テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アインワルド族の住む村アルター 夜 残り期日四十八日
あれからまた一週間が経過していた。ラタトスクが言っていた四方のトレントの棲息域付近の内の先ず東から攻めることにして今日もそこで作業をしていた。東から始めた理由は北西側にはブルカーンの地方との境界がありそこのトレント達を狩るとフリンク族に生け贄を要求してきたブルカーンが今度はアインワルドに侵攻してくる恐れがあったからだ。そういった理由があるので先にブルカーンから遠い東の方から始めそこから南、西、最後に北に向かう予定だ。西と北の方のトレント達はカオス達が東のトレント達を倒している間になるべく一度で倒しきれるようにアインワルド族の者達に誘導してもらっている。そうしてもらえればカオス達が回る場所は三ヶ所に絞られ今回の討伐が比較的楽に進めることができる。そして東、南、北西の三ヶ所が場所の遠さもあってそれぞれが作業を終えるのにかかる時間配分は
………それでもその時の残り期日は
精霊は未来でも見えるのだろうか?最終的にカオス達が全てを終わらせられるのは残り期日十日になった。
カオス「どうにかしないとなぁ………。」
ここ最近よくこの言葉を口癖のように呟くカオス。そう呟いてみてもカオスには今よりも効率よくトレントを倒す手立てが思い付かない。今までのように単純な力押しでどうにかなる問題ではない。必要なのは力ではなく時間だ。今でこそ死力を尽くしてトレントを倒していってるというのに時間と言うプレッシャーがカオス達を追い詰めていく。
時間と動ける人数が揃えばあるいはどうにか………。
「ストーンブラストッ!!!」
ドドドドドドドドッ!!
カオス「!」
物思いにふけっていたところでツリーハウスの下の方から誰かが地の魔術ストーンブラストを放った音が聞こえてきた。その後は特に何かがその術によって壊れるような物音がしないことからそれが単なる練習か何かだと察した。
ビズリー「まぁこんなところだ。」
「確かに前までのお前の術よりかは威力が増してるな………。
あのカオス様達の術は魔力を上昇させる効果があるのか。」
「でも他の魔術は使えなくなってるんだろ?」
ダズ「そのようだ。
だがそれによって俺達が得た力は計り知れない。
お前達もカオス様に頼んで洗礼の儀というものを付与してもらったらどうだ?」
「そうしようかなぁ………けど………。」
「他の火や水の術が使えなくなるのは考え物だよなぁ………。
村の者が全員お前達と同じ状態になると今後は誰が火や水が必要になった時に用意するんだ?」
ビズリー「水に関してはどうにかなりそうだが火はそんなに直ぐには用意しにくいな………。」
ダズ「そこに視点を向けるとアルターの半分の者は洗礼の儀を受けるわけにはいかないなぁ………。」
「どうしたもんかなぁ………。
もしお前達と同じになれたら巫女様の負担を軽減できると思うんだが………。」
「そうだな。
普通のモンスター相手だったら男手の俺達が出張るところだがヴェノムが相手になると巫女様しか撃退できないし………。」
ダズ「!
………そうだそれだ!
男手の俺達が洗礼の儀を受ければいいんだよ!
女達はそのまま普通のままでいてもらえば最低限生活の基盤は保たれるだろ?」
ビズリー「……いい考えだな。
いざというとき女達がいれば種は保たれる。
男である俺達はそれを守らなければならない。
だったら俺達がカオス達のお力で強くなれればアルターの繁栄は確実なものとなる。」
「早速他の男共にこのことを提案してみるか?」
「いや先に巫女様に意見をもらってからでないと勝手に話を進めるとお叱りをくらうぞ。」
ビズリー「では巫女様にこのことを話にいくぞ。
カオス様達だけではトレント退治は骨が折れるようだからな。
俺達もトレント退治を手伝うんだ。」
カオス「………本当にいい村だなぁ………。
皆が皆のために考えて行動して協力して………、
………こういう村で生まれることができたらよかったのに………。」
ビズリー達の様子をツリーハウスの上の方から眺めていたカオスが素直な感想を口にする。ある種ビズリー達の様子はカオスにとって
このアインワルドの人々だけは何がなんでも守ってあげたい。カオスはまたアルターに対する印象を上方修正していた………。