありますから。」
カオス「………どこも同じなんですね………。」
クララ「実のところは実際にお会いして触れあってみなくては分からぬことです。
私自身そういう風潮は好きではないので考えないようにはしています。
そういった教育通りの方々も確かに存在はするのでしょうがその全ての人々がそういう方々だけではないことも知りました。」
カオス「知った?」
クララ「カオス様ご自身のことですよ。
ダレイオスではバルツィエは例外なく悪人の集団ということが常識でしたがカオス様のようにバルツィエでも世界をよくしようと働く方もいらっしゃることを学べました。
貴方様の存在は私共ダレイオスの民にとっては希望なのです。」
カオス「希望って………俺だけじゃなくてアローネやウインドラがいなかったら俺はダレイオスには来てなかったと思いますよ?
だったら俺だけじゃなくて他に俺達のことを助けてくれた騎士団や色んな部族の人達だって同じ立場で「貴方様だからこそです。」」
クララ「私にとっては貴方様こそがこの世界の………、
………そしてアインワルドの未来を託したい唯一の希望なのです………。
…どうかカオス様は………、
私達アインワルドと共に………。」